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あの日、なに食べた?

最近、記憶力が衰えてきた気がする。

立ち上げたExcelで、何をしようとしていたのか。

脳トレゲームは多々あれど、「光った場所を押せ」ゲームは反射神経が鈍すぎて論外だし、「お釣りはいくら?」ゲームは、そもそも暗算ができないから絶望しやめてしまう。

わたしには、わたしにふさわしい脳トレがある。

Googleフォトが「今日は何食べよう?」と表示してくる写真をみて、どこで食べた何かを思い出す、というもの。

わくわくする彩り

これは、鎌倉の西口すぐそばにある、鎌倉野菜と味噌を使った料理がいただける《Trattoria INOUE》のランチ。

もう5年以上前の夏だ。

カウンター席のみのこじんまりしたお店で、現在は店名が《味噌ダイニング コトカマ》に変わっている。

店員さんとの距離が物理的に近いので

「何のお仕事されてるんですか」
「菓子屋です」
「こう暑いとアイスとか売れますか?」
「暑すぎると意外と売れないんですよ、かき氷にとられちゃうので」

という業界人ぶったやり取りをしたのを思い出した。

あと、会計時に

「お会計100円です」
「えっ」
「あっ失礼しました1000円です!怒られちゃう!」

という愉快なやり取りをしたのも思い出した。

至福の分厚さ

これはわたしのいちばん好きな居酒屋、《わらやき屋》のカツオの塩たたき。

もう長らく行っていないが、イントロクイズなら最初の1音くらいのスピードで思い出した。

分厚すぎのカツオだけでなく、はちきん地鶏や高知の食材を、豪快なわら焼きで提供してくれる。

ぶわっと上がる炎が迫力満点で、厨房に近い席だと、自分もわら焼きにされているような感覚に陥る。

カツオを、旧字表記のかつを、と表記しているので

野球とサッカー、かおりちゃんと早川さん、どっちも好きなんだな
人間だもの
かつを

と、くだらないことを考えたのを思い出した。
炎は、人から冷静な判断力を奪う。

ランチ営業している店舗もあるらしい。
行きたい。ほおばりたいんだな、かつを。

特徴的な三段重ね

2013年9月に、島根へ行ったときに食べた出雲そば。言わずとしれた、島根の郷土料理。

色黒の麺は香りが高く、食感もしっかり残っていて、また食べたいと思わせるおそば。

「段取り・運転・マシンガントーク」を買って出てくれた友人に対し、わたしは「恣意的な選局・目に入る看板を適当に読み上げる・適当な相づち」という役割だった。

たまたまラジオから流れてきたスピッツの「僕はきっと旅に出る」という曲を聞き、友人が「このひと一生旅に出なさそう」と言い放ったのは忘れない。

羽田に戻り友人と解散したところで、エスカレーターを上がってきた共通の友人とばったり出くわし、再度3人で集合したのも忘れない。

ひったひた

大泉洋さんが所属するTEAM NACSの公演を観に、仙台へ行ったときに食べた青葉亭の牛タンシチュー。

牛の舌、という事実だけでなんとなく敬遠してしまっていて、このとき初めて牛タンというものを食べた。
一口食べて、そりゃ名物になるわ、みんな食べたがるわと納得した。
とろけた。

春の嵐で新幹線が動くかどうかと、牛タンがちゃんと食べられるか心配だったが、杞憂に終わった。

友人が「ヤスケン(安田顕さん)は爺さんの役やらせたら天下一品だな」と的確な感想をつぶやいたのは忘れない。
ポスターと自撮りしようとしている赤の他人のカメラに、ガラス越しに映り込もうとしていたのも忘れない。

お皿トータルできれい

鎌倉駅から数分の路地裏にある、知る人ぞ知るカフェ、ワンダーキッチン。

世界各国の家庭料理が頂けるというなんとも心おどるカフェ。メニューが豊富すぎて選ぶのに相当悩んだ。

どこの国の料理だったかどうしても思い出せなくて自分のSNSで答え合わせしたら、セルビアのピエスカビッツァという料理だった。

つなぎなしの豚のハンバーグに、ヨーグルトを使ったソースがかかっていて、初めて食べる味だがかなり好みだったのを覚えている。

知る人ぞ知るカフェすぎて、ここ数年はクラウドファンディングもやっていたようだ。

また行きたいからなくなってほしくないので、広く知られてほしい。

ちゃんと覚えていた。この脳トレは大得意だ。

記憶力が衰えていないというより、食い意地の問題だろうか。

いや、各店の料理がすばらしいのだ。

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