第15話| 君が覚めるのと、君の世界が覚めるのは、同時だ。
お父さんがお墓を掃除してこようっていうから、僕もついて行った。学校は今週から半日になってるんだ。夏休みが近い。
うちのお墓は叔父さんがデザインした。先祖の名前とプロフィールを刻んだプレートを、石の台に並べてある。その台を、叔父さんは「ヒマラヤ」って呼んでる。それから、手前の白い小石が敷いてあるところは「ガンジス」なんだって。言われないとわかんないけどね。でもほんとはそこに小石じゃなくて水を張りたかったらしい。目指せ、タージ・マハール!
墓地って特別な感じがする。ふつうとは