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[本棚に魚本]海藻の疑問50 (ノンフィクション)

『みんなが知りたいシリーズ① 海藻の疑問50』 日本藻類学会編 (成山堂書店)

「魚本とか言いながら植物じゃないか!」と言われそうな書籍のチョイスだが、海藻は日本さかな検定でも扱われるので、これも魚本に勝手に認定!

海の中に生えている海藻ではなく、海藻サラダアップらしき表紙の写真がなかなかシュール。

さて、この本は「みんなが知りたいシリーズ①」である。

「海藻ってどんな生きもの?」
というベーシックな疑問に対して海藻の概要を5ページに渡って解説するところから、この本は幕を開ける。
そして、
「ワカメやコンブをお湯に入れると緑色になるのはなぜ?」
「コンブのだしはなぜ海水中で溶け出さないの?」
といった、確かに人生のうち一瞬くらいは頭をちらついた人も少なくないであろう質問が続く。
ふむ、確かに「みんなが知りたい」かもしれない。

が、しかし。

「中国料理に使われる髪菜はどこに生えてるの?」
髪菜なんて海藻、初めて聞いた!
「コンブやワカメやモズクに含まれるアルギン酸、フコイダン、ラミナリンとはなんですか?」
えぇ、ホントにラミナリンとはなんですか?
と、ある程度以上海藻の知識がある人でないと抱かなさそうな疑問が登場してくる。
「みんなが知りたいシリーズ」の「みんな」とは海藻ファンの事なのか?
私は「海藻を食べるのが割と好きな人」程度で、残念ながら「みんな」には入っていなさそうだ。

なんて思っていたら、
「日本で最初の海藻学者はだれ?」
「どんな海藻の記念日があるの?」
など、そんな疑問思い浮かばんわ!とツッコミたくなる疑問まで出てきて、もはや「みんな」がどういう人達なのかが一番の疑問となってしまう(笑)

しかし、逆にこれだけ広い範囲で海藻に関する疑問に答えてくれているので、読み応え十分!
少々学術的で小難しいものもあったが、実際に食卓に海藻がある時に語れそうな豆知識も多数仕入れることが出来る。
少なくとも、海藻の知識は乏しかった私には、かなり脳を刺激してくれる一冊だった。
海藻初心者〜中級者の方々は是非!!

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