※ まず本書は、メディア効果論（人々に与える影響）での、様々な過去の研究（実験・調査）データを基に 書かれている著作です。
①は 強力効果論について  ②は 限定効果論について  ③は メディア論、二つのバイアスについて  ④は 新強力効果論について  ⑤は マスメディアとしてのインターネット  ⑥は メディアの未来、社会の未来 と書かれています。

※ 私が知っている限りでは、日本はTV・新聞への信頼度、先進国中（生活レベル4の国々）一番高い国と きいています。本書中にも 既存メディア信頼度、30％台（新聞記事内容は40％台）と書かれています。他の先進国は、おおむね20％台です。
しかし、その他国も民度は 日本とそれほど変わらないと言う人もいます。（専門家・外国在住経験ありの方）
ですが 私見では 、様々な問題（人権・環境・生活 等）について当事者意識 持つ人々が多いは、やはり欧米系ではないかと 思われます。
（日本でも、ある程度はいますが。結局 意識高い系 人間を増やすには、利権にしがみつく 老害者達に、早く 現世から引退していただくしかない と考えます）

※〈本題〉
① メディアの強力効果論では、ナチスドイツのプロパガンダ例、アメリカのラジオドラマ（宇宙戦争・1938年）での事柄が 書かれていて、大変 興味深いです。
◎この様な プロパガンダや嘘を見抜くには、クリティカル シンキング（批判的思考）がいると、書かれています。
（要するに、知性と教養ない者、ステレオタイプの者は騙されやすい、ということです）
しかし、人は 周りの状況によっても 騙される こととかが 違ってくると、本書には示されています。（特殊詐欺の例で）

※ マスメディア報道等を 信じるか 疑うかは、知能もあれば 状況もあるということです。

② メディアの限定効果論（マスメディアは それほど人々に影響を与えない 的）
では、メディア専門用語をまじえ、過去の研究結果も踏まえて 興味深い内容が、書かれています。
（題目で）・社会属性でのこと
・オピニオンリーダーからの情報（集団の中心人物からのもの）

あと・選択的接触（確証バイアス的）
・選択的知覚（都合のよい解釈、こじつけ的理解）
・選択的記憶（自分に都合のよい 情報が残りやすい）
そして、前記の3つは 認知的不協和（自分に都合の悪いことを知ったときに、不快に思う）の低減・解消であると。そして、自尊心メーター上げであると考えられます。

◎ナチスドイツ 宣伝相、ゲッベルスの言葉も紹介されています。
「世の中に対して 最初に語った者〈自信持って〉こそ正しい者だと」
※ つまり人は、知らないことに対して 自信持って言われると、信じてしまうと いうことです。（当然ですが）
しかし 今現代では、この様な手口は だいたい見破られます。（情報過多 時代なので・メディア リテラシーいりますが）
・それでも 世の中には、一部 おかしい論もありますが。
（他の人の言葉でも）・本庶佑 博士談 世の中は嘘に溢れている・古舘伊知郎氏談 TVニュースは嘘ばかり。

◎この書には 人間の思考で、方向性（元々 自分が持っている 意見・考えに沿ったもの）と、 正確性（真実を探そう・本物を見つけよう）があり、世の中は 方向性が多いとのことです。
※ 私見では、方向性が多いのは、自己の自尊心を 保つ為と、自信（楽して）を持って行きたいが、あると思われます。（当然ですが）

◎マスメディアの限定効果論では、マスメディアより対人コミュニケーションの方が、人に影響力 強いとあります。
代表例に、集団内のオピニオンリーダーからの情報（コミュニケーションの二段の流れ）があると。
しかし、コミュニケーションは 多段階ではとの 意見ありと。（確かに）

・著者は、コミュニケーションの多段階の流れを調べるとなると、莫大な資金と時間がいると、そこまでする研究者は、いないとのこと。
※ 今では net系でのビックデータで、ある程度のことは 分かると 思われますが、日本では 情報を活かさず、研究も いまいちと 聞いています。（最近は分かりませんが）
（今後、様々な面でのデータ活用と、精度の向上が 期待されます・世代移動で特に）

