#EMONism 24
羽黒蜻蛉の飛び交うあの庭を想い出した。8月も盛り、夏休みに見つけたあの平屋の廃墟。太陽は真っ直ぐ光を放ちあんなにジリジリと暑かったのに、あの庭は恐ろしいくらいにひんやりとしていたっけ。それも、手入れをされず自由を得た木々が嬉々として庭を覆い尽くしていたからに他ならないが。
その様なものだから、木漏れ日も美しく、それによって光と影のグラデーションというかコントラストというか、余計に幻想的というか、神秘的というか、子供ながらにまったくの異世界に来たような感覚に陥った事を今でも憶