逃げ水

何者

逃げ水

何者

最近の記事

「再会」: FF7 REBIRTH

初めに言う。 最高のゲームだった。 これまでプレイしたゲームの中では間違いなく、そしてこれからプレイするゲームを加味しても1番と言えるかもしれない。 クリア後、かなり気になることが増えたのでFF7オリジナルと、FF7Rも再度プレイしてみて、幾つか気になる点ができたので列挙する。 ※ ネタバレを大いに含みますので、未プレイ、未クリアの方はブラウザバックされますよう。 ※ ・前提(確定事項) ・本作のFF7Rは複数世界線によって構築されている ・その複数世界線の創

    • エンドロール

      エンドロールを観るか、観ないか。度々論点になっているこの話は、大抵観る派が「最低限のマナーだ!」とか、「そこまで観てこその映画だよ」的な言葉で一方的に言いくるめて終わっている。 正直観ても観なくても良いだろう、と私は思う。 マナーは存在こそ認めても、それを他人に強要することは、たぶん、それこそマナー違反だろうし、 映画に携わった人間の名前を1つも知らなくたって映画そのものの美しさは変わらない。 自由にすればいいと思う。 言っておくと、私はエンドロールを観る人間だ。 いや、少

      • 夢n夜

        「どんな時に幸せを感じるか。」 という問いに対する答えは人によって様々あるだろうが、私の答えの1つとして、こんなものがある。 "朝起きて、夢の内容を鮮明に覚えられている時"だ。 夢が好きだ。 起きている時では絶対に考え至らない境地へ易々と連れて行ってくれる。 思考から論理性の一切を捨て去って紡がれる物語は、いつも私の心を踊らせてくれる。 そう、だから私は夢の話がしたいのだ。 誰にも伝わらないだろう夢の話を。 あの素晴らしい夢の話を! そうだ、夢の話をする時のマナーがあ

        • 「美しさ」下げ

          悪い癖であると思う。 良いものを見た時に大抵の人間は"どこが良いのか"を口にする。私もそうしていると思う。 美しいものを見た時、同様にそうしてしまう。 「この絵のこういう所が美しい!」云々、「この詩はこんなことを表現している!」かんぬん。 本当に美しいものは人間の所業の収まる所に無いと私は思う。芸術の神様はいつだって人間の意識の外側から微笑んでいる。 そんな美しさを言葉で表そうとするなんて、私たちはひどく滑稽な事をしていると感じる。 言葉のレベルまでその美しさを下げてしま

        「再会」: FF7 REBIRTH

          晴れ間を見る。 ヨルシカ「晴る」について

          ヨルシカの新曲である「晴る」を聴いた。 まだまだ咀嚼しきれていないが、いくつか感じ取った部分について書く。 まず、n-bunaさんによると、この曲は晴れについて書いたものである。もっと言うと、晴れを願うものであると。 私が思うに、ここで云う「晴れ」は、n-bunaさんが予てから口にしている心を満たすもの、美しいもののメタファーとして機能している。 1度でもそういった本物の美しいものの断片に触れた人は分かると思うが、それらは決して芸術そのものにはなり得ない。 芸術は、それら

          晴れ間を見る。 ヨルシカ「晴る」について

          歳末

          昼下がり。高架下を自転車で飛んでいく子供を羨ましく思ったので、きっと僕は大人になった。 斯くして、大人を自覚するタイミングは思いがけない。成人するとか、お年玉をあげる立場になるとか、子供を授かるとか、もっと普遍的な大人を想像させる出来事で人は大人を自覚するんだと思っていた。 僕がそうではないのは、きっと子供の頃から責任感を持っていて、大人になって遊び心を無くしたからだ。大人に対して、否定的だからだ。 十九時にもなると太陽も、太陽の輪郭も、太陽の輪郭をなぞる明るい空気もまとめ

          「君たちはどう生きるか」個人的解釈

          「君たちはどう生きるか」 公開から1週間近く経ったが、世間ではこの作品の賛否は大きく分かれている。 私としては宮崎駿の集大成とも感じられる作品であったため、その所以について記しておこうと思う。 以下ネタバレを含むため、まだ観ていない方はブラウザバック願います。 ↓ ↓ ↓ ・積み木(石)が示唆しているものこの作品に対する解釈を話すには、積み木の事から話すのが最も手っ取り早いです。 そもそも、積み木とは眞人が迷い込んだ世界(異世界)において、眞人の血縁である大叔父

