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試合分析 仙台大学附属明成VS福岡第一

ウィンターカップ2020 12月27日

男子準々決勝 明成VS福一試合分析

まずはじめにウィンターカップのスポンサーソフトバンク、ライブ配信をしてくれているバスケットLIVE、スポーツナビ、実況解説の方々、大会運営者、審判、オフシャル、仙台大学附属明成高校、福岡第一高校関係者等に本当に感謝しています。

最高の試合をありがとうございました。


まず福一の紹介です キャプテンのハーパー君を中心にDEFから速攻の基本に忠実なチームです 今までの試合も圧勝で勝ち上がってきており優勝候補です 監督の井手口コーチは何度も全国優勝をしている名将です

対する明成ですが知識不足で名門校ということしか知りません すいません ユニフォームの色が変わりました

スタート紹介

福一#31ハーパージャンローレンスジュニア PG 182 3年
#88佐藤 涼成 PG 173 2年
#27松本 宗志 SG 179 3年
#10早田 流星 PF 186 2年
#65キエキエトピーアリ C  200 3年 
平均身長184 Gが3人いるいわゆるスモールラインナップでテンポのはやいバスケットを目指します

明成#5一戸 啓吾 PG  183 3年
#7越田 大翔 PG 192 3年
#8山崎 一渉 SF 199 2年
#10 山内ジャヘル琉人 SG 190 3年
#14 山崎 紀人 C 195 2年
平均身長191 とにかく大きいです

1Q
明成はDFEを2−3ゾーンで始める 2−3のゾーンと言っても上の二人はガンガン動いてプレッシャーをかけます。そしてアリ君は3人でも4人でも囲むそんなDEFです。明成の佐藤コーチはおそらくマンツーマンで真っ向勝負を挑んでも勝てないのでゾーンを組んでロースコアの試合を望んでいたんだと思います。そのため速攻もあまりなく、少し時間を使いながら攻めていました。

福一の速攻にはファールをしない、アリ君は囲むファールをしない、ゾーンの上二人は激しく動く、このようなことを徹底していたと思います。

福一のマンツーマンDEFは激しく、スティールも狙ういつも通りのプレーをしていました。

速さで勝負する福一に対しゾーンを使い高さで勝負する明成
監督の意図が見えました。
福一のOFEは明成のゾーンに対してあまりハイポスト、ショートコーナーを上手く使ったゾーンOFEをできてない印象がありました、しかしゾーンDEFにはリバウンドの責任の所在が不明確になりやすいという弱点があり、その弱点をうまくつきOFEリバウンドでの飛び込みリバウンドを量産していました。

福一のOFEは基本的に2ガード、コーナー2人 真ん中にアリ君というポジションをとっておりコートを広く使いギャップを攻めアリ君にあわせる形をとっていました。

明成はアリ君に入っても囲む、外のシュートは高さでカバーする。アリ君に取られる分はしょうがないから囲んでタフショットを打たせようという作戦だったと思われます。

明成のOFEは福一のハードなDEFに苦戦しておりTOは多かったように思えますが佐藤監督はそんなことはわかっていたと思います。
(7分33秒のルーズボールのシーン、ヘルドボールはナイスジャッジだと思います。自分はなかなか吹けません)

7分26秒明成のハンドオフから山内のドライブに対応できず アリ君1つ目のファール スイッチしてブロックを狙ったが追いつけずファール
明成はとにかくアリ君をファールで追い出そう。そうすれば勝てると考えていたと思います。

1Q前半はとにかく守り合いのロースコアで試合が進んでいきました。
福一は45°コーナーの3Pを打つが入らない
明成は外まわししかできずインサイドを攻めれないが山内君のディープ3で逆転
プラン通りゲームを進めていたのは明成でした。

その後は福一の佐藤君のタフショット、ハーパー君のドリブルパンチからのキックアウトを早田君が3P決める、そしてDEFリバウンドからのハーパー君のドリブルプッシュからアリ君にあわせバスケットカウント得意の形をきめ一気に7点取ったところで明成1回目のタイムアウト。
(前半のタイムアウトはできるだけ早くとる、6点連続で入れられたらとるが基本です。佐藤監督は定石通りのタイムアウトをとりました。)

