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言葉遣いと通信プロトコル

先のつぶやきの続編です。

通信機器や端末がお互いに通信するときには、通信プロトコルという決まりがあって、データのやり取りの方法や順序などが決められています。
通信プロトコルに則らない自由な信号を発信しても、互いに通信はできません。

人間のコミュニケーションに使われるのは「言葉」ですが、その通信プロトコルにあたるものは「言葉遣い」であるかと思われます。

ある言葉遣いで会話が成立しているコミュニティに、まったく違う言葉遣いをする人が入ってくると、人間の場合はその意味は理解しますが、受け止め方は異質なものになります。

この人と会話をしていいのだろうか?

そのように考えるのですね。
つまりリアクションがなく、通信は成立しないということがあるのです。

フラットな社会だけれども・・

SNSのおかげでかなりフラットな社会になってきたと思いますが、コミュニティというものの性格は昔からさほど変わらないと思われます。
会話が成立しているコミュニティには、共通認識や通信プロトコルのようなもの(=言葉遣い)が存在しています。

誰に対しても同じ言葉遣いでいける」と思うことに無理があって、相手、あるいはそのコミュニティで使われている言葉遣いをしないと、本当の意味で受け入れられないでしょう。

社会はビジネス社会だけではない

学生が社会人になるために求められる言葉遣いは「ビジネス」のための言葉遣いです。ビジネスの場では、ある特定の言葉遣いをしないと通信は成立しません。
しかし、社会というのはビジネスだけではありません。
ビジネス社会というのは一部のコミュニティに過ぎません。

お店での接客を考えた場合、
店員はビジネスだと思っているが、顧客は遊びで来ている場合もあります。 BtoC はとくにそうです。

そのときに、どんな言葉遣いをするのが望ましいか、会話が成立するか、と考えたときには、多くの場合は店員の方が顧客に寄り添う必要があるでしょう。(その寄り添い方は難しいのですが)
ごく稀に、お店のコミュニティに合わせた言葉遣いを顧客が求められる場合があるかもしれません。

普段の日常生活でビジネス用の言葉遣いをする人はあまりいないでしょう。
また日常生活は人によってまったくライフスタイルが異なるため、それぞれの言葉遣いもあると考えられます。
それぞれのライフスタイルに合った言葉遣いをしないと、そのライフスタイルには溶け込めないということになります。

「うつけ」と呼ばれた織田信長が斎藤道三と面会したときに、端正な正装をして現れたという話がありますが、あの信長でさえ柔軟に通信プロトコルを選んでいたのですね。
これは身なりのことですが、おそらくそのときの言葉遣いも違っていたと想像されます。
少なくとも大事な局面においては、プロトコルを合わせて会話を成立させましょう。

SNSにおけるミスマッチ

Facebook のように「グループ」に参加して会話をするなら、ある程度コミュニティは限定されます。
しかし一般の公開SNSでタイムラインに流れてくる投稿は、さまざまな世界、境遇の人が発信したものです。

例えばその一つの投稿にコメントする場合、相手のコミュニティに合う言葉で話しかければ会話は成立するでしょうが、そうでない場合は成立しないでしょう。

まったく初めて接する人にいきなりコメントをする場合は、本来は注意が必要ですし、相手に合わせる必要がありますが、SNSではそこが事前に分からない場合が多いのです。
そのため、ミスマッチが生じて会話が成立しないという状況になります。

話している内容よりも、話し方のほうが問題です。
話し方がマッチしていれば、内容がアンチであっても会話は成立する場合があるのです。

内容が正しいとか間違っているとか、どちらが偉いとかいう以前に、会話が成立しないような言葉が飛び交っていると言ってよいでしょうね。

まとめ

SNSでさまざまな人の意見や情報に触れることはとても勉強になることです。
しかし会話をしたいと思ったら通信プロトコル(言葉遣い)は最低限、ケアする必要があるでしょうね。

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