Dr. Kano

京都大学大学院情報学研究科・教授. クアドリティクス株式会社・共同創業者. ロードバイ…

Dr. Kano

京都大学大学院情報学研究科・教授. クアドリティクス株式会社・共同創業者. ロードバイク RIDLAY FENIX SL 2016 に乗ってます.

マガジン

  • 本の紹介・読書の記録

  • 自転車・ロードバイクでサイクリング

  • 大学・大学院・教育・研究のあれこれ

  • 旅行・食事

    国内外の旅行と食事について

  • ウイスキー

    ウイスキー関連の記事まとめ

最近の記事

  • 固定された記事

学生/技術者/研究者向けアドバイス一覧(随時更新)

noteに書き連ねてきた記事の中から,私自身が有用だと思うアドバイスらしきものを集めて,ここに整理しておきます. 進学・キャリアのアドバイス大学新入生に伝えた(い)こと 大学の講義は面白くない? 機会を見送る人と活かす人 大学院入試に向けた活動指針 ー 他大学も視野に 博士課程進学という決断:青年の大成 - 学生に読んでおいて欲しい本 人生最適化の目的関数と制約条件 勉強のアドバイス20歳代が学問する絶好機 大学や大学院で身に付けておきたい力 素直に学ぶこと

    • それか! 厄年か‼

      そうだ,上賀茂神社,行こう. 朝家を出るとき,ふとそう思って,上賀茂神社に行ってきた.ロードバイクで.いつもの通勤より少し遠回りになる. 上賀茂神社では,斎王桜が見事に咲いていた. もう桜の花の季節も終わりだ.多くの桜は葉桜になっている. それでも,花手水の花は桜だ.綺麗だった. 拝殿に向かって歩いていると,「令和6年度 人生儀礼年表」という看板が目に入ってきた. その看板を見て初めて知った. 昨年,自分は大厄だったことを. まったく気にしていなかったのだ

      • 日本人を拘束し破滅させえる「空気」の研究

        空気を読まないと非国民扱いされる日本で,皆が空気を読んで責任を空気に押し付けて,空気に支配された自分は免責されて当然と考える.誰も責任を取らない.それで敗戦もしたわけだが日本人は懲りていないし学んでもいない. 戦艦大和の沖縄戦特攻出撃の決定に関与した誰もが無謀な負け戦だと知りながら,実際サイパン陥落時には合理的判断にて出撃させなかったにもかかわらず,なぜ戦艦大和を沖縄戦に出撃させたのか.それは,サイパンのときにはなく沖縄のときには生じていた「空気」によるものだという. こ

        • 湯郷温泉→片鉄ロマン街道→日生カキオコ→赤穂:サイクリング2日目

          津山で,Zガンダム,ホルモンうどん,津山城の津山さくらまつり,農園カフェ湯郷の生いちごソフト,オルゴールのコンサート,津山グルメを満喫した翌日,6:00から温泉に入り,朝食までロビーで本を読み,ゆっくりと朝食をいただき,8:30過ぎにサイクリング2日目を開始した. サイクリング2日目のメインイベントは,片鉄ロマン街道を走ること.片上鉄道の廃線跡を利用して整備されたサイクリングロードで,桜が美しいと聞く.そのあと,日生(ひなせ)でカキオコ(牡蠣のお好み焼き)を食べる.最終目的

        • 固定された記事

        学生/技術者/研究者向けアドバイス一覧(随時更新)

        マガジン

        • 本の紹介・読書の記録
          152本
        • 自転車・ロードバイクでサイクリング
          63本
        • 大学・大学院・教育・研究のあれこれ
          112本
        • 旅行・食事
          48本
        • ウイスキー
          17本
        • 技術・アプリ・ガジェットとか
          18本