このタイムアウトでおそらく福一はゾーンOFEの説明、明成はOFEのことを話したと思います。

タイムアウト明け福一は指示通り、アリ君のピックからの早田君の3Pだったり、アリ君ではなく早田君のポストアップなどOFEを工夫しており点差が離れました。
しかし山内君から山崎君へのパスで山崎君がゴール下でバスカン、アリ君2つ目のファールでアリ君をコートから追い出します。(基本的に5ファールで退場なので1Qで2つ、2Qで3つ、3Qで4つの状態になったら選手を交代させます。)
交代で入ってきたマクター君は留学生で身長も高いですが1年生、明成のチャンスです。

福一は選手を休ませるためハーパー君以外は全員交代しました。明成チャンス!

流石にセカンドユニットでは明成のゾーンを崩せずTOが多かったです。しかしOFEリバウンドはたくさん取れていました。


福一20対14明成で1Q終了

明成はアリ君のファールを稼げ毎回100点ゲームをしてるチームを20点に抑え6点差上出来だったと思います。
福一は3Pの点数は取れていますがハーパー君0点とあまり思っていたゲーム運びはできていなかったように思えます。

2Q
福一はメンバーをスタートに戻しました。
明成は我慢してついていきアリ君のファールを誘いたいです。

福一のOFEが連続で失敗し、山崎君に3Pを決められまたOFEも失敗したところで井手口監督は余っていたTO

おそらく福一はOFEの修正あわせの話かな?
明成はリバウンドを頑張れているためいいと思います。

TO明けアリ君が今まで使わなかったハイポストを使い中外中とパスをつなぎファールをもらいました。的確な指示をできる井手口監督、それを実行できる選手さすがです。そしてFTを2本決め前からプレスDEF最高のT Oだったと思います。おそらく1−2−2からの1−2−2ですが名声が1−3−1の形で難なく運びOFEリバウンドもとる。ゾーンOFEは明成は上手でした。

(もし佐藤監督がTOでここまで指示を出していたらすごいです。)

7分10秒で山内君とハーパー君がルーズボールを追い倒れますが、すかさず一戸君と山内君がハーパー君に手を貸します。
(こういうスポーツマンシップあふれる行動は大好きです。)
2分半ほどお互いの得点が止まったところでアリ君のリバウンドからハーパー君の速攻でFT残り5分半で明成のファールが貯まりました。
さすがキャプテンです、FTの2本目をきめ初得点、そしてプレス福一が流れに乗るかなと思いましたがお互いシュートが入らずなかなか点数は入りません。

1分46秒の當山君のゴール下は可哀想でした。
福一はリバウンドからの速攻が非常にうまかったです。

残り20秒福一がパスミスしたところで佐藤監督TOしかしうまくプレイできずターンオーバー、そしてハーパー君からのアリウープパス(笑)を當山君がタップで決め

福一31対25明成で前半終了(2Q11対11)

前半はとにかく守り合いでお互いFGの確率が20%台とロースコアな展開でした


3Q

福一明成共にメンバーをスタートに戻す
明成は1−2−2ゾーン 福一はマンツーマンで守る、展開はあまり変わりません
福一はゾーンOFEでリバウンドをとりきる、3Pは気持ちよく打つ
明成はやはりうまく攻めることはできません、
2分半経ちやっと明成がスクリーンからのバックカットで得点します

その後TOで得点を決められるも明成がリバウンドからの喜多君がアリ君からファールをもらい3つ目、アリ君の審判に抗議する顔が事の重大さを感じさせます。

流れを変えたい福一はエンドスローインで得点するとゾーンプレス、明成はいきなりプレスされても冷静に1−3−1で運びます。このプレスが効いていれば福一は簡単に勝てたと思います。
(井手口監督がいつ指示を出したかわかりませんが福一全員がミスなくプレスをかけることができたのは流石だと思います。こういう細かいところが強豪校なんだなと思います。しかしその一歩先を行く明成素晴らしい)

山崎の2点 3P 3Pとお互いOFEの失敗は挟みますが明成の連続得点で35−36と逆転3Q3分と普通ならTOを取るところを井手口監督は我慢しました。
(基本的に後半のTOは遅くとればとるほど有効です)
すぐに佐藤君の3Pで追いつきますがプレスを回避された後の山崎君のフラッシュに対して越田君のバックカット本当教科書通りのナイスプレーでした。

