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【ミッドライフ・クライシス】キロンリターン!自己不安と執着?に気づいた話

2020年あたり、大きい仕事から順に無くなった時期がある。マスクをしろ換気をしろと、世界が言い始めたあの時期である。せっかく満席にした講座が次々と「無期延期」になった。え、どうやって生活したらいいわけ?

ちなみに私は20年近く「プロのネイリストさん相手の先生」をしている。あるプロショップでの対面セミナーはなんと約8年間!続き、業界に「フィルイン」というジェルネイル技法を定着させたんじゃないかと勝手に自負しているくらいだ。ジェルネイルの土台を溶かさず、マシンで削ってお直しするアレは、昔からあるやり方なので古参は誰でも知っていたが、おそらく私の講座の内容と時期がよかったのあろう笑。ラクラク集客できていたのだ。

オンラインでどうですか?と騒動が落ち着いたころにお声掛けも頂いたのだが「技術…?を遠隔で一方通行…?空手を通信で学ぶようなものでは?」と私自身が思ってしまってお断りさせて頂いた。いま思えば「伝え方より受け取り方」である。顧客を信頼できなかった。というか自身の伝え方に自信が無かったんだろう。長い地下生活の始まりであった。今なら言える。「とりあえずやっとけ、やりながら考えろ。止まるな。でないと闇落ちする。」


こうして私は野良ネイリストになった。もともとフリーで仕事場を借りてサロン業をしていたがそれすら「休業補償を出すから閉めてくんない?」の対象となったりもした。相次ぐキャンセル。払い戻し。心は折れずとも技術は折れ、違った。技術は折れずとも心が?折れた?とにかく。病んだのだ。

当時の私は「休業補償という名目で黙らされた」ような気持ちになっていた。「生活するうえで必要がない存在」と定義されたように感じたのだ。育児や介護のために自ら休むならいざ知らず、感染を拡大させるかもしれない存在だと国から名指しされたように受け取ってしまった。被害妄想も甚だしい、大事な存在だと認められているからこそ補償が出るのに!である。そしてこの3年間。どうしても以前のように前向きに集客できなくなっていた。具合の悪い家族がいたせいもあるが、この機会に「より必要とされる存在」にならなければとやっきになるあまり、何から始めたらいいかわからなくなっていたのだ。

「中年の危機」とは、ミッドライフ・クライシスを直訳したもので、人生の中頃に、自分の人生について問い直さずにはいられなくなる、アイデンティティの不安な状態のことを指します。多くの人がこのアイデンティティの不安に直面し、アメリカの心理学者ダニエル・レビンソンによれば80%の人が中年期に大きな危機を迎えるとされています。

オンラインカウンセリング「うららか相談室」 2022/10/23より


なのに突然。吹っ切れた。悩みから抜け出すということは、才能や根性でなくただの「タイミング」なのだとしみじみ思う。散々アドバイスをくれていた人…がいただろうが思い出せない笑。これを見るかもしれないので形だけ感謝しておく。自分の視野を狭めていたのは、何を隠そう私自身だ。何も起こっていないのに、火曜サスペンスの終盤よろしく崖っぷちに自分自身を追い詰め、「私なんて劇場」をやっていたのだ。あぶねえ。ヤバい人になるところだった。というか、事実そうなっていた。無駄に社会人としての自信を見失い、この3年で10キロ太った。ミッドライフ・クライシスめ。許さん。

誰も興味がないと思うが、本来の私はものすごく「運」を持っている。一見マイナスに見えることでも、圧倒的に自分の肥やしにしていく謎の力がある。今だってこうして「崖っぷちから飛び込まず、自分の力で生還した」と嬉々として自分を褒めているではないか。ライフイズビューティフル。今週はムスメの20歳の誕生日がある。降りなかった自分を褒めたい。


最後になるが、私はこの投稿を、引用の機能を通して初めて「中年の危機」という文字に出会った。発信しようともがいて、逆に情報を受け取り、入力しているまさにこの瞬間も、更に不安が昇華していくのを感じる。おそらく峠を越えたんだろう。この数年、自分が抱いていた不安や辛さが思い出せないくらいだ。ただ、自分で消化できないと思ったら専門のクリニックなどに相談するのも良いと思う。伝え方より受け取り方。方法なんてなんでもいい。みんな自分を大事に、日々を楽しむ権利がある。いまつらい人にもきっと。気分の晴れる瞬間が来てほしい。価値のない人なんていないのだ。



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