        記事

          Zガンダム→津山さくらまつり→湯郷温泉:サイクリング1日目

          岡山の片鉄ロマン街道(片上鉄道の廃線跡を利用したサイクリングロード)を桜の季節に走りたいと想い続けて幾年月.自分の休日,良い天気,津山の桜の満開,の3つを合わせるのは至難の業だったが,遂に実現した. 始発列車で京都から津山まで輪行して,津山でZガンダムを見て,名物B級グルメのホルモンうどんを食べて,津山城(鶴山公園)で津山さくらまつりを見て,B'z稲葉兄のお店で和菓子を買って,湯郷温泉でオルゴールのコンサートを聴いて,湯郷温泉でのんびりするという1日目の計画. 京都駅発7

          Zガンダム→津山さくらまつり→湯郷温泉:サイクリング1日目

          「汝,星のごとく」という小説

          生きるのって複雑だなと改めて強く思った.辛くもあるけど,とても良かった.プロローグで???状態になったが,そのわけがわからないプロローグの意味も最後まで読むとわかった.汝も星もわかった.もっと早くそこに行き着けたのかもしれないけれど,そうはいかないのが人生なのだろう. いつになったら,あなたは自分の人生を生きるの? いざってときは誰に罵られようが切り捨てる. もしくは誰に恨まれようが手に入れる. そういう覚悟がないと,人生はどんどん複雑になっていくわよ. 自分は本当に恵

          「汝,星のごとく」という小説

          情報科学に欲望を託す「デジタル・ナルシス」

          元々1991年に出版された古い本だ.当時私は大学生だったが,インターネットが一部の人達に使われ出した頃で,ほとんどの人はまだ電子メールの存在すら知らなかった.エキスパートシステムに代表される第2次人工知能ブームが下火になりかけた頃とも言えるだろう. だから,いまどきの生成AIなどは一切登場しない.先端的な技術論ではなく,本書「デジタル・ナルシス」が取り上げるのは,現代の情報化社会を切り開いた情報科学のパイオニアたちの生々しい生き様だ. 本書では6人の研究者が取り上げられて

          情報科学に欲望を託す「デジタル・ナルシス」

          研究室紹介(3):システム工学思考で課題を解決する

          研究室紹介のつづき.これが最後. スーパー安納いもプロジェクトを推進する医療だけでなく,農業分野にもシステム工学的アプローチを展開している.対象としている農産物は極めて限定的で,種子島産の安納いもである.サツマイモの一種である安納いもは,ねっとりとした食感と強い甘味が特徴で,焼き芋や天ぷらにすると美味しく,スナック菓子や惣菜パンにも使われており,全国的に人気である.しかし,現状の抜き取り検査による品質保証は十分な水準にはなく,競合する新品種も次々に現れていることから,生産農

          研究室紹介(3):システム工学思考で課題を解決する

          研究室紹介(2):製造技術,人工知能,医療・ヘルスケア

          研究室紹介のつづき.主な研究内容について述べる. 産業界の課題を解決するここまでに述べてきたような思考やフレームワークを用いて,私自身はデータ活用を推進してきた.ここでは,研究成果の一部を紹介する. 製剤関連では,第一三共株式会社と共同で実施してきた一連の研究がある.最初に取り組んだのは,プロセス解析工学(PAT)の研究開発である.私がこの分野に入り込んだ当初,あちこちの国際会議で,ポテトチップスの写真を見せられ,なんと自虐的な集団なのだろうと思った.共同研究では,近赤外

          研究室紹介(2):製造技術,人工知能,医療・ヘルスケア

          研究室紹介(1):課題解決型の応用研究を志す

          京都大学大学院情報学研究科にある研究室(ヒューマンシステム論分野)の紹介をしてみる.研究室の公式ウェブサイトをまったく更新していないのだけれども,ある学会から研究室紹介記事を書くようにとの依頼があって,意を決して書いたので,その原稿を編集した内容をここに残しておくことにする. 課題解決型の応用研究を志す私が大学院修士課程に在学していたとき,橋本伊織先生(当時の教授)から「加納君,基礎研究の対極は応用研究か?」と尋ねられた.私は「そりゃそうでしょ」と思った. 研究には基礎研

