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①そもそもマルチスポーツとは?

昨日の初投稿に早速❤️を押していただけた方が複数いて嬉しい限りでした。
スタートダッシュの勢いで、ある程度のところまでは頻度高く更新していく予定です。

今日は「マルチスポーツ」という概念やその特徴について改めて触れていきます。
なお投稿にあたっては大山高先生の著作
「マルチスポーツを科学する:世界基準で子どもの探究心を鍛えよう」を参考にしています。

マルチスポーツの定義

正直この言葉に馴染みがない方が大半ではないでしょうか。日本語で厳格な定義があるわけではないのですが、ここでは「1つの種目のみではなく、複数の競技を同時期に行うこと」としています。

ちなみに「同時期」は1年間程度の幅のある概念であり、夏はサッカー、冬はバレーなどシーズンで主とするスポーツを分けている場合も同時期と捉えることとします。

マルチスポーツに関する諸外国の事例

このマルチスポーツという概念は、欧米やオーストラリアなどの諸外国では一般的な考え方です。

例えば米国では、学校スポーツに3シーズン制が導入されており、1つの競技に取り組める期間は3〜4ヶ月と明確に規定されています。
ある選手の場合、春は野球、秋はアメフトといった具合で1年の中で異なるスポーツに取り組む仕組みとなっているのです。

ラグビー強豪国として有名なニュージーランドにおいても、2シーズン制のもとラグビーシーズンの冬が終わると、サマーシーズンの人気スポーツであるクリケットに国中がスイッチするなど、
国家としての政策の後押しもありマルチスポーツの促進がなされています。

色々な競技を試す、という考え方

欧米諸国において、マルチスポーツは「スポーツサンプリング」という言葉と合わせて語られることがあります。これはその名の通り「サンプルとして色々なスポーツを試してみる」というニュアンスの言葉です。

1シーズン限定のチーム編成を前提に、基本的にはセレクションを実施して定員制で活動し、シーズンが終わるとチームを解散するのが一般的です。

そのため、編成時の選考から漏れた場合は翌年のセレクションに臨むといったことになり、別のスポーツに取り組むこととなります。

希望のタイミングで希望のスポーツに取り組めない可能性があるなど、必ずしも全員が満足する制度ではありません。

それでも、色々なスポーツを試す機会を仕組みとして設けることで、自分が楽しめるスポーツを探してみようという「提案」の姿勢が表れているシステムに思います。

スポーツを競技ではなく運動として捉え、生涯にわたって楽しめる運動の発見を促す。そのような素敵な考え方は、マルチスポーツに馴染みがない日本でも参考にできる部分ではないでしょうか。

科学的に提唱されているメリット

マルチスポーツに関しては各国の研究で、
様々な効用が期待できることが示されています。

よく挙げられているメリット
・多様なパターンの運動が身体を操る力を育てる
・競技特有の慢性障害などのリスクを低減できる
・燃え尽き症候群になることを予防できる
・試すことで長く楽しめる競技を探せる
・全身をまんべんなく発達させられる
・天候や空いている場所へ柔軟に対応できる

早い段階から1つのスポーツに集中して時間を割く「早期専門化」に伴うデメリットを、心身両面において抑制しうる点が、大きな評価要素とされていることが多いです。

一方、いいことづくめではなく一定の懸念点や認識しておくべき注意事項があることも事実です。

あまり取り上げられない懸念点
・多様な運動と多様なスポーツの取り違え
・1つの競技の練習量が減る可能性がある
・総練習量が過剰になる可能性がある
・用具などの費用負担が増加する

運動≠スポーツであることや、生じる事象を適切に理解していないと、かえって身体への負担を高めることに繋がることも当然ながらあるのです。

そのため、周囲の指導者や保護者による適切な支援や一定のルールによるコントロール、適切な促進に向けた制度/環境が大事な役割を果たします。

次回の内容

上記の効用や懸念点については、ここで語るにはやや冗長となってしまうため、
次回の投稿でよりフォーカスして見ていきます。

・それぞれのメリットの詳しい紹介
・想定される懸念点への適切な対策
・取り上げられていない効用への考察

次回もマルチスポーツの持つ可能性についての解像度をより一層高めていければと思います。
本日もご一読いただきありがとうございました。


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