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【読書記録】伝説の算数教室の授業 宮本哲也

宮本哲也。その人の名前には見覚えがあった。

現在小1の長男がまだ保育園児だったころ。めいろやパズルなどの一通りの遊びを経て、鉛筆の持ち方も覚えたことだし、そろそろ知育的なドリルにも取り組めるかな、とAmazonで買ってみたのが「賢くなるパズル」というだった。


「賢くなるパズル」で感じた宮本哲也氏のすごさ

このパズルでほぉ、面白い。と感じたのが「絶対に教えてはならぬ、ヒントを出してはならぬ」とあるところ。できなくてもほっとけというのである。本棚の目に付くところに置いておけば、また自動的に取り組む。そしていずれできるようになる、とまあそんなことが書いてあったのである。

「そんなの一部の超優秀児だけだろう」と思っていたが、頭の中の9割はローカル鉄道やプラレールのことで頭を占めている我が家の5歳児でもできた。面白かったらしく、1冊あっという間に終えた。

ほんとだ、言ってた通りほっとくだけで勝手にやってくれた。このパズルの知的好奇心を引き出す力。

そして本の著者、宮本哲也氏のすごさがその名前と共に私の頭にインプットされ、今回KindoleUnlimitedで彼の本に再会した。ドリルだけじゃなく普通の書籍も出版していたのか。

「伝説の算数教室の授業」は粘り強い子どもを育てるカリキュラム

今回の本はタイトルからして主催している塾での授業のことが書かれているようだ。我が子も小学校にあがり1年生も終わろうとしている頃。

学校生活にも慣れたしそろそろまじめに知的好奇心を広げるよう負荷をあえてかけた方が良い時期かな、そう考えていたタイミングだった。家庭でも何か真似できることはないだろうか。

そんな気持ちで読み進め、冒頭に紹介されていた授業スタイルにたまげた。

初回の授業には30分程度で解けるかなり難しめのパズルを与え、正解できてもできなくても時間の限り徹底的に考えさせ見直しをさせる。授業はこんな感じで一事が万事「粘り強く考え抜く力」を重視したスタイル。

そのほか以下の点で度肝を抜かれた。

✓精神的スパルタ方式(ついてこれる者だけついてこい式)
✓授業の流れが普通の塾と全く異なる(考えさえることに時間を使う)
✓凡ミスする子に容赦なく厳しい(小さいミスをゆるさない)


脱落したものはもう来なくても良いという姿勢。保護者から「うちの子の授業中の様子は・・・」と聞かれて態度の悪いものには「めざわりだからこないでくれ」という始末。なぜならもうそのような子どもには興味がないから、とバッサリ。

なんということだろう。この少子化の時代、そして衰退していく塾業界においてこの態度。自分の授業に自信がなけりゃ到底言える言葉ではありません。

そして授業への情熱もすごいのである。この本を読めばそれがわかる。冷たい、厳しいだけではない。ツンデレなのだ。入試前の最後の授業で「デレ」の部分がやや出るが、それ以外はすべて「ツン」である。

齢12歳前後にして塾生たちはなんとツンデレぶりに揺さぶりをかけられるのだろう。こんな塾は大手塾ではありえない。小人数専科塾だからこそできるのだろう。

巻末の合格実績を見てさらに驚く。先着順無選別の塾なのに脅威の合格率なのである。名だたる超難関校に相当な確率で合格者を出している。サピックスより遥かにすごい合格率。

先着順無選別とはあるが、宮本哲也氏の評判を聞きつけ入塾希望を出す家庭はそれなりに子どもにも見込みがあると親がふんでいる、といった背景もあるだろう。でもそれだけでは理由がつかない驚異の合格率なのだ。

宮本哲也算数教室の現在

こんな素晴らしい塾は一体どこにあるんだい、と思って調べたら以前は横浜で開校していたが現在では東京都内に拠点を移したという。その情報と共に59歳になってパパになったばかりだというネットニュースも目に飛び込んだ。わお!それは頑張って働いて稼ぎ続けなきゃね…!!

自宅では絶対にまねできない伝説の算数教室の実態。おそれいりました。


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