春は唐突
しらさぎ森林公園に着くと雨だった。が、車外に出られないほどではない。黄色いサッカー・ボールを手に、息子と芝生に歩み出た。
しばらくサッカーを楽しんだ後、小川沿いに「塔」まで歩く。雪がところどころに残っている。と、水底を、泥を巻き上げて横切る影。まさか。蛙だった。
「ほら、耳をすませて」
息子を黙らせる。すると、キョキョ、キョキョキョ、と何処からか声。
「とり?」
「蛙だよ。さっきの」
春は唐突。
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しらさぎ森林公園に着くと雨だった。が、車外に出られないほどではない。黄色いサッカー・ボールを手に、息子と芝生に歩み出た。
しばらくサッカーを楽しんだ後、小川沿いに「塔」まで歩く。雪がところどころに残っている。と、水底を、泥を巻き上げて横切る影。まさか。蛙だった。
「ほら、耳をすませて」
息子を黙らせる。すると、キョキョ、キョキョキョ、と何処からか声。
「とり?」
「蛙だよ。さっきの」
春は唐突。
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