見出し画像

読書日記 【The Secret of Selling Anything】

こんばんは。本日の本は『The Secret of Selling Anything』、日本語に訳すならば(どんな商品でも売る秘密)だろうか。こちらは、私が以下のnoteでも取り上げたアメリカ人の漫画家で事業家、政治批評家でもあるスコット・アダムスさんが「これらの本を全部読んだら私だったら必ずあなたを雇う」と断言している推奨本リストの中の1冊だ。

私はaudibleのオーディオブックで聞いたが、ペーパーバッグでも出版されている。

先ずは結論から言おう。

商品を売るに当たっての前提

1. 私達は誰もがもっと幸せになる為に行動している。
2. 何が幸せなのかは千差万別、人それぞれ違う。
3. 私達がそれぞれ限られた時間、お金、その他の資源を持っていおり、その貴重な資源を、それを得ることで自分がもっと幸せになれると思う物やサービスと交換している。

商品を売る秘密

ステップ1ー聞く: 見込み顧客が今どういった問題を抱えていてそれをどうしたいと思っているかとにかく話を良く聞き、見込み客の動機と幸せの価値観は何か考える。見込み顧客は自分の問題を誰かに理解して欲しいと思っている。
ステップ2ーまとめる: 見込み顧客の抱える問題を要約して認識が正しいか確認する。間違っていたらステップ1に戻って問題の要約の認識が合っていると見込み客が同意するまで繰り返す。
ステップ3ー提案: どうやって自分の売る物がステップ2で同意した問題を解決出来るかプレゼンする。この時点で初めて自分が何を売るか話せる訳で、自分が提供出来る物がどうやっても見込み顧客の問題を解決出来ない場合は正直にそう述べて取引を終わらせる。それ以外はステップ4に進む。
ステップ4ー答える: ステップ3で提示した解決策に対する見込み客の質問に答える。もしここで問題の要約が間違っていたと判断した場合はステップ1に戻ってやり直す。見込み客の懸念には商品の提供方法を変える提案をしたり補償をつける提案をする等してどうやったら自分の商品がステップ2で要約した問題を解決出来るか誠実に対応する。
ステップ5ー成立: 見込み客の全ての質問に答えたら、ステップ2で要約した見込み顧客の問題を再度述べ、どうやって自分の商品がこの特定の問題を解決出来るのかも述べ、見込み顧客が満足ならば取引に言及して商談をまとめる。

良いセールスマン

この本は、優しそうな著者のHarry Browneさんが1967年と1969年に書いた文献を一緒にした物らしい。スコット・アダムスさん、何故こんな50年以上も前に書かれた古い本を勧めるの?と思ったが、流石の選択だ。商品を売るにあたっての前提のところで、Harry Browneさんは本質を述べていると感じた。

Harry Browneさんは、後々米国大統領選挙に出馬した事がある位の人なので本当はどうだったか知らないが、自分はイケイケの強引なタイプでも、口が上手いタイプでも、外交的でも無かったし口下手で商品を売ることに苦手意識があったと言っている。

だが、そんな彼でも物を売る達人になれた。トップセールスマンで、週に15−20時間くらいしか働かなくて良かったそうだ。そして彼が見出した人に物を売るという事の本質とその方法を文章で残してくれた。彼はこの他にも投資の方法の本や、金融危機を乗り越える方法、どうやって自由を勝ち取るかといった、人に役立ち勇気を与える本を出版しており、アメリカ版両学長と呼んでも良いかもしれない。

彼が言うには、商品を売るのに意気込みは不必要で、意気込みのお陰で商品が売れないケースの方が売れるケースより多いと言っている。ポジティブシンキングも止めた方が良いし、人が欲しいと思っていない物を売りつけるなんてもってのほかで、顧客の反発に対していつも答えを用意している誠実さに欠ける人も多分商品は売れていないだろうと言う。外交的な人より内向的な人の方がセールスとして優秀で、口当たりの良い人で居る必要なんか無い。人をやる気にさせて何かを買わせようなんて非現実的で馬鹿だとも言う。私が思っていた成功しているセールスマンのイメージとは程遠く、目から鱗だった。

本当に良いと信じている物やサービス以外を人に物を売りつけるのは人も自分も騙す事だと思っていた私は考え方が間違っていたと気がついた。物やサービスありきのセールスで無く、人の問題解決あっての物やサービスのセールスなのだ。

彼は良いセールスマンは正直で誠実であるべきで、自分が顧客の問題を理解して解決法を提案する事で人助けの出来る崇高な仕事だと言っている。私もこの本のお陰で今後商売や商談をする事があっても心から楽しめそうだ。

この記事が参加している募集

読書感想文

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?