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国立新美術館開館15周年記念 李禹煥展

職場の夏休み。用事で外出したついでに何見ようか考えて、一昨日から始まったばかりの、国立新美術館開館15周年記念 李禹煥展を見ることに。これはすごく面白かった!

李禹煥は1936年韓国生まれ、1956年に来日し、1960年代より、「もの派」を牽引する存在として、日本美術界で圧倒的な存在となる。 

今まであんまり見る機会がなく、作家の全容などあんまり理解していなかったのだが、無料音声ガイド(自分のスマホで聴く、ナレーター中谷美紀で、李禹煥本人及び学芸員の解説も入る)がすごく丁寧で(展示作品自体にはキャプションなし)、会場内ではみんなスマホに耳を当てながら作品鑑賞している感じだった。そんなに混雑していなかったので、ナレーションなしでもう一周したが、会場は完全ワンウェイで、途中で最初の方に戻れるショートカットはなかったので、元の道を戻って、一往復半した感じ。作品が大きめなので、歩いているだけで一覧できるのはいい感じ。
前半は、「もの派」の本領発揮な立体作品中心。木、鉄、石、ガラス、綿などで構成された作品が次々と現れる。様々なサイズに割れたスレート石の積まれた中を歩いて進む部屋(鑑賞者が歩くとジャラジャラ音がする)、玉砂利が敷かれた中に磨かれたステンレス板の道があり、ゲートのように石が2個配された「関係項-鏡の道」の部屋等、部屋の中を歩くこと自体が面白い部屋が色々。
写真撮影は禁止だが、折り返し点の屋外スペースの「関係項-アーチ」だけ、撮影OK。

2014年にパリ・ヴェルサイユ宮殿で発表されたアーチ作品雄ヴァリエーション。
この場所、安藤忠雄展やった時は光の教会があったね...。

また、国立新美術館の屋外にも「関係項-エスカルゴ」という彫刻作品があった。

ガラスの茶室がなくなってしまって、その場所に李禹煥。

展覧会の後半は絵画作品。キャンバスに岩絵の具と膠で点を打っている「点より」、それが長く引き延ばされた「線より」、線の動きが流れるようになった「風より」、「風と共に」、それがどんどんバヴァリエーション出てきて、画材も岩絵の具と油、アクリル絵の具と変わっていく。最後には、美術館の壁にアクリル絵の具で描いた「対話」というウォールペインティング、ものすごい存在感。展覧会は兵庫県立美術館に巡回するのだが、兵庫ではどのような見せ方をするのだろう。

直島の李禹煥美術館にも行きたくなった。安藤忠雄建築の美術館の中で、李禹煥作品はどのように息づいているのだろう。

提示されている姿はシンプルなのだが(素人目には誰にでも作れそう、みたいな感じ)、それを芸術として見せる力が時代と同期しているのだろうか。間の取り方が、きっと真似出来ないのかな。作品の周りで、色々な対話が聞こえる感じがした。

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