③ マスメディア研究での 二つのバイアスは、第三者効果と敵対的メディア認知 というのがあり、本書で興味深い内容と 事例が紹介されています。
（今の ガザ紛争に関連ある ことがらでの、人々の メディア認知のことが 紹介されています）

◎ この章で、私が気になった ところは、日本人は政治的立場、中立が多いので、メディアが顧客（視聴者・講読者）に対して 当然 中立的立場をとると 書いてあるものが
ありますが、疑問です。
メディアは、ものによっては 肝心な情報 出してないときも ありますし、どうみても誘導的、印象操作的ものもあり、既存メディア中立的とは ある面 非常に疑問です。（ネット系出てきて、ある程度は よくなりましたが。まあ、ネット系にもいろいろありますが）

④ メディアの新強力効果論（1970年代から）では
・議題設定理論（マスメディアの報道量が 人々の認識に影響する）と
・ランダム化比較試験での、プライミング（点火剤・起爆剤の意味）効果と、フレーミング（見方・言い方・考え方）効果の 興味深い内容のことが、書かれています。

④の マスメディア新強力効果論での、培養理論と主流派形成（ガーブナー氏とグロス氏）の論は、読書家の人には たいへん納得いく内容と 思われます。

・その代表例として、メディア調査で、TV視聴 長時間の者は、社会的属性（職業・性別・学歴） 関係なく、質問に 同じ回答傾向が あると。（主流派形成へと）

※ 私見では、TVの言うことを 鵜呑みにすると、ちゃんとした読書とでは 考え方などに 違いが出てくると考えられます。
・しかし前記の、TV長時間 視聴と、現実での人の 認識・価値観との因果関係は、見られないとの 見解もある様です。
※（私は 関係 結構ありと思っています、TVしか情報元ない人 周りに結構いるので 分かる）
このことでも、しっかりとした 検証がいるとのことです。（ネット動画系データから でも検証と 思われます）
・しかし、他の本からの引用では、データ出さない、または 妨害する様な ところもあるらしいです。・既得権益者達。

◎著者 稲増氏は、メディア研究のこと で、見方・定義・方法 次第で、マスメディアの影響力（数値等）は大きく変わると言っています。

※ このことは、あらゆる研究でも 同じと思われます。そして、
・統計の9割には 意図があると揶揄されています。

◎ 本書には、マスメディアの共振性 という言葉も紹介されています。
（メディア関係者 同じ様な境遇、同じ様な手法がありで、メディア〈特にTV〉報道が 似たような観点と内容に なってしまう）

※ しかし 私見では、マスメディアは 自らの利権と・スポンサー・ 株主 ・財務省・米国 国務省 への忖度もあると考えます。
いくらデータによる研究結果といっても、なにかの要素 一つ抜けたら、結果は全く違った形になるので、注意が必要です。

・マスメディアの共振性が 似ていればいるほど 、また TV視聴時間 長ければ長いほど、メディアの描く世界観に強く影響されると。
※ このことは、全くその通りと 思われます、読書を全くしない者の会話が いい例です。
（だいたい 似たようなことを言う・新興宗教系の者になると 特に似てくる）

◎ マスメディアの〇〇効果には、当然 何かの条件があると、書かれています。

◎ 本書中、メディア研究の用語で、直接経験争点（自分の経験上でのもの）と、間接経験争点（メディアを通じてのもの）のことが 紹介されています。
そして、直接経験争点（問題）と間接経験争点（問題）での影響比較のことも 書かれていて、興味深い内容です。

・ ちなみに、メディアからの影響、直接経験争点においては、社会属性〈男性・女性、都市・田舎 等〉による差も、大いにあるとの 研究結果も、紹介されています。
（確かに、と思う 内容です）

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