次のプレーでハーパー君のトラベリング キャプテンとして、Gとして、まだ1点しか取っていない、追いつかれた、色々な感情があったと思います。
しかし指示をちゃんと出しあまり聞いていないプレスをやめ マンツーマンに戻します。
山崎君の2P TOからのリバウンド争いでアリ君4つ目絶対絶命です。マクター君が入ってきます。まだまだTOをとりません。
(FTの間にハーパー君がG陣を集め話をしていました。本当に井手口監督はハーパー君を信用しているんだと思います。)

しかしリバウンドからの速攻のシーンで接触がありハーパー君が少し足を痛めます。すぐ立ち上がりますが痛そうです。明成の一戸君4つ目で交代

マクター君はアリ君に比べるとどうしても頼りないですが頑張ります。
そしてハーパー君のOFEリバウンドからのFT越田君も4つ目です。
(いや本当にナイスリバウンドです。流石福一のキャプテン)
そしてDEFのプレッシャーから速攻松本君のOFEリバウンドからのバスケットカウントで逆転
(TOなしにここまで流れを引き戻せるのは流石です、選手全員がここは頑張らなければいけないというポイントをわかっているんだな、非常にバスケットIQが高いです)
もう一度明成がTOしたところでしょうがなく4つファールをしている一戸君を戻します、その後山崎君がマクター君を攻めバスケットカウントFTも決められ明成1点リードで残り53秒 福一はおそらく2回攻めることができます。

ハーパー君のスキップパスから松本君のドライブ、ハーパー君へのキックアウトそしてキャッチアンドシュートでの3P
残り33秒山崎君が3Pを落としハーパー君のリバウンドからの早田君へのナイスアシスト
(ドフリーのレイアップでしたが決めた後早田君がずっと胸を押さえており緊張が伝わりました。)

最後明成のOFEもうまくシュートまで行けず3Q終了した
福一は最高の終わり方でした


福一48ー44明成(17−19)

明成が初めて勝ちました。

インターバルでの監督の声がよく聞こえるのはとてもありがたいです
(自信を持て、冷静になろう、シュートは入ってきてるよなど鼓舞してました。)

4Q

アリ君を戻します、OFE DFE共にアリ君が活躍します。
ハーパー君がドライブで突破し吠えたところで明成後半1つ目のTO

TO山内君のドライブで得点、アリ君はファールが溜まっているのでヘルプに出ることができませんでした。
残り5分55秒ジャヘル君の3P自らリバウンドをとりシャリフ君にあわせゴール下でアリ君にアタック、バスケットカウント、アリ君5つ目で退場流れを完全に引き戻します。
(シャリフ君の嬉しそうな顔とアリ君の悔しそうな顔対照的でした。)

FTをきめ残り5分51秒6点差わからなくなってきました。

明成からすれば今まで34分プレーして48点しか取れていない相手に対し6分で6点ビハインド、しかし厄介な留学生はいなくなった、全然勝機のある状態です

福一からすれば6点勝っているとはいえ2ポゼッション差、そしてアリ君がいなくなった、なかなかピンチだと思います。

ハーパー君が難しいシュートを決め、DFEでもプレッシャーをかけTOを誘い一戸君のアンスポで一戸君退場(ファール5つ)、ハーパー君吠えます(3回目)

しかし佐藤君がFTを2本落とし次のOFEも失敗します5分56−49

シャリフ君がマクターを攻め得点、その後山崎君のブロックショットからの速攻で越田君バスカン3分35秒56−53 すぐにハーパー君がみんなを集めます。TOを取るかなと思いましたがとりませんでした。

FTが落ちリバウンドを山崎君が拾い決め切り3分33秒56−55流石に井手口監督もTO(後半はTOを3回使えますが4Q残り2分をきると2つしか使えなくなります。)
佐藤監督はTOで速攻での役割の確認、慌てないことを伝えていました。
(中学生、高校生に慌てるな、ゆっくり攻めろと言うとノーマークなのに攻めなかったりリバウンドでのゴール下シュートを打たなかったりとなかなかうまく実行することができません。そのあたりのフォローもちゃんと入れてました。流石)