          研究室紹介(1):課題解決型の応用研究を志す

          「成瀬は天下を取りにいく」

          高校(滋賀県立石山高等学校)の同級生たちが,懐かしい場所とかいっぱい出てくるよ,読んだ読んだ,と盛り上がっていたので,図書館で借りて読んだ.とても人気があるようで,京都市立図書館では100人以上の予約待ちで,予約してから借りるまでに9ヶ月かかった. 自分は滋賀県で育ったと言っても,実家は草津なので,大津に思い入れがあるわけではない.高校も石山なので,成瀬の膳所とは違う.それでも,西武大津店の閉店だとか,外輪船のミシガンだとか,近江神宮のかるた大会だとか,そういうのもあったな

          「成瀬は天下を取りにいく」

          「集団の思い込み」を打ち砕く技術を身に付けよう

          声の大きな人:「〇〇するでしょ!」 普通の人1:(私は■■がいいと思うんだけど,みんなは〇〇だって考えてるだろうな.) 普通の人2:(声の大きな人が〇〇だって言っているし,みんなも〇〇だって考えてるのかな.私は■■すべきだと思うんだけど.) 普通の人3:(やっぱりみんな〇〇しようと思っているのかな.私は■■だと思うのだけれど.) 集団への忖度の結果,全員が〇〇する.声の大きな,おかしい人を除いて,誰も〇〇が良いなんて思っていないのに... これが本書「なぜ皆が同じ間違いをお

          「集団の思い込み」を打ち砕く技術を身に付けよう

          「2050年の世界」はどうなっているか:未来を予測するための考え方を学ぶ

          私は未来を想い描くのがとても苦手なので,バックキャスティングしろ!とか言われると非常に困ってしまう.著者のヘイミシュ・マクレイは,わからないものはわからないとしつつも,今手に入る手掛かりをもとに,ありえそうな未来を描きだす.ヘイミシュ・マクレイが描く未来の世界の姿になるほどと思いつつ,その想い描き方が非常に参考になった.深刻化する環境問題や紛争を見れば悲観的になって当然に思えるが,著者は根本で人類を信じており,明るい未来を見ている.そこも良かった. 未来を予測するときに,ま

          「2050年の世界」はどうなっているか:未来を予測するための考え方を学ぶ

          自分の「エンド・オブ・ライフ」をどうしたいか

          終末期医療に関するノンフィクションで,京都の診療所が舞台のひとつ.色々と感じるし,考える.とても良かった.人は生きてきたようにしか死ねない.家族への向き合い方や自分の生き方について色々と考えて実行せねばと改めて強く思った. 本屋大賞 2020年ノンフィクション本大賞 受賞作. 看取りのプロフェッショナルとして,死を宣告された患者とその家族が,患者の人生の最後のときを願う通りに過ごせるように,在宅での終末期医療に自分の人生を捧げてきた看護師.診療所の仲間とともに,患者とその

          自分の「エンド・オブ・ライフ」をどうしたいか

          「超デジタル世界」について考えてみる

          ChatGPTなどの大規模言語モデル・生成AIが猛威を振るう前に出版された本であり,その話題はない.デジタルトランスフォーメーション(DX)やメタバースの表層的な技術紹介ではなく,ハウツウ本でもなく,ハイデガーなどの哲学も参照しつつ,社会文化に踏み込んだ考察がなされており,とても読み応えがある. 本書は日本のデジタル敗戦の話題から始まる.日本がデジタル後進国となってしまった原因はどこにあるのか.他方,GAFAMを生み出し独走するアメリカはどうなっているのか,どうなっていくの

          「超デジタル世界」について考えてみる

          結婚25周年(銀婚)記念家族旅行に長男を訪ねてカリフォルニアへ

          今,長男が大学の短期留学制度を利用してUC Davis(カリフォルニア大学デービス校)に行っている.その様子を見に行こうかという話になり,2023年から2024年にかけての年末年始,ちょうど大学の講義がなくなる時期(UCDでも京大でも)にデービスを訪問することにした. この時期の旅行は高くつくので,これまでずっと旅行することはなかった.私の実家は滋賀,彼女の実家は京都なので,帰省のための長距離移動もしたことがない.しかし今回は,2023年11月3日に結婚25周年を迎えたこと

          結婚25周年(銀婚)記念家族旅行に長男を訪ねてカリフォルニアへ