<映画感想>Red
どうも、
ノミが白昼夢をみた、です。
最近ネットフリックスに公開された『Red』を見ました。
エロティック映画は今月2回目となります。
複雑な気持ちです。
というのは、映画に対してです。
この映画、爆笑とうんざりが混ざってます。
それと、すごくいい教訓が描かれています。
まあ、とにかくいろんな意味ですごいですね。
主人公の塔子は元空間デザイナーで、今は子持ちの専業主婦。嫁いだ先はかなりの富裕層で、夫の両親と同居中。
子供を幼稚園に迎えに行って、夕飯を作り夫の帰宅を待つ完璧な「妻」を演じるのだが、当の夫は、妻よりお母さんの手料理を好む、大のマザコン。
妻というより、メイドです。
一方、塔子は高級すき焼きよりもコーラ派。
物足りない日々の中で、妻役を演じていて再会するのが鞍田。
10年会っていなかったのに、
なんと、挨拶代わりにえぐいディープキスを交わします。
正直、このシーンはもえました。良かったです。
このディープキスがこの映画の特徴かもしれません。
キスしているというより、互いを食らっている感じです。
ですが、ガッと盛り上がったのは、このシーンだけで、
以降、この最初のキスシーンの熱さを超える場面は残念ながらないです。
非常にモノトーンな感じがしました。
セックスシーンが、キスシーンに勝らないのはなぜだろうか。
で、この鞍田なんですが、ミステリーに覆われてて、正体不明です。
ファム・ファタールならぬ、ホム・ファタールですね。
彼は確実に塔子の「運命の男」であり、彼女を破滅へと導く存在です。
口数が少なくて、口をあければ塔子にキスをせがみます。
キスは彼のコミュニケーション手段のようで、
塔子を視線で追いながらも、関心ないふりを見せる「悪男」です。
ちゃんと、セリフもありますが、映画がシリアスというのもあって、
ちょっと申し訳なかったですが、爆笑しました。
この作品そういう部分が息苦しいですね。
鞍田との出会い以降、塔子は「人間性」を取り戻す代わりに、家族を破滅へと追い込んでいきます。
家族のために辞めていたタバコを再び吸う塔子はなんと人間らしく見えることでしょう。
『悪人』と同様、妻夫木聡はまたもや日常に物足りなさを感じる女性を非日常へと連れ出しますが、
この映画での二人の逃亡は附に落ちない点が多いです。
というのも、物足りなさの原因である塔子の夫と彼の両親ですが、
彼らはそこまで意地悪じゃないんですよね。
金持ち独特の鼻につく感じはあっても、義母が塔子をいじめているわけでもなく、
何よりも、塔子は夫が人生で唯一愛した女性だということが判明します。
他方、塔子はそこまで夫に夢中ではないまま、結婚している。
じゃあ、「なんで結婚したの」となりますが、
塔子は母子家庭で育っていて、「家族」へのコンプレックスを抱えています。
「家族を作る」ために、結婚した感じですね。
結果、塔子は自分の父と同様に、娘よりも男を選んでいて、うんざりしました。
明らかに、ここで塔子は「悪い女」になるんですが、
監督の意図はなんですかね?
男を選ぶ女に批判的なのか、それとも、同情的なのか、気になるところです。
多分、こうやって惑わせるのが目的なんでしょうけどね。
まとめると、
コンプレックス持ってる者同士が結婚して、そこから「悪男」と「悪女」が結ばれる話でした。
ここからの教訓は、
好きな人と結婚しろ、です。
結局私の中で『Red』は、エロティック映画でもなく、恋愛映画でもなく、
どちらかといえば、教育的映画という位置付けになりました。