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元サブカル好き女子としては、ヴィレッジヴァンガードの凋落は切ない…

昔々、私はサブカル好き女子でした。そして文学少女。
洋楽も聞いていたけれど、邦楽は渋谷系ばっかり聞いていた気がします。
漫画も岡崎京子とか読んでいたし。


ちょうど私が高校生の頃に"遊べる本屋"がコンセプトのヴィレッジヴァンガードが地方にも進出しはじめ、当時私は大好きでした。普通の本屋よりはちょっとだけ尖った選書が多く、放課後は周りのサブカル好き女子もこぞって通い詰めていた気がします。

サリンジャーとかボリスヴィアンとかアンニュイ系の本もハイライトされていて、次に読みたい本が探しやすかったんですよね。
雑貨というより、本がメインで通っているひとが多かったような。

***

時は移って2020年代、ママになってからというもの育児本とビジネス本ばかり読んでいた私ですが、再び娯楽としての読書という楽しみを取り戻しつつある今日この頃。

久しぶりに懐かしいなと思ってヴィレヴァンに行ってみたら、本はほとんど無きものにされて、つまらない雑貨屋になっちゃってがっかり。子供は楽しそうでしたが、本好きには楽しめない場所になっていました。

そんなところにこのニュース。

記事を読むと、上場し、売上拡大を目指して地方のショッピングモールに出店しだしたあたりから歯車が狂いだしたようですね。
サブカル好きとファミリー層なんてマッチングしないことは少し考えればわかりそうなのに、どうしちゃったんだろうか。
目先の利益に目をくらまされて、コア層を見失って失速なんて寂しすぎる。

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ニッチなマーケットを狙うか、大きなマーケットを狙うかってビジネスを考える最初の大きな分岐点であることは確か。
そしてステークホルダーが増えていく利益拡大期には、最初はニッチ路線でがんばろうと思っていてもそのうち市場が飽和していくから、やっぱりマス受けを狙わないとと考えだすのもその通りなのでしょう。

でも悲しいかな、同時に個性も失われていってしまう。

それは個人も同じで、尖っていれば付き合う人は限られてしまう。でもとっても面白い人だったのに、時が経って後々、あれ?こんな人だった?と思う人がいる。
歳をとってだんだん丸くなっていき、みんなとうまくやっていけるようになるうちに、その人らしさが消えてつまらない人になってしまう人。

一方で、歳をとってとげとげした部分はなくなっても、その人らしさをしっかり残して良い感じに歳をとっていく人もいる。

その差は一体どこにあるのだろう?

できれば後者になって歳をとっていきたいな、と思いながら、人も会社もいい感じに歳を重ねるってなかなか難しいな、とこのニュースを見て思いました。ずっととげとげして生きていくのも嫌だし。

これからの人生に向けて、well-agingについて時々考えていこうと思います。well-beingも、well-agingもどちらも大切にしたい。

読んでくださって、ありがとうございます。




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