マガジンのカバー画像

読書感想文まとめ

28
題名の通り、読んだ本の感想をマガジンにしました。 一週間に一冊、一記事を目標。基本的にネタバレがあります。
運営しているクリエイター

記事一覧

君たちは古事記を読んだか

どこかの映画タイトルのようになってしまった。 古事記とは、ご存知日本最古の歴史書である。…

Ebi
4日前
18

読書感想文【こうしてイギリスから熊がいなくなりました】

2009年 ミック・ジャクソン、絵:デイヴィット・ロバーツ 2018年 田中志文 訳 不思議な本…

Ebi
6日前
19

読書感想文【思いはいのり、言葉はつばさ】

2019年 まはら三桃(みと) 中国・湖南省に伝承される女性たちだけの文字「女書(ニュウシュ…

Ebi
1か月前
13

読書感想文【スモールワールズ】

2021年 一穂ミチ 2022年本屋大賞第3位、第43回吉川英治文学新人賞 珠玉の、というとちょっ…

Ebi
2か月前
25

読書感想文【小指が燃える】

2017年 青来有一 たまたま図書館で手に取った。 表題の他、短編『沈黙のなかの沈黙』を収録。…

Ebi
3か月前
10

読書感想文【『罪と罰』を読まない】

2015年 岸本佐知子、三浦しをん、吉田篤弘、吉田弘美 これも誰かのおすすめか、ネット記事で…

Ebi
3か月前
32

読書感想文未満【あなたと、どこかへ。】

つまみ食いが一番旨いと言ったのは誰だっただろうか。 自分自身だったように思う。 図書館でちょいと自分にしては珍しく短編集、8人の作家によるアンソロジーを手に取ってみた。どうもいつも慣れ親しんだ作家の作品ばかり選んでしまいがちなので新規開拓をしたく。 もちろん読んだことがある作家もいれば、名前だけは聞いたことがある作家、全然初対面の作家もいるアンソロジー。“クルマで出かける場面を用意すること”だけを約束事に大体一人20ページくらいの作品がまとめられた一冊。 失意の主人公を慰め

読書感想文【おらおらでひとりいぐも】

2017年 若竹千佐子 2018年 第158回芥川賞受賞 2020年には映画化もされた。 夫を亡くした一…

Ebi
4か月前
27

司書さんスゴイの話

タイトルがすべてを物語っているとも言える。 福井県立図書館がカウンターに持ち込まれた選り…

Ebi
4か月前
10

読書感想文【眉山】

2004年 さだまさし ちょっくら徳島に行きたいと思ったので、手を取ってみた。映像化もされて…

Ebi
8か月前
19

読書感想文【窓ぎわのトットちゃん】

1981年 黒柳徹子 その題名は勿論、いわさきちひろの表紙も知っていたし、机バンバン!か〜ら…

Ebi
9か月前
27

読書感想文【紀ノ川】

1959年 有吉佐和子 和歌山の素封家を舞台に、明治・大正・昭和の時代を女性三代の視点で描く…

Ebi
10か月前
10

読書感想文【ある行旅死亡人の物語】

2022年 武田惇志、伊藤亜衣著。 共同通信大阪社会部の記者によるルポルタージュ。 ネットでち…

Ebi
1年前
17

読書感想文【赤頭巾ちゃん気をつけて】

1969年 庄司薫著。第61回芥川賞受賞。 1968年暮れの東大紛争により東大入試が中止になり、受験を目指していた主人公、薫くんは明けて1969年2月9日、大学進学を止めることを決意する。 その日薫くんは、十年ぶりに風邪を引き、足の親指の爪を剥がし、飼い犬に死なれるという見事な不運っぷりを発揮するのだった。 終始主人公、薫くんの一人称語りなので、読みやすい文体ではない。 慣れるのに時間がかかるが、滔々と語られる若い悩みと衝動と苛立ちというものは、誰もが一度は感じたことのある