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出会うタイミング、触れるタイミング。


今朝も、空から小さくぽとぽとと雪が落ちている。

冷たい風吹くどっちつかずなグレーな朝だけれど、それもまたひとつの朝、と思う。
なんとなく、先日見た「ショコラ」の冒頭を思い出した。


今週は、なかなか重い1週間になりそう。
今日は午後から長男が入学する中学校の説明会へ、週末はまる2日次男のサッカーの遠征に付き添う役目を抱えている。
そうだ、週の中には新商品も出るし、仕事は忙しくなること大歓迎、な週でもある。
あ、忘れちゃいけない、次男の誕生日も!


だからこそ、今日は午前中に大好きなコーヒー屋さんに行こう、と決めていた。

家族を送り出してからひといきつかずに掃除を始め、少し遠征の荷物を準備しつつ、中学校に持っていくための諸々の準備を最終確認する。
目的があるほうが、ぐだぐだ後回しにせずにてきぱきこなせるものだ。(今さら気付くな…)

さっぱりとした気持ちになると、もうこのまま勢いで勉強したり他の家事をしたりした方がいいんじゃないか…と思いかけたけど。
いやいや、今日を逃すとまた日がないかも、と店が開くころに家を出る。




今日までです、というゲイシャのブレンドされた期間限定のコーヒーと、スコーンと。
おすすめされるがままにお願いしたあと、ゆるやかに空間に身を馴染ませる。

アラジンのストーブのあたたかさと、マッキントッシュのオーディオシステムから流れるコルトレーン。
(かっこよく言ってみたけれど、私自身は全く詳しくない。)
心地よいのは、確か。


これがスパークリング、と表現するのか…とうなってしまうような華やかな香りと甘い酸味をもつコーヒーで、思わずその感覚を確認するように何口も続けて飲んでしまう。

熱々のスコーンを半分に割って口に運ぼうとして、思わず手が止まる。
マンガなら目がキラキラして背景が花で埋め尽くされそうな感じ。
…なんて濃いバターと小麦の香り!
(芳醇な、とか、香ばしい、とかじゃもったいないくらい。)
もちろん口の中もしあわせだったけれど、何度もその香りを体験したくて、口元で手を止めた。


持ってきた本は、先日借りたくどうれいんさんと東直子さんによる『水歌通信』。
自分でも驚くほど、言葉の世界にとっぷりひたひたに浸かって、文字を追った。
読んで、もどって、また咀嚼して、を繰り返す。


はぁ、となって、コーヒーをまたひとくち、店の中を見渡して自分の居場所を確認する。


東直子さん、今までもずうっと図書館でも目にして名前はよく知っていたのに、何で手に取ろうとしなかったんだろう?


こういう後悔って時々あるよね…。
でも、何かきっとタイミングのようなものがあるんだろうな、そう思って今手にしたことを素直に喜ぼう。



あぁ今日もやっぱり行ってよかった、好きな場所に。

これで、今週1週間がんばれそう。

そうだ、きっと大丈夫、がんばろう。



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