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僕の中の壊れていない部分/白石一文(1)

7年くらい積読だった本。
そろそろ本棚をどうにかしなければならないので、読み終わった本は人にあげたり図書館に寄贈したりしようと思う。Amazonとかブックオフで売ってもいいけど、好きな本は届いてほしい人に届いてほしいし、まずは知人から布教していきたい。16年くらいお世話になってる区も好きだから、好きな区の好きな図書館に好きな本があるといいな、とも思うし。まあ単純に売るのが手間だっていうのもある。たいした金額にならないだろうに、いくらになるかな〜とかって期待しちゃうのは疲れるし。


さて、私はなんでこの本を7年も積読していたのでしょう。
いや、19くらいの頃、嫌なことがあるとブックオフでなんとなく知ってる有名っぽい本を買い込むって癖があって、それでなんとなく知ってる作家のなんとなく聞いたことある本を買ったけどなんとなく読みづらくてなんとなく放置してた、ってことは覚えてるんですけどね。
なにが読みづらかったかもちゃんと覚えていて、それは読みづらいというよりかは気持ち悪い、かもしれないけれど、とにかく読んでいて窮屈で読み進められなかった。19の私には。

なにが窮屈って、主人公である直人の斜に構えた考えや話し方、ひいては生き方もそうだし、それを筆者がどこかで揶揄しているような語り口もだし、なんかそういうぐねぐねしたものがすべて自分に投影されてきて、批難されているような感覚に陥ってしまって読めなかった。

でもこの年になって、自分や他人、世の中ってものの境界線が昔よりははっきりわかるようになって、というかまだ境界線があるということを知れただけレベルの気もするけれど、とにかく今回読んでみてこの作品のことを私はかなり気に入った。

単に好きとは言いきれない、自分の黒い部分や柔らかすぎる部分を見せつけられたような、なんだか本が身体に埋め込まれたような、いや、自分の身体からこの本が出てきたような、そんな心地よい気持ち悪さが残った。

昔は直人にしか自分を投影させなかったけれど、というか他の人物が出てくるところまで読んだ記憶がないけれど、いや、枝里子は序盤で出てきていたけれど19の私なんてまだまだまだまだ未成熟だったので26歳の綺麗でかっこいよくてみんなの憧れのお姉さんの気持ちなんてひとつもわからなかったから、自分と枝里子は完全に相反する人間だと感じていたわけで、でも今の私はあの頃からするとそれなりに恋愛もして嫌なことも楽しいこともいっぱい経験して、少しは枝里子の気持ちもわかる気がして、ということは枝里子ほどではなくともちゃんと綺麗でかっこよくてみんなの憧れのお姉さんになれてるってことですか?!たしかに職場の小学生からはバドミントンやドッジボール、お裁縫などで崇めてもらってますけど。でも今の私と枝里子が同い年はさすがに笑う。


今日はここまで。続きはまた書きます。
昨日は美容室でメンテナンスカットをしてもらって外に出ると雨があがって気持ちの良いお天気だったのでひとりでふらふらとお散歩をしました。気がつくと根津美術館の前にいて気がつくと入館していました。
お庭が気持ちよくて最高でした。お花が咲いていて緑がわんさかしていて、いるのは外国人ばかりで、私に関心のある人なんてひとりもいないような、そんな心地の良い空間でした。また訪れたいです。ひとりでも、誰かとでも。

カメラもっていけばよかった、Android古いから画質……。


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