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自己肯定感を高めたいなら、自己肯定感を高めようとしてはいけない。

今回はずっと引っかかっている言葉、についての話。

「自己肯定感が高い子は、満足度や幸福度が高く、自主性があり、学力も高い。」


さて、どこが間違っているでしょう?

多分間違いはないです。


でも問題は次から。

「自己肯定感はどうやって高められるでしょう。」

パッと思いつきで答えようとすると

褒める。認める。励ます。

みたいなことが出てきます。


本当に?

これは良く観察してみると、そうとも言い切れないことは、すぐわかりました。


調子のいい時はこれでいいのだけれど、

うまくいかなかった時、思い通りにならなかったときに、
どうにもならなくなります。



「自己肯定感を高める」がうまくいかない理由


これは「肯定することだけにしか、目を向けていないため」
だと考えています。
「プラスを増やすことしか、考えていない」
と言ってもいいでしょう。


いくらプラスが多くても
それ以上にマイナスが大きくなってしまえば、
結果的にはマイナスです。

逆に、プラスが少なくても、
マイナスがそれより少なければ、
結果的にプラスになります。

投資や収支の考え方と同じです。
(失敗した経験者は声を大にして語ってみる)


つまり、何が言いたいかと言うと、

自己肯定感という言葉は、肯定という言葉でプラス面に目を奪われ過ぎる。
その結果、否定しない、マイナスを減らすことを軽視しやすくなる。

そんな落とし穴があるのではないか?

自己肯定感という言葉がずっと引っかかっている理由はここにあります。


もちろん、言葉を作った人が悪いわけではありません。
私たちが勝手に誤解していたのかもしれないというだけの話ですから。



「自己肯定感が高い」とはどういう状態なのか


このことを少し深掘りしてみようと思います。

私が考えている自己肯定感が高い状態とは、

「自分の自己肯定感について意識しなくなった状態」です。

家族に話したら「????」みたいな反応をされました。笑


もう少し説明しますね。

自己肯定感を高めようとすると、自分の中に矛盾が生じてきます。
自問自答を繰り返して見つけました。
こんな感じです。

『どうして自己肯定感を高めようとしているの?』

「自己肯定感が低いからです。」

『もし自己肯定感が高くなったら、その後どうするの?』

「より自己肯定感が高く、あるいは高い自己肯定感を維持しようとします。」


『どうしてそんなことするの?』

「何もしないと、自己肯定感が低くなってしまうからです。」


『それって、自己肯定感が高くても低くても、自己肯定感を高め続けないといけないから、どっちでも一緒じゃない?
 自己肯定感を高めようとしていることそのものが、自己肯定感が低いと証明することになっていませんか?』

「確かに・・・・」


自分の中で問答を繰り返すと、行き止まりになります。

『幸福になりたいなら幸福になろうとしていけない』という本の中に、「幸福の罠」という似たような考え方があります。


自己肯定感を高めたいなら、自己肯定感を高めようとしてはいけない。

これが今のところの答えです。



ではどうすればいいのか?


自己肯定感について意識しなくなることを目指す。だと思います。

ありのままを受け入れるってやつですね。


もう少し詳しくすると、

肯定、プラスはちょっとだけでいい。
否定、マイナスはプラスより少なくまで減らす。

結果、ちょいプラス状態になります。
これが一番安定いているいい状態だと考えています。

勝手に「ジリ得」と読んでいます。ジリ貧の逆の考え方ですね。


ポイントは2つ。

一つは、大きくプラスを増やそうとしないこと
プラスが大きくなりすぎると、そのプラスが小さくなっただけでも、
マイナスが大きくなった感じてしまうからです。

参照点をプラスに振り過ぎない。
もっと簡単に言うと、期待し過ぎないです。

自分の価値を低く見積もるという意味ではありません。
ただの損失回避対策です。
期待しすぎないとは、「同じ結果でも満足度を高められるようにする工夫」と考えると良さそうです。


もう一つのポイントは、

マイナスをできるだけ小さくすること
0にはしないというのが最大のポイントです。
というかできません。笑
損切りをちゃんとするのとほぼ同じですね。

マイナスはあってもいい。プラスより少なければ、ちゃんとトータルでプラスは増え続けます。


「自分は何をやってもダメなのに、どうやってマイナスを減らせばいいんですか!?」(さっきのもう一人の自分が叫んでいます・・・)


ではどうやってマイナスを減らすか。

大丈夫です。
このプラスとかマイナスとかは主観でOK。
だから、成果や結果とは関係なく取り組めますよ。


いくつか方法があります。

失敗を成長の機会と捉える、というやり方があります。
成長マインドセットってやつですですね。

一番簡単なのは、
「もうダメだ」を「まだできないだけ」
と言い換えるだけ。

「次こうすればうまくいくかも。」
と希望を持てるだけで、
主観のマイナス感は減ります。


他にも
「人間なんだから、誰でも失敗したり怠けたりすることはあるさ」
と、個人の問題ではなく、
普遍的な全体論として解釈してしまう方法もあります。


これには、言い訳にしか聞こえないという反論がすぐ出ます。
対する答えは明確です。

無駄に自分を責め過ぎて、マイナスを大きくしてしまうくらいなら、
言い訳だろうがなんだろうが、
マイナスを減らしてトータルプラスの方向に近づければその方がいい。
何か問題でも?

です笑


これらのことはDaiGoさんの心理学をきっかけにして学びました。



真面目なのはいいことですが、それだけはうまくいかないこともありますからね。

何事も総合的に考えてみるのが大事です。

自己肯定感も結局そういうことなんだと思います。

肯定する(プラスを増やす)ばかりでなく、否定しない(マイナスを減らす)ことも考える。

ちょいプラス、ジリ得を目指す。
このバランスを自分の中でうまく作り出せる、考え方や行動について考えていく。

これが自己肯定感が高い状態を作り出す方法なんだと思っています。


書き終わってから思い出したけど、前に似たようなことをつぶやいていました。

個人的には
「自己肯定感」より「自己尊重」の方がまだしっくりきます。

尊重って言葉も大袈裟過ぎますが・・・

なんかより自然体な感じを表現できるいい言葉ないですかね?

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