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【詩】別れてもクラスメイト【なもなも】


■本日の詩『別れてもクラスメイト』


斜め後ろの席だから いくら声を潜めてもはっきり聞こえた
新しい彼女の好きなところ
「私と似てないから」って

君って残酷だね
私と違うところを一つずつ見つけ出しては恋に落ちていくんだ
そのたびに私は返品の札を貼られてるみたいだよ

私を好きって言ったくせに
気持ちが変わるのは天気が変わるのと一緒なの?
晴れの日の翌日に雨が降ることを 誰かの陰謀だとわめいたら頭がおかしい人だと思われる?
私には君が嘘つきに見える

隠れる場所もない教室の中で 目も合わせずにすれ違う
君は友達とのおしゃべりに夢中になってるふりをしてる
分からない 本当に私のことは目に入っていないのかも
頭の中でしてるみたいに 君の胸倉をつかんで揺さぶれたらいいのに

窓もドアもない暗室に閉じ込めて 
君が壊れるまで 私を好きじゃなくなった理由を問い詰めたい
私をイかれてると思ってる?

恋人と別れるなんてありふれてるし
失恋なんてあり過ぎるくらい
特に十代の私たちはね

泣くのは当たり前だけど
それを乗り越えるのも当たり前だと思われてる
当たり前の痛みを抱えて 当たり前に生活する

もし私が頭の中で考えてることを現実にしたら
私の世界がどれだけめちゃくちゃになったか分かってもらえるかな
私には君が傷ついてるように見えない

君の世界に雨がないからなのか
それとも雨が降ることを当たり前だと思ってるのかな
分からない
私には君が嘘つきに見える

(作 なもなも)


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