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【書評?】アイドルと推す人の話【ファンベース】

本日は佐藤尚之さん著「ファンベース--支持され、愛され、長く売れ続けるために」を読んで感じたことを、書評と私の視点を交えて述べさせていただきます。

読むにあたって「アイドル」を企業やVtuber、漫画家など、あなたが推しているものに置き換えてみてください。ここでいうアイドルは偶像のことを指しており、あなたが推しているものであれば何でも当てはまるからです。

偶像(グウゾウ)とは
あこがれや崇拝の対象となるもの。
コトバンクより

主にマーケティングのお話となりますが、次の方であればマーケティングに関わらず当てはまる話になるかと思われます。

1.自分、もしくは自社ブランドがある。(製品、キャラクターなど)
2.応援したい人・ものがいる。(推したい、リピートしたいなど)


マーケティングときくと距離を置きたくなる人がいるかもしれませんが、これは「推しまくるファンと推されまくる人」という最近ではわりと身近な話が元となっております。そのため、ファンの方も、ファンがいる方も両方とも読んでみてほしいです。

このnoteを読むことで、ファンとしての自分に自信を持てるかもしれませんし、ファンとのかかわり方を考え直すきっかけになるかもしれません。


この本はどんな本?

ファンがいなければ売り手は生きていけない!!だから大事にしよう…という本(新書)です。

ここでいう「ファン」とは熱狂的なファン(試合観戦や音楽のライブのときのような)だけではなく、商品や制作物に対して愛を持ってくれる人…、言い換えると「支持者」を指します。運営側とあまり交流はしないけど商品が好きでリピート購入をしてくださる方や、あまりコメントはしないけど人柄が好きで毎回見に来てくれる方も当てはまります。

なぜファンがいないと生きていけないのか、どうやってファンを大事にするのか、といったものに対する具体的なアプローチについて例やデータを示すことで説明してくれている素晴らしい内容でした。

何かを売れば誰かが買う。この関係が続く限りは考えるべき内容だと思いました。何度も読みたいですね…!


はい書評終わり!!!

ここからは本の内容を参考にしつつ「ファンを大事にするってどういうこと?」ということに少しだけ迫っていきます。

本の中のデータや事例を取り扱うわけにはいかないので、今回は私がぽちさん(Twitter)を推している(以下:すこってる)のでそれを主に例として取り上げさせていただきます。

我ながら書いていてメタいな…と感じますが、それでも書きたくなる魅力がこの「ファンベース」には込められています。


なぜファンがいないと私たちは生きていけないの?

前段落で述べた本のメッセージ的なやつですね。

ひとつめの理由として、売上の大半はファンの方によるものだからです(データは割愛するので書籍を買ってね)。一見さんが落とす額とは大きな差があるそうです。これはパレートの法則が当てはまります。

【参考】

これはざっくりいうと「経済の大部分は、少数の人が回している」というものです。その比率はおよそ80(経済の大部分):20(少数の人)に収束します。全ての数値がこうなるわけではありませんが、経験則としてこういった数値が非常によく出てくるそうです。

なぜこうなるのか、についてはリンク先のWikipediaをご覧ください。

つまり、売上の80%くらいは20%のファンによるものなのです。


もうひとつ理由があります。

それを明かす前に次のことがなかったか考えてみてください。

□SNSでふとした発言がバズったことはありませんか?
□インフルエンサーにあなたの何かを紹介してもらったことはありませんか?
□お祭りでCM的なことをやったことはありませんか?(学園祭の宣伝など)

そしてこの時、

□結構な宣伝になったはずなのに、あまり狙った効果がないぞ・・・!?
□       〃      、フォロワーが増えない・・・!?

