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悪を防ぐためには思考の能力としての理性を鍛える活動である哲学が必要である(カント) 思考の能力とはわたしたちが世界から意図的に離脱するための営み。日常生活では何の役にも立たないもので、その結果生み出される思想はかなり自己破壊的なものでもある
#ハンナアーレント #責任と判断

権力は組織と人々の共生よって存続するものだから共生に加わらない人は権力を失い無力となる。権力に代わり得るものは体力ではなく実力。権力だけが体力を滅ぼすことができるから、体力は常に多数者の結合した力の脅威に曝されている。#人間の条件

ポリスは共に活動し共に語ることから生まれる人々の組織。この空間は常に存在すると限らず、多くの人達はこの空間に住んでおらず、また永久に住むこともできない。だが、この空間を奪われることはリアリティを奪われることに等しい。人間にとって世界のリアリティは他人の存在により保証されるから。

『レンブラントの身震い』

『レンブラントの身震い』

面白くて読みやすくて後半一気に読んでしまった!
幸せな気持ちでいっぱいな日曜日深夜1時。

筆者のマーカス・デュ・ソートイは数学者で、「対称性」が研究分野のようで、このTEDもすごく面白かった。説明が上手で、数学よくわからない私でもわかった気になる。

対称性は美とも関連が強く、『レンブラントの身震い』では、AIが音楽・詩・小説・戯曲をつくってきた例を紹介しながら、それらは人間の創造力を掻き立てる

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『インドネシア大虐殺』1965年に起きた9.30事件後に起きた大虐殺。逮捕、殺害のために使われた言葉pengbunuhan(殺害)ではなく、pengamanan(身の安全の確保)だった。ベトナム戦争の裏で何が起きていたのか、今だからこそ出てきた資料や発言の数々に驚かされた…

ロックやその後継者が労働はすべての価値の起源でこれほどまでに頑固に労働にしがみついていたのはなぜなのか?…
労苦と満足感は互いに密接に結びついて交互に生起する。労働の祝福はこの点にあるのである。富があっても労働を奪うことは生きていることからくる基本的な幸福感を台無しにしてしまう

土地を収用された労働する動物が私的になるのは公的領域から隠れ保護されるべき私的な場所を奪われているからである。マルクスは「社会化された人間」は労働に費やしていた時間を趣味のような本質的に無世界な活動力に費やすだろうと予言した。(※共産主義/社会主義社会では全ての職業が趣味となる)

"囚人という言葉の意味は自由意志のない人間ということである。ところが金を使うことによって、彼はもう自分の意思で行動しているのである。"

自然:衰退と成長を繰り返すことにより人間の工作物(生産物)の中に侵入し、その世界を人間が使用できないようにしようとする
→労働:自然に逆らって世界を保護し保存する終わりなき闘い。自然によって荒廃された工作物の世界を毎日新しく修理する努力が苦痛なのは「反復」しなければならないから

★生産物の世界の程度は、その「物」の”永続性の程度”に依存している
★人間事象の事実的世界全体は、
1)それを見て、機器、記憶する他人が存在すること
2)触知できないもの(活動、言論、思考)を触知できる「物」に変形すること
によって初めてリアリティを得て”持続する”存在となる

★古代の奴隷:人間生活の条件(=必要)を取り除こうとする試み

★思考=生命:知的労働=肉体労働
考える≠仕事すること

アダム・スミス「社会の中で最も尊敬すべき地位にある労働は価値創造しない」僧侶、弁護士、医者、文人など仕事が生産された途端に滅びてしまう

★政治との関係性:善/lonely>知/solitude
-善行が公に現れると善の性格(ただ善のためにのみ為される)を失う
マキャベリ「いかにして善人たらざるべきか」
…教会が世俗問題に加わり頽廃的政治勢力と見なした
宗教⇔世俗(公)=互いに腐敗し合うor宗教が公を滅ぼす

政治と芸術はぶつかることも多いけれど、そもそも根源は「ここにない理想をつくろうとする」という点で同じっていう指摘は目から鱗。それと芸術に携わる者は資金的にはマイノリティであることが強調されるけど、地方活性化などで現地に入り込む際は芸術=権力である、と。#社会の芸術/芸術という社会

あいトレから1ヶ月後も考えていること

もう1ヶ月も経ってしまった(!)けれど、あいちトリエンナーレでの一連の事件をきっかけに東京大学出版会「文化政策の現在(小林真里編)」シリーズ計3冊を大人買い(12,000円也〜〜〜)してまだ1冊目の途中しか読めていないのですが、濃密すぎてすでに頭がパンク気味なので考えたことを残しておこうと思う。(ついでに寄り道して読んだ本も含めて。)

いま、あいちトリエンナーレと同じようなアートの祭典のインタ

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