ゑひ[酔](俳句・短歌とそれにまつわる文筆ユニット)

上原温泉と若洲至による創作ユニット。俳句・短歌をはじめ、さまざまな文筆を行います。HP…

ゑひ[酔](俳句・短歌とそれにまつわる文筆ユニット)

上原温泉と若洲至による創作ユニット。俳句・短歌をはじめ、さまざまな文筆を行います。HPはこちら https://eisince2023.com/ 〈主なコーナー〉月刊俳句ゑひ:毎月最終日曜/ゑひの歳時記:毎月第1・2週金曜/千返万歌:毎週火曜(最終週を除く)/短歌記録:月末火曜

マガジン

  • 月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号

    上原温泉と若洲至からなる文芸系創作ユニット「ゑひ[酔]」。noteでの発表注力を継続中です。7月号の内容をまとめていきます。

  • 千返万歌(返歌から始まる物語)

    上原・若洲が返歌に挑戦! 一方の頭にふと浮かんだ短歌から、返歌の世界が始まります。そしてさらに、2首の世界から思い浮かんだ物語などをノールールで綴る企画です。

  • ゑひの歳時記

    俳句の特徴として、17音であることと並んで挙げられるのは「季語が入っている」ということ。このコーナーでは、俳句にとって極めて大切な季語を、毎月2つ程度を紹介していきます。季節に応じた、でもあまり知られていない季語を取り上げ、その意味や良さ、持っている風味などがわかるものを目指しています。 「月刊 俳句ゑひ」と連動しており、20句の作品の中に含まれた季語を解説する予定です。なお「歳時記」とは、俳句を作るときにも使う、季語の解説や例句(今までに詠まれた俳句)が例文のように載っている本。俳句の世界で、ひとつの言葉が持ちうる多くの意味合いや側面を垣間見ることができるでしょう。

  • 若洲の車窓から

    若洲のフォトフォルダに眠っていた写真の中で、特に興味深いものを集める「若洲の車窓から」。不定期更新ですが、初回からのものを集めています。

  • 月刊 俳句ゑひ 水無月(6月)号

    上原温泉と若洲至からなる文芸系創作ユニット「ゑひ[酔]」。noteでの発表に注力中。6月号に関わる足跡をまとめました。

最近の記事

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月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号

 メンバーの20句作品を月イチで発表するコーナーです。解説など関連記事をnoteやゑひ[酔]ホームページで掲載していきます。 ホームページはこちら (ホームページでは作品が縦書きで読めます!) メンバー作品携帯電話でも見やすいよう5句ずつに分けていますが、作品としては連続しています。 いいね(作:上原温泉) 演奏はぼろんかづらの深きより 炎昼の口がひらいて水に鯉 子かまきり彼の死角を踏み歩く 睡蓮の煙の中を屈むなり 紫のボートが回るそれは沼 その集団動き回りぬ蛭の道

    • ご挨拶&俳句とはなにか①【若洲至のゆるり週末俳句学 第1講その1】

      1-1:内容まとめ 今回以外は週末配信します🙇‍♂ この連載の構成=3部構成、第1部は全15回 俳句とは、〈五七五のリズムで〉〈季語を含んでいて〉〈「切れ」がある〉詩だ! 俳句を楽しむすべを分かち合う連載のこれからにご期待ください! ご挨拶 みなさんこんにちは。わたくし、若洲至(わかす・いたり)と申します。普段はこちらのホームページやnoteで、俳句や短歌の作品を発表するユニット「ゑひ[酔]」の一員として、作品作りにまい進しておりますが、今回、「若洲至のゆるり週末俳

      • 2023年8月の記録【ゼロから始める短歌記録〈Vol.4 〉】

         上原温泉です。当月に追いついた短歌記録Vol.4、ゑひの活動としては5ヶ月めに入りました。最近困っているのが、俳句とその執筆を主としたユニットのため、頭の切り換えが必要な短歌の創作が滞ってしまうこと。両方やっている方々の凄さが身に沁みております。私にそれができるのだろうか……弱気を奮い立たせ、では本題へ入りましょう。 短歌にしきれないおかあさん目がとれちゃったおかあさん耳がとれちゃったおかあさんの匂い  上原温泉  はじめは「おかあさん目がとれちゃったおかあさん耳がとれ

