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[本棚に魚本] 魚の文化史 (ノンフィクション)

『魚の文化史』矢野憲一 著 (講談社学術文庫)

この本との出会いは博物館だった。
福岡市博物館で「釣り道楽の世界」という展示会をやっていた時に、この特別展のグッズや関連商品を売っている売店に置いてあったのだ。
他にも釣りや魚に関する書籍は多数あったが、何故かこの本だけ輝いて見えたため、購入。

タイトル、装丁に加え、著者が「伊勢神宮に奉職」というプロフィールから、小難しい本かなと少し身構えたが、文章は堅苦しくなく、写真も多数掲載されており比較的読みやすかった。

全体に魚が関係する神事についての話が多めではあるが、魚の地方名や元々は魚が関係していた日本の習慣など、日本文化における魚に関する知識が豊富で非常に勉強になった。
さかな検定の問題にも出されそうな内容も多いので、時々部分的に読み返している。

真面目な話題が真面目な語り口で綴られているこの本に、一ヶ所だけ場違いな単語が飛び出してくる箇所がある。
具体的に書くとこれから読む方にネタバレになってしまうので書かないけれど、かつて日本ではアレが魚のアレで作られていたとは!その意外性と場違いっぷりに、結局ここが一番印象に残ってしまったσ(^_^;)

この本の嬉しいところは、巻末に索引があること。
魚の名前や魚が関わるお祭り、歴史的書物など、様々なキーワードが索引に載っているため、何か特定の魚について調べたい時なんかには物凄く役に立つ。

これは、日本で身近に食べられる魚と日本文化との関係に興味がある方にはオススメ!



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