TO明け當山君の3Pが落ちリバウンドからの速攻で一度落ちますが越田君がリバウンドを拾い3分8秒56−57逆転に成功します。
福一のOFEは形もよく當山君はフリーで3Pを打てましたが、入れることができず逆に遠くにはねたボールを拾われる形になりました。

しかし次のOFEでは當山君がポンプフェイクからの1ドリジャンプシュートを冷静に決めます。2分43秒58−57

その後當山君のパスミスをジャヘル君が拾いそのまま決め1分59秒58−59
佐藤監督も興奮してマスクを外します
(ジャヘル君のパスカットも一度チップしてからしっかり取り切り2対2になるもロール ポンプフェイク ステップインでダブルクラッチとマクター君が帰ってくる前に決め切りたいですが決して焦らず相手をよく見ていてそして決めきるいいプレイでした)
ジェヘル君がファールをし明成TO
明成はドライブからのパスに対する対応の確認
福一はリバウンドを取ろうまだまだ行けると話していました
アリ君がマクター君にたくさん声をかけているのが印象的でした1分47秒58−59
TO後早田君がコーナーから3Pを決め1分36秒61−59
山崎君とシャリフ君がピックをしスイッチしたところを山崎君が強く攻めマクター君からFTをもらいます。2本とも決め1分26秒61−61

佐藤君の3Pが落ち山崎君が拾いブレイクになりそうなところで佐藤君のナイスファール得点には繋げさせません(倒れた佐藤君を佐藤監督が優しく起こしてあげてました)福一4つ目ファールが貯まりました明成はまだ2つ(5つ目からはFT)

シャリフ君がマクター君を攻めファールをもらいます58秒61ー61でFT1本目は落とし2本目を決めたところで福一TO

福一はハーパー君に託します
佐藤監督は激を飛ばし選手を鼓舞します

マクター君とハーパー君でピックをしますが、タフショットになりエアーボールで24秒バイオレーション44秒61−62(早田君ナイスルーズボール)

福一はプレスをかけますがうまく捌かれ山内君のゴール下33秒61−64
(福一はTOをとってもいいタイミングですが前からプレスされているわけでもなく特に指示はないためとりませんでした。)

最後の福一のOFEもハーパー君とマクター君のピックですがうまく決まらずディープ3これを明成が拾い20秒61−64プレスを仕掛けますが明成は焦らずボールを回します、仕方無く早田君がジャヘル君にファール ファールゲームに持ち込みます


14秒61−64ジャヘル君はFTを全部落としています、2本とも落とししっかりリバウンドを拾います11秒61−64(わざとジャヘル君を狙ったのかわかりまsんがあの場面でとても効果的なファールをする早田君流石です)
ハーパー君にボールを預けます マクター君を呼びピックを仕掛け佐藤君へパス、佐藤君が冷静にエクストラパスコーナーで早田君がフリーで3Pを打ちます(早田君は今日3/3全部決めています)しかし3P落ち試合終了

61−64(4Q13−20)で仙台大学附属明成高校が勝利しました

喜ぶ明成、悲しむ福一監督同士の挨拶、福一の挨拶が印象的でした

試合後のインタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=mtX5lMJ7bFo

ラストのミーティング
https://www.youtube.com/watch?v=fqj-btyT6rA

ぜひ見てくださいともやん、ブカピありがとう


試合後の感想
福一が絶対勝つと思っていましたが明成のゾーンがうまかったです
おそらく普通のチームのゾーンは何度も個の力で突破してきたと思いますが明成は個も強く組織力も高くDEFが強力でした、身長の高い子を集めゾーンで守る非常に理にかなっていたと思います。
ハーフコートOFEではなかなか福一を攻めきれませんでしたが、福一のプレスに対して1−3−1で焦らず運ぶことができたのも勝負を分けたと思います。

ロースコアのクロスゲームに持ち込んだ時点で明成は自分の土俵で戦えていました
福一は得意の速攻は出ていましたがゾーンOFEがうまくいかず早い展開のバスケットをすることができず、起爆剤のプレスも効かず、自分たちが追う展開はなかなかなかったと思います。
明成は身長は高いですが200をこす留学生はいないチームでした(どこからどこまでが留学生かはわかりません)

冒頭にも書きましたがウィンターカップ関係者、選手監督の皆さん本当にありがとうございました。

2020年お家でタダでこんないい試合が見れるとても幸せです


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