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「本好きの30問」に答えてみました(後)

◆実際に会って話をしてみたい作家はいますか?
(既に亡くなった作家も含む/外国語の言葉の壁はないものとする)

宇野千代

「恋話」したいです。

「生きて行く私」を読んだとき、5年ほど付き合っていた彼氏と別れたころでした。もう恋愛はいらないと思ってたんですが、なぜかこれを読んだら、また誰かを愛し誰かに愛される予感がしました。

激しい恋愛遍歴と華やかなイメージのある宇野千代さんだけど、よくよく考えたら酷な別れ方してるんですよね。
尾崎士郎も東郷青児も、彼女とあれだけ苦労をともにし、彼女の支えで小説家や画家として大成したというのに、最後は別の女性のところへいっちゃうなんてあんまりじゃない?と思うんですが、彼女は彼らを悪く書くどころか「楽しかった」とさえ書いている。
彼女をお人好しに思う人もいるかもしれないけど、私はむしろ彼女が彼らを人生の肥やしにしたように思えます。

別れた男たちを、自分の人生においてゴミ(言葉が悪くてすみません)にするか肥やしにするかは、自分次第と教えてもらいました。

◆今までに読んだことがあるもので「これ自分がプロになって書き(描き)たかったやつ!」と強烈に感じた作品

「恋」 小池真理子

恋愛小説を書いたことないのに、読んだ時、なぜか「こんな恋愛小説書きたかった」と思いました。謎です。

◆生まれ変われたらなってみたい既存の作家

貴志祐介

「新世界より」を読んだとき、この世界がたった一人の人間の頭の中で繰り広げられているんだと考えたら、人の想像力の無限の可能性に震えました。
貴志祐介さんほどの想像力があれば、同じものを目にしてもまた違ったものが見えるのだろうと思います。見てみたいです。

◆定期的に読み返す本

「錦繍」 宮本輝

離婚した男女が、偶然に再会したことから始まる手紙のやりとり。
「寝る前にちょっとだけ」と寝ながら読み始めたんですが、一気読みして興奮して眠れなくなりました。
読み終えたとき、静かな感動が体中に満ち満ちて、自分がとてもパワーアップしたような気になりました。
これからの人生、辛く哀しいことがあっても、この時の感動の記憶が私を救ってくれるだろうとも思いました。

言葉には力がある。
小説はすごい。

そう思わされた一冊です。

◆一度読んで、これ以上はいいかなと感じた本/作家

「ロートレック荘事件」 筒井康隆

これを読み「もう二度と、この人の小説は読まない」と決めて20年以上なりますが、本当に一冊も読んでません。
筒井さんの本は、夫の本棚に何冊もあるし「富豪刑事」とか面白そうと思うんですが、そのたびに「ロートレック荘」を思いだして「やっぱ、やめよ」となります。もったいないことしてるとは思うんですけどね。

◆ぶっちゃけ苦手な分野の本/作家

ビジネス本は一冊も読んだことがありません。
あと恋愛指南書みたいなやつも読んだことない。

◆ぜひ映像化してほしい本/作品

「残月記」 小田雅久仁

ここ最近読んだ中で、最も映像が浮かんだ一冊です。
圧倒的な描写力に、普段のものだけでなく眠っていた想像力まで叩き起こされ「想像力総動員!」と物語に没頭しました。
途中からは、映像だけでなく「ばばばーん!」という効果音や「たらら~♪」ってBGMまで勝手に流してました。
読み進めるというより読み沈んでいくという感覚で、読み終えたときはへとへとでしたけど楽しかったな。

誰か映像化してくれないかな。私の映像と比較したいです。

◆ぜったいに映像化して欲しくない本/作品

特にないです。
それまで村上春樹の小説は映像化に向いていないと思っていたんですが、先日「ドライブ・マイ・カー」を観て、小説の世界は表現できなくても派生して全く別の映像の世界が誕生することもあると学びました。

◆「巨匠」という言葉からイメージする作家

江戸川乱歩

推理小説の祖はエドガー・アラン・ポーですが、私にとって推理小説の世界に導いてくれたのは乱歩巨匠です。

◆「偏愛」という言葉からイメージする作品/作家

連城三紀彦

昔、夫の友人として紹介された男性に「連城さんの『戻り川心中』が好きなんです」と話したら「僕も大好きです。『戻り川心中』に収録されている短編の冒頭は全て暗記してますよ」とすらすら披露されました。
好きのレベルが違う、と思いました。

◆ 一週間入院する自分と同年代の友人に差し入れるならこれって本/シリーズ

有栖川有栖の火村英生シリーズ

推理小説としては、火村先生シリーズより江神先輩シリーズのほうが好きなんですが、火村先生がかっこいいのでこちらを差し入れます。
「さぁ、あなたもこれを読んで火村先生にクラクラしてちょうだい」って渡します。

◆ 外国に移住する自分と同年代の友達へプレゼントするならこれって本/シリーズ

「蜘蛛の糸」 芥川龍之介

娘と一緒に本を読むのがとても好きでした。
たくさんの物語を楽しみましたが、読んでいて「気持ちいいな」と感じたのが「蜘蛛の糸」です。
海外に移住する友人には、この日本語の気持ちよさをぜひ持っていってもらいたい。

◆元気を出したい時に読む本/作家/ジャンル

「GO」 金城一紀

私にとって青春小説の金字塔。悩み苦しむ主人公が眩しい。
アイデンティティの揺らぎも尊い青春に思えます。
いつまでもいろんなことで悩むということは愚かかもしれませんが、同時にいろんなことに悩めるということは素晴らしいことかもしれません。

◆もし自分がオーナーになったらこんな店にする!という妄想の本屋

私の家そのものが妄想の本屋みたいになってます。
家を建てるとき、二階の床を強化しといて本当によかった。

◆いま思いつく「オールタイムベスト10冊」

①「孤島の鬼」 江戸川乱歩 
②「戻り川心中」 連城三紀彦
③「錦繍」 宮本輝
④「愚者の毒」 宇佐見まこと

⑤「思い出トランプ」 向田邦子
小説を書き始めたとき、ヨーグルに「書きたいものを書いたらだめだ。読みたいものを書きなさい」と何度も指摘されました。
書きたいものと読みたいものが切り離せず悩む中、これを読み「もっと彼女の小説が読みたかったな」と考えながら書いた小説は、私が初めて「読みたいもの」を書けた作品になりました。初めて彼に褒められ、初めて投稿して初めて賞をいただけた作品にもなりました。
私の恩師のような一冊です。

⑥「屍鬼」小野不由美

⑦「ねじまき鳥クロニクル」 村上春樹
村上春樹を一冊挙げます。私に村上春樹を教えてくれた元彼に深い感謝を込めて。
実は長編よりも短編が好きなのですが、長編なら「ねじまき鳥」、短編は「ファミリ・アフェア」が好きです。

⑧「きらきらひかる」 江國香織
江國香織も一冊挙げます。一番好きなのは「泳ぐのに安全でも適切でもありません」ですが、最初に読んだ彼女の小説はこれでした。

⑨「Yの悲劇」 エラリー・クイーン
夫と「Xの悲劇」と「Yの悲劇」のどちらが好きかという話をしました。
両方、傑作という意見は同じなのですが、あえて夫は「X」私は「Y」を選びました。
さて、娘はどちらに軍配をあげるかな。楽しみです。

➉「生きて行く私」 宇野千代

はぁ~、楽しかった。
やっぱり本って面白いですね。
闇夜のカラスさん、あらためて素敵なアンケートをありがとうございました。