となったことはありませんか?なかったらごめんなさい。あなたはとても周囲にすこられています、もしくはとても素晴らしい誰かのファンです。


というのも近年、広告による新規顧客の獲得が難しくなってきています

このリプライみたいに、単発でバズったとしてもフォロワーが増えたり、関心を持ち続けてくれたりすることは中々ありません。(これはリプライなので根拠としては弱めですが、純粋なバズツイートでも同様です)。

著書の中では、CMや単発の企画についても言及されています。


また、

このように「何かを作りました!」という「やってみた」パターンも単発では効果薄です。本人に喜んでもらえた、それだけで大満足ですけどね😋

Webサイトやシステムを作りました!という宣言の客寄せ効果が薄くなってきているということです。

それはなぜなのか?


私の力不足とかもあるのですが、ここでは世界にはモノ・エンタメ・情報が溢れているから、という理由に触れさせていただきます。


高度経済成長以降(たぶん)、日本では余ったモノが多くなってきましたが、インターネットが普及してからは情報量が爆発的に増え、それに伴いエンタメの数も増えていきました。そのため、キャンペーンなどの短期施策の効果が薄くなってきているのです。


例えば、バーチャルの肉体を持つ配信者(Vtuber・Vライバーなど。以下:バーチャル配信者)は2019年1月時点で6000人以上存在するとされています。

【参考】

人数が増えたことでコンテンツの絶対量が増え、ファンの方はバーチャル配信者の全てを追いかけることが困難極まりない状況になりました。

1動画3分、1ライブ配信1時間だと仮定しても無理そうな香りが漂ってきます。アンケートとかとったことがないので正確な数字は言えませんが、20人くらいを追いかけるのがいいとこなのではないでしょうか。

それ以上の人数を追いかけている方は、おそらく生活に大きな支障をきたしていることかと思います。そうなってくると人は「効率化」を求め始めます。品定めをしたり、既に推している人に関連する人のみを新ウォッチ対象としたり・・・。

【参考】

この状況ではコンテンツが次から次へと流され、企画などもその1つとして消化されていく未来が容易に想像できることでしょう。


もうひとつの例としてテレビ業界を取り上げます。

私が住んでいた場所では民放テレビ局と地方テレビ局の放送が行われていました。他は知りませんが、この2つだけでもチャンネル数が10はあり、同じ時間帯に違うチャンネルで始まる複数番組を録画することもしばしば。

テレビだけで録画の消化に追われていたのに、それに加えてYouTubeやVOD、インターネットテレビ局などもあるわけです。

ひとつの番組にハマろうにも、次から次へと情報とエンタメが目に映り込んでくるようになりました。

【参考】

各局の違いは何?民放テレビ局5社の歴史と違いをまとめてみた

都道府県別テレビ局一覧


このようにして「いつ・どこで・なにをしていても膨大なモノ・エンタメ・情報に囲まれる私たち」にはキャンペーン施策の効果がすっかりと薄くなっていったのです。

だからこそ、そんな中でもすこってくれるファンを大事にしていきたいのです。ファンを大事にする、というのは長い時間がかかるものです。そのため、キャンペーンとは対照的に中期・長期的な取り組みが求められます。


ファンが持つ力

以下の図は、ファンがどうやって対象を好きになって、どうやって応援していくのか…といった図です。

①:ファンの方は対象の「今」を見て好きになってくれるわけですが、ずっとそのままでいてほしいわけでもありません。「未来」に対して期待もしているわけです。共に歩んでいきたいはずなのです。

②:好きになってくれたファンは対象の商品を愛用したり、コンテンツに対して対価を支払ったりします。中にはヘビーユーザ的な「コアファン」もいます。コアファンとファンによる売り上げは全体の売り上げの大部分を占める場合が多いです。そうでない場合はまだファンができていない、または方向転換のし過ぎでファンが離れていってるなどが考えられます。短期施策の実施や、長期施策の見直しが必要になってくることでしょう。

③→④:ファンの方は推しに対して熱い思いを持っています。本気で好きである時、その人に対する思いを語る時、そこには強い説得力のようなものが生まれます。それが知人・友人・家族に届いた時に、彼らもファンになる可能性を秘めているのです。

