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【お金の絵本#31】みどりのゆび

 お金について子どもに教えたいけれど、時間もないし、どうやって教えれば良いか分からない、という方でも家庭ですぐにできる「絵本の読み聞かせ」。お金に関連する絵本をフィナンシェの会では紹介しています。 
 今回のテーマは「戦争とお金」です。

ご紹介する絵本はこちら。
「みどりのゆび (岩波少年文庫)」
モーリス ドリュオン (著)
ジャクリーヌ・デュエーム (イラスト)
安東 次男 (翻訳)
出版社:岩波書店

■ 私たちが使っているお金はどこから来た?

 有名な児童書なので、どうしてお金の絵本?となるかもしれません。確かにお金をテーマにした本ではないですが、主人公チトは、お父さんの仕事に違和感を覚えるのです。

 お父さんの仕事は、武器を作ること。戦争が行なわれることで、家の暮らしは豊かになっている。親はそのことを誇りに思っている。でも、他の子どもたちは苦しんでいるのに、自分は戦争で得られたお金で豊かになるのはおかしいのではないか? このようにチトは考えます。

 現在もウクライナを始めとした戦争が続く中、武器を作ることでメリットを受ける人たちがいることも事実。またそのような企業に投資や融資をして、利益を得ている金融機関や投資家もいます。実際に、ESG投資ではウクライナ侵攻が始まってから、武器産業に対する投資の是非が改めて議論されています。

 フィナンシェの会で伝えたい「お金はどこから来て、どこに行くのか」という視点が、この本を通した会話で少しでも想像できるようになると良いなと思います。同書は、小学2年生の子でも読み始めたら止まらない一冊。お金の流れ以外の視点でも、優しい気持ちになれる児童書なので、ぜひお子様におすすめください。

■ 読みながら子どもと話そう

・お父さんとお母さんが、もし戦争に使う武器を作っている会社にいたら、どう思う? そして、どうする?
・今使っているお小遣いやお年玉は、どこから来たお金なんだろう?
・今戦争で苦しんでいる人たちの役に立つお金の使い方はないかな?

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 フィナンシェの会では、子どもと一緒にお金を学べる絵本をご紹介しています。過去に紹介した絵本はリンクからまとめてご覧いただけます。ぜひnoteのフォローもお願いします♪


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