        • 月刊 俳句ゑひ 葉月号〈増刊号・言葉の解説〉

          ゑひ[酔]のホームページ及びnoteで発表した、月刊俳句ゑひ 葉月(8月)号の俳句の言葉解説記事です。各作品に分けて順に説明していきます。 月刊俳句ゑひ 葉月(8月)号はこちらから 『境界』(作:上原温泉)の言葉水底 水たまりや水辺などで、その水の下にある地面の部分のこと。水の底。日常では使わない言葉だと思いますが、俳句の中だとけっこう出てくる印象があります。 ましら酒 〈季語〉 秋の季語。ましらとは猿のこと。猿酒ともいいます。木のうろなどに猿が隠した食料が発酵して

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        • 月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号
          7本
        • 千返万歌(返歌から始まる物語)
          11本
        • ゑひの歳時記
          7本
        • 若洲の車窓から
          11本
        • 月刊 俳句ゑひ 水無月(6月)号
          7本
        • 月刊 俳句ゑひ 卯月(4月)号
          7本

        記事

          月刊 俳句ゑひ 葉月(8月)号

           メンバーの20句作品を月イチで発表するコーナーです。解説など関連記事をnoteやゑひ[酔]ホームページで掲載していきます。 ホームページはこちら (ホームページでは作品が縦書きで読めます!) メンバー作品携帯電話でも見やすいよう5句ずつに分けていますが、作品としては連続しています。 境界(作:上原温泉) 水底の貝の鋭き帰省かな ましら酒飲み干す朝の薄暗し 夏炉を焚いてハンカチを握る癖 熱中症いつものやうに犬を抱き 夏果ての雨の草々轢きにけり 久々の汝は香る盆休み

          低温火傷しそうな【月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号 『無題4』を読む③】

           こちらの記事は、月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号の『無題4』(作:若洲至)を、上原温泉が鑑賞したものです。まずは作品の掲載されている、下の本編および〈①〉〈②〉をご覧ください! 低温火傷しそうな 文月(7月)号の若洲至連作鑑賞3回めは、共通する要素を感じた句を抽出する。 情緒の排除 関節に金属のあるプールかな  関節に金属と言われると、人工関節を思い浮かべる。さまざまな理由により変形した関節の代替とされる。術後、関節に重力がかかるのは良くなさそうだとは想像がつくし、と

          低温火傷しそうな【月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号 『無題4』を読む③】

          紺と青の違い【月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号 『無題4』を読む②】

          こちらの記事は、月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号の『無題4』(作:若洲至)を、上原温泉が鑑賞したものです。まずは作品の掲載されている、下の本編及び〈①〉をご覧ください! 紺と青の違いゑひの月刊俳句ゑひ 皐月(5月)号には、若洲至が発表したこんな句がある。 青髪にしたき卯の花腐しかな  「俳句ゑひ 皐月(5月)号 『無題2』を読む〈中編〉」において、色の考察を中心に据えながら鑑賞しているので、よかったら参照されたい。  さて、どうしてもその続編に思えて仕方がない句が、ひと

          紺と青の違い【月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号 『無題4』を読む②】

          イヤホンから感じる暑さ【月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号 『無題4』を読む①】

           こちらの記事は、月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号の『無題4』(作:若洲至)を、上原温泉が鑑賞したものです。まずは作品の掲載されている、下の本編をご覧ください! イヤホンから感じる暑さ 6月に引き続き7月も、若洲連作は「移動」に凝っているようだ。前回は全体の流れを追う方法を試みたので、今回は筆者が好んだ句を単体として読んでみようと思う。 胸元にイヤホン当たる溽暑かな  前書き「都心」の一連より。有線イヤホンをつけると、歩を進めるたびにコードが胸に当たって鬱陶しい。昨今ワイ

          イヤホンから感じる暑さ【月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号 『無題4』を読む①】

          「海 ―生命のみなもと―」展観覧記【千返万歌〈第12回〉】

           上原・若洲が返歌に挑戦! 一方の頭にふと浮かんだ短歌から、返歌の世界が始まります。そしてさらに、2首の世界から思い浮かんだ物語などをノールールで綴る企画です。第12回は上原発・若洲着。文章は若洲の担当です。 千返万歌本歌 鯨また港に入る夢占のその身を深く削る音して    上原温泉 ↓ ↓ ↓ 返歌 極まれるところは昏し深海も陸の極まる樹海も都市も  若洲至 *メモ✍ 夢占:夢判断。夢で見た内容を何かの予兆と捉えて、以後起こることの吉凶を判断する占い。 文章編:特別

