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エッセイ:潔癖症は「自分が一番綺麗だと思っている」という誤解

映画「恋する寄生虫」を見ていたら、主人公が潔癖症で苦しむ場面があって、同じような病気で苦しむ僕は胸が痛くなった。

「恋する寄生虫」は小説版も漫画版も読んだけど、実写で苦しむ姿を見せられるのが一番リアリティがある。感情移入してしまい、早回ししようかと思うくらいにはしんどかった。

僕自身はそこまで重度では無いものの、日常生活に少し支障が出るくらいには酷い。
最近はかなり落ち着いていたのだが、家の中には消毒液のボトルが常備されており、また少しずつ悪化して来ている。どうやら寝不足や仕事のストレスでぶり返すらしい。

親戚に自閉症の子がいて、あちこちを唾液で汚してしまうことがあり、幼い頃の僕は過剰にそれに反応してしまったのだ。
嫌がる僕に対して、父親が激怒していたことを思い出す。「お前は自分が世界で一番綺麗だと思ってるんだろ!」と、腕を掴んで無理矢理ドアノブを触らせてきたのだ。彼がいる間トイレの後も手を洗わせないという徹底ぶりだった。

まあ、我が子を汚いと思われたくない気持ちも分かるのだが、この時の出来事が無ければもう少し症状はマシだったのかもしれない。

潔癖症の人に対して「自分が一番綺麗だと思ってるんだろ」と言うのがお決まりの台詞だと思う(『恋する寄生虫』でも、モブが同じ発言をする)けど、何故潔癖症というだけで、自分が一番綺麗だと思ってると決めつけられなければならないんだろう。

僕は別に自分のことを綺麗だとは思わないし、寧ろ消毒液で必要な菌まで落としてしまっているから、かえって不衛生になっている気がする。
それに仮に「自分が一番綺麗だと思っている」として、それの何が悪いんだ?と思ってしまう。

やっぱり潔癖症は「同情されない病気」なのでしょう。肺や心臓の病気なら配慮して貰えたのでしょうか?

心因性なので放って置いて欲しいのに、敢えて攻撃してくる人の心の方が醜いだろとは思う。

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