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読書記録:クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった3 (角川スニーカー文庫) 著 たかた

【お互いを大切に想う故の愛情、真っ直ぐに深まる絆】


【あらすじ】
『クラスで二番目に可愛い』朝凪海と俺・前原真樹は、クリスマスイブの夜――晴れて恋人同士になった。

緊張が解け体調を崩してしまった俺は、海の気遣いで朝凪家でお世話になることに!

はじめは心配そうに覗きに来る海だったが、気がつけばつきっきりの看病が始まって!?

一緒に新年を迎えて、こたつで身を寄せ合いながらゲームをして。バレンタインにホワイトデー、海の誕生日プレゼントを買うためにアルバイトを始めたり。

“恋人”として初めてづくしの日々は、とても賑やかに過ぎてゆく。

ときにお互い頑張りすぎて、心配かけることもあるけれど。

「頼ってくれてありがとね、真樹」

Amazon引用
登場人物紹介

初めて尽くしな甘い関係を築く物語。


己の中での優先順位が常に相手にベクトルが向く状態。
晴れて恋人同士になった暁に、相手を慈しむ事が自信に変わる幸福な循環。
そんな理想的な関係を築いた海と真樹は、真樹の思わぬ体調不良により、海の献身的な看病が始まる。朝凪家の家族ぐるみの愛情と優しさによって暖かな温もりを得た真樹。
大切な催し事を共に過ごしながら、海の想いに報いようと努力する真樹。
互いが世界の中心で、頼って貰えるのが何より嬉しい彼らの関係性。

ここからラブコメの分岐点としては、それまでの距離感を維持して、もどかしくも初々しいやり取りを繰り広げるのか?
もしくは、リミッターを外して、思い切って相手の懐に飛び込んでいくのか?

前回の一世一代の告白で疲れが祟ったのか、真樹は風邪をひいて体調を崩して、寝込んでしまう。
心配した海と、その母親である空の助力で、朝凪家で看病を受ける事になる。
初めは病人と健常者らしく距離を取っている海だったが、気が付けばつきっきりで看病してくれるようになり。
そんな距離感によって。いつの間にか、まるで家族のように受け入れられる事となる。

空からも感謝される、海の感情を引き出してくれた事。
母親からも海の事をお願いされた事で、家族ぐるみの付き合いになる。
気が付けば、一緒に新年を迎えて、父親との面通しも済ませてしまう。
時に距離感を見誤って叱られながらも。
朝凪家の面々をもう一つの家族として。
もう一つ居場所を手に入れる事で、二人のラブコメは盤石な物になっていく。

「ただいま」と「おかえり」
そんな何気ない当たり前の挨拶。
それが出来る関係性がどれだけ尊くて、ありがたい事なのか。
それを思い知り、自覚するたびに恋心は膨れ上がっていく。
当たり前を重ねるたびに、想いはより深まっていく。 

真樹と海の在り方が周りに影響を与えていく中、周囲に浮かぶのは少しの不穏と新たな恋の気配。

二人のペースで、自分を高める為の努力をして、相手に見合う自分になろうと磨いていく。
現状で満足するのではなく、相手に釣り合うように未熟な部分を克服していく。
そのモチベーションになるのは、何より相手を思いやれる尊い気持ち。
それは、何よりも、初めての『友達』から初めての『恋人』になったが故の心境の変化。

相手の喜んでいる姿が見たくて、笑顔にさせる為に、新しい事に挑戦し始める真樹。
海を想う気持ちは誰にも負けない気概を持って。
溢れんばかりの海の想いに、相応な気持ちで応えてあげたい。
少しずつ変わっていく真樹を見て、海の心の中に浮かぶのは独占欲と可愛いやきもち。
その捉えようによっては重い感情も、全てがどこか愛おしくて抱きしめたくなるような温かさがある。
もうお互いしか見えていなくて。
この想いと添い遂げる事に意味がある。

互いの両親に見守られながら、プラトニックな関係を貫く。
これから二人でどんな関係を築いていくのか模索する。
二人並んで一歩ずつ、幸せな未来を目指して進んでいく。
ニ年生へと進級する事で始まる、新たな出会いと未知数の出来事。
固い絆で結ばれたからこそ、知った事と視えてきた物を携えて。
彼らは新たな季節をどうやって歩んでいくのか?

新たなる始まりの予感に胸を高鳴らせながら、自分達の幸せと優しさを拡げていくのだ。 

















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