          「海 ―生命のみなもと―」展観覧記【千返万歌〈第12回〉】

          〈氷菓〉ってどんな季語?【ゑひの歳時記 文月】

           1つの季語を巡って、上原・若洲がそれぞれ考えていることをざっくばらんに書いていく「ゑひの歳時記」。普通の歳時記には書かれていない季節感や季語の持つ魅力、難しさなどをお伝えしていくコーナーです。7月ふたつめのお題は「氷菓」。若洲が出したテーマに対して、上原も考えます。 上原の場合(回答者)――理知を越えていけ――体に定着しない言葉  感覚の問題として、あまり好きではない季語がいくつかある。体験の不足が原因で苦手になってしまった季語とは少し意味合いが違う。前回取り上げた「天

          〈氷菓〉ってどんな季語?【ゑひの歳時記 文月】

          緑化【若洲の車窓から〈11枚目〉】

          蟬【千返万歌〈第11回 〉】

           上原・若洲が返歌に挑戦! 一方の頭にふと浮かんだ短歌から、返歌の世界が始まります。そしてさらに、2首の世界から思い浮かんだ物語などをノールールで綴る企画です。第11回は若洲発・上原着。文章は上原の担当です。 千返万歌本歌 男より女のほうが多いとき男は柳のようにゆらゆら   若洲至 ↓ ↓ ↓ 返歌 二丁目のいちばん端のスツールの彼の氷の太い結晶  上原温泉 *メモ✍ 二丁目:ここでは新宿二丁目のことと思われる。ゲイバーなどが集まるエリアとして認知されている。 文章

          〈熱帯魚〉ってどんな季語?【ゑひの歳時記 文月】

           1つの季語を巡って、上原・若洲がそれぞれ考えていることをざっくばらんに書いていく「ゑひの歳時記」。普通の歳時記には書かれていない季節感や季語の持つ魅力、難しさなどをお伝えしていくコーナーです。7月1つ目のお題は「熱帯魚」。上原が出したテーマに対して、若洲も考えます。 若洲の場合(回答者)――大まか上等―― 「熱帯魚」というお題をもらって、机の前に座って、締切ぎりぎりまで考えていたにはいたのだが、何も思い浮かばぬ。  上原は生き物を飼ったことがほぼないようだが、私は魚を飼

          〈熱帯魚〉ってどんな季語?【ゑひの歳時記 文月】

          スピッツ+草間彌生(?)【月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号 『いいね』を読む〈後編〉】

           こちらの記事は、月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号の『いいね』(作:上原温泉)を、若洲至が鑑賞したものです。まずは下の本編、及び〈前編〉〈中編〉をご覧ください! スピッツ+草間彌生(?) 今月は過去作品と上原温泉の作品の関連を検討しています。過去2回に引き続き、今回も上原の俳句から筆者が連想した作品などなどを踏まえながら、気楽に読み進めていこうと思います。  今回はシリーズの最後でもありますので、今までよりも連想の幅を広げて鑑賞していきたいと思います。ある種勝手な連想ですが

          スピッツ+草間彌生(?)【月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号 『いいね』を読む〈後編〉】

          より広義の文脈へ【月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号 『いいね』を読む〈中編〉】

           こちらの記事は、月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号の『いいね』(作:上原温泉)を、若洲至が鑑賞したものです。まずは下の本編、及び〈前編〉をご覧ください! 他の作品の文脈を踏まえる 今月は過去作品と上原温泉の作品の関連を検討しています。前回に引き続き、今回は他の文芸作品との関連性を筆者が感じたものを挙げて説明していこうと思います。 ゑひ[酔]にとっての埼玉 埼玉の先を見つめるバルコニー  まずはこちら。季語は? と思われるかもしれませんが、ここでの季語は「バルコニー」です

          より広義の文脈へ【月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号 『いいね』を読む〈中編〉】

          過去の作品とのつながり【月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号 『いいね』を読む〈前編〉】

           こちらの記事は、月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号の『いいね』(作:上原温泉)を、若洲至が鑑賞したものです。まずは下の本編をご覧ください!  現在ゑひ[酔]では、大きく分けると「月刊俳句ゑひ」と「千返万歌」という2つの企画が動いています。8月以降はさらに企画を充実させていきたいと思っているところなのですが、要は俳句と短歌の2つがゑひ[酔]の柱を作っています。俳句と短歌にはいわば「お隣さん」のような、リンクするようなしないような感じの関係性がありますが、完全には一緒ではないので

          過去の作品とのつながり【月刊 俳句ゑひ 文月(7月)号 『いいね』を読む〈前編〉】