          「君たちはどう生きるか」個人的解釈

          虫かごを広げる

          ヨルシカの「老人と海」を知ってからこの事ばかりを考えている。 “想像力”は重量である。 色んな所で意気揚々と「想像力は自由の翼だ!」なんて書かれるけれど、そうであるなら自由とは随分狭苦しいもののようだ。 しかし、その気持ちも分かる。 現実の世界はどうも、居間で寝転がっている瞬間にも俺の周りには“何か”が纏わりついていて自由を侵害してくる。 その“何か”とは、法律等の規則であったり、人の目であったり、モラルであったりする。 別に規則を破ろうとしているわけではないけれど、そう

          虫かごを広げる

          重力を振り切れない : 音楽画集「幻燈」についての感想

          音楽画集「幻燈」 音楽:ヨルシカ 絵:加藤 隆 の感想になります。 と、以上が「幻燈」の概要である。 音楽の聞き方というのは、時代を経る度に手軽になってきた。 生演奏からレコードへ。 レコードからカセットテープへ。 カセットテープからCDへ。 CDから携帯端末へ。 今や携帯端末の1タップで音楽を手軽に得られる時代。 中でもサブスクリプションは膨大な量の曲を自由に聴くことができるときた! 特大サービスが過ぎる。やらないわけがないだろ、と思う。 サブスクリプションによっ

          重力を振り切れない : 音楽画集「幻燈」についての感想

          「また行きたい。」と言えれば満点だった。

          箱根に行く。 旅行はあまり好きではない。この時期は特に何処へ行くにも人が多くてうんざりする。人がそれほど多くない場所を狙っていけばいいんだろうけど、存外どんな場所にでも人がいる。それに、そこまでリサーチするほど旅行に対して気力がない。 修学旅行で積み重ねられた"つまらない旅行"がこの気力のなさを作ってるんだろうな。修学旅行廃止にしねえか? そんな人間が箱根に行く。 "星の王子さまミュージアム"という今年3/31で閉館してしまう施設のために。 * 珍しく早起きをし

          「また行きたい。」と言えれば満点だった。

          追憶、買います。

          他人との交流は楽でいい。他人の話にメトロノームのように相槌、肯定を繰り返すだけで大抵上手くいく。 酷いと思うかな。だけど、それで相手が勝手に自信をもってその先を上手くやっていく、大正解じゃあないですか。 他人を肯定するように、自分自身を肯定できるなら、どれだけ楽だろうかと毎晩のように考えている。 自分の肯定できる部分を探して、考える。 見つからない。それならば、と創作を試みる。偶然誰かを助けた過去の記憶に縋るように、当時の自分に良心を創作して、その記憶を俯瞰して眺めてみる。

          追憶、買います。

          日記 : 忘れ物

          「何もすることがない。」 久しぶりにそう思った。 別に自分は多忙な人間では全くない。 "何もしなくてもいい日"というのは他の人と比べて随分とある。その中で、本を読みたいとか、美術館に行きたいとか、そんなが欲望が何もない、作れないのが今日だった。 であれば。 「街へ出てみよう。」 そう思うが早いか、数分後には鉄道に乗り、降りた事のない駅で降りた。 喫茶店で昼食をとり、散歩をする。 道すがら、"鉄道忘れ物市"なるものに遭遇した。 名前の通り、落とし主が現れないままの鉄道での忘れ

          日記 : 忘れ物

          雑記:無神論者と神頼み

          日本には数々の神頼みが文化として存在する。 初詣のお参り、短冊への願い、四肢に巻き付けたミサンガ。 もはや、1度も神頼みをしたことが無い。 という人は全くいないんだろう。それ程に神頼みは文化として強く染み付いている。 しかし、日本でそれほど熱心に神様が信じられているかというと、そうでは無いと思う。 じゃあ何故、日本で神頼みの文化がここまで消えずに残っているのだろうか。 私が思うに、日本の大多数の人にとって"神頼み"という行為は神様を信仰するための行動ではなく、自身の本当の願

          雑記:無神論者と神頼み

          日記:歳末

          年はもう既に開けてしまいましたが、本日の日記を残します。 12月31日 世の中は大晦日。 何処へ行くにも帰省する人々、休みを家族と過ごす人々で溢れかえっており、それぞれが気温通りではない暖かな笑顔を浮かべている。 こういった行事ごとは須らく青春コンプレックスを刺激してくるものだが、夏祭りやクリスマスに比べると青春の解像度が低く、街模様もさして普段と変わらないため青春ゾンビ達にも優しい。 私が街へと繰り出していたのは、買い物のためだ。急ぎでもない買い物を思い出し、休みの日の

          日記:歳末

          無題

          初めまして。 逃げ水と申します。 日記と軽いお話を書いていきたいなと思います。