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アルバムレビュー

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Captain Beefheart「Doc at the Radar Station」


はじめに 本作は、キャプテンビーフハート率いるバンド「キャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンド」が1980年に出した11枚目のアルバムです。邦題は「美は乱調にあり」で、キャプテンビーフハートに似合った言葉だと思っているので個人的に結構気に入っています!
 キャプテンビーフハートといえば、あの実験的で難解な怪盤のTrout Mask Replicaが有名ですが、本作はそこまで難解では

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Klaus Schulze「Irrlicht」

Klaus Schulze「Irrlicht」

はじめに 突然ですが、元気がなくなったり憂鬱になったらどんな音楽を聴くと問われたらどう答えますか。応援ソングを聴くという人もいれば、逆に暗い鬱々とした音楽を聴くという人もいるでしょうし、ましてや音楽なんか聴いてられないみたいな人もいると思う。ちなみに自分は二番目のタイプ(暗い曲を聴く)です。
 今回は、そんな中でもかなり精神的に追い込まれている時に聴くアルバムをレビューしてみます。(一応普通の時も

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Cymbals「Mr.Noone Special」

Cymbals「Mr.Noone Special」

はじめに 本作は、土岐麻子、沖井礼二、矢野博康の3組で結成された「かわいくっていじわるな感じのバンド。ただしパンク」というコンセプトのいわゆるポスト渋谷系のバンド「Cymbals」が2000年9月21日(自分の生まれる1日前!!)に発売した2ndアルバムです。 
 アルバムとはいっても約30分という比較的収録時間が短いためEPのように聴ける上に、Intermissionが曲間に挿入されているなど、

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#私を構成する9枚⑤:ORIGINAL  LOVE「風の歌を聴け」

#私を構成する9枚⑤:ORIGINAL LOVE「風の歌を聴け」

はじめに 本作は、田島貴男をフロントマンとするバンド(現在はソロ活動)であるORIGINAL LOVEが1994年に発売した4作目のアルバムです。
 田島貴男は、PIZZICATO FIVEで作詞作曲を兼ねた二代目ボーカルを務めるなどの経験を既にしていたため(Bellissima!は名盤)、ORIGINAL LOVEは1stからアルバムの完成度がかなり高いように感じます!
 ORIGINAL LO

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#私を構成する9枚④ Sly&The Family Stone"There's a Riot Goin' On"

#私を構成する9枚④ Sly&The Family Stone"There's a Riot Goin' On"

はじめに 本作はSly&The Family Stoneが1971年に発表した5枚目のアルバムです。邦題は「暴動」(こっちの方が有名かも)。
 Sly&The Family Stoneは黒人白人混合のファンクバンドで、代表曲には愉快なベースのスラップが印象的な"Thank You"

某音楽番組のオープニングでお馴染みの"Dance To The Music"

明るいメロディと鍵盤が印象的な"E

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Stevie Wonder "Fulfillingness' First Finale"

Stevie Wonder "Fulfillingness' First Finale"

はじめに 記事のなかで今まで言及しなかったため意外かもしれませんが、70'sのSoul、Funkが自分の最も好きなジャンルのうちの一つです!
 そんな70'sのソウル(ニューソウル)の個人的四天王であるMarvin Gaye、Curtis Mayfield、Stevie Wonder、Donny Hathawayの中から、今回は世間で一番知名度の高いと思われるStevie Wonderを選んでみま

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#私を構成する9枚③:ゆらゆら帝国「3×3×3」

はじめに 本作は、ギター・ボーカルの坂本慎太郎、ベースの亀川千代、ドラムの柴田一朗の3人で結成されたバンド「ゆらゆら帝国」が1998年に発売した1stアルバムである(インディーズを含めると4作目)。
 ゆらゆら帝国といえば「空洞です」が最も有名であるとされているが、個人的にはサイケで勢いや実験性をビシビシと感じる本作がお気に入り。
 最も好きなバンドだが、自分が知った時には既に解散しており、リアル

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#私を構成する9枚②:キリンジ「3」

はじめに本作は、堀込高樹・泰行兄弟の2人で結成されたグループであるキリンジの3作目で、自分の生まれた年である2000年に発売された。
自分はこのアルバムを高校〜大学のあたりに初めて聴いたが、全然音楽的に古さは感じなかった。
実際に、本アルバム収録曲である「エイリアンズ」はcm流れたり、某テレビ番組で再評価を受けている。

全曲レビュー※:☆の数は自分の好みの程度

1.グッデイ・グッパイ ☆☆☆☆

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#私を構成する9枚①:坂本慎太郎 「幻とのつきあい方」

総評

本作は、ゆらゆら帝国のボーカルの坂本慎太郎のソロアルバムの一作目で、「空洞です」の雰囲気を感じさせつつ、それよりも軽やかな印象を受ける。
また、本作から自らベースを弾いたりパーカッションにこだわったりしており、その影響か音に派手さは無いものの手作り感のあるグルーヴを感じることができる。

全曲レビュー

1.幽霊の気分で (Album Version)
本作のオープニング
軽やかなリズム、

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