ファンがすこってくれるほどに、新たなファンが増えるかもしれないのです。これを「オーガニックリーチ」(自然に到達すること)といいます。ファンベースの肝です。

ファンを抱える方々に置かれましては、単発の企画で盛り上がるのも大事なことですが、コアファンの方々と丁寧で熱く深い交流を持つことをお勧めいたします。そうすることでファンがファンでいる間に生み出してくれる価値(ライフタイムバリュー:LTV)も増えていくことでしょう。

同時に、ファン同士の交流も促進されるように取り計らうべきです。ファンの方は1つ1つのコンテンツに対して思いがあることもしばしばで、しかもそれはサービスや商品の改善に非常に重要な意見となることも多いのですが、ファン単独ではそれが表に出ることがあまりありません。

ディープな話をできる場がないためです。

それを解決できるのが交流の場です。SNSであったり、ファン専用会員サイトであったり、質問スペースであったりと形はさまざまですが、ファンが運営・ファンと交流を持てる場をもつことは非常に大きな意味を持っています。

私の元にも1度、自分を改めるのに重要な指針となる熱いメッセージが飛んできたことがありました。今思うと、もっと丁寧に真摯に返答すべきだったのですね。


さいごに(だいじ)

推される人目線として、いくつか著書の中でこれは大事だ!!というポイントがあったので要約させていただきます。

・ファンの影響力を調査しよう(どれくらい売り上げや盛り上がりに貢献してるか)
・競合他社はすぐにマネしてくる。ファンはとてもだいじ
・ファンに質の高い(響く)モノ、エンタメ、情報を提供しよう!


ありとあらゆるものが世界で余り、それに埋もれて生きる現代。私たちはその中で、ごく自然に取捨選択をしています。しかも取捨選択をする「私たち」そのものの数も少子高齢化によって減少していっているのが現状です。

その中で無鉄砲に単発企画を出せばあっという間に企業体力(お金、時間など)が底を尽き、世の中に消費しつくされていくことでしょう。


しかしファンとともに歩むことができれば、大丈夫です。

短期的なキャンペーンがファンの間で話題となり、それをもとにファンとの交流を深めていく…こうした短期施策と中・長期施策のシナジー効果が見込まれます。

なんか命名するならば「主催者とファンによるお祭り状態」です。

こういった状態を楽しく維持することができれば、新規顧客を獲得することが難しい現代においても企業として、キャラクターとして、ブランドとして成長し続けられることでしょう。


なるほどファンの大切さはわかった。では、具体的にどうファンを大事すれば良いのか?それは佐藤尚之さん著「ファンベース--支持され、愛され、長く売れ続けるために」の中にしっかりと書かれております。

ファンを今よりももっと大事にしたい方は、1度お手に取ってみては如何でしょうか?……というアフィリエイト的な挨拶につなげてこの記事を締めさせていただきます。

【出典&引用&参考&おすすめ】


[余談]

幣noteは5000字に迫る壮大なレビューとなりましたが、これも2~3日経てば情報の海に埋もれていくことでしょう。これだけで完結して満足してしまえば単発の企画です。

しかし幸いにも、私の書評を気に入ってくださる方が現れまして、もっと書評してほしい!というリクエストをいただいております。

これをもとにその方々と交流を深めていくことで、ファンベースに書いてある長期的な施策、というものを実践できるのだろうな~と思っています。

これからも何度か、壮大な書評を書いていきます。よろしくお願いします。

[余談2]

こんなに壮大な記事にしたのは意図的なものでございます。引用には厳しいルールが課せられているためです。

著作権法にのっとって物書きをするためには引用を避けて通ることはできません。でなければオリジナルなものづくりが非常に困難になります。この引用は、文章の1割程度にとどめる必要があり、なおかつ文章の主従関係が明確である必要があります。(10文字引用したら90文字オリジナルの文章を書くのですよ!)

今回は表現をそっくりそのまま引用しました!という個所はありませんが、著書内のマーケティングの知識や考え方などに大きな影響を受けました。

そのため、なるべく自分の例を多くとりあげて、参考書籍として取り上げても問題ないくらいのオリジナリティを出すためにたくさん書きました。

【参考】


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