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記憶に残るプロポーズの花を贈る(映画編)


1. 序文

「告白したい。」

それは、
初恋のような淡いもの~段階は色々あるけれど
もっとも悩ましいのは
結婚のプロポーズではないですか?

その日は、突然訪れるかもしれません
一期一会、またとないタイミングを感じて
目の前の相手に、一生に一度の告白をしたい!
と思うこともあるでしょう。

それは、運命の相手だと感じたときに
すぐにポケットから取り出せるように
準備しておきたいこと。

そう言われると……
真っ先に、(指輪だ……)と
先走りたくなる。
でも、ちょっと落ちついて。

それは、日常ではなく、大切な日。
その想いが相手の記憶に残るようにしたい。
時は取り戻せないから、
何よりも、後悔しないように!と。

例えば、
プロポーズのとき、花を渡すとしたら
どんなふうに渡しますか?

それは
どんなところで、どんなふうに
どんな言葉で渡しますか?

実は、プロポーズの法則(ヒント)が
あの名作ミュージカル映画の中にありました!
(見つけました!)

というより、この映画のストーリーが素敵なのです。

「オペラ座の怪人」

フランスの作家ガストン・ルルーによって
1909年に発表された小説が原作。
19世紀のパリ国立オペラで起こった史実を引用した
疑似ノンフィクション風に書かれた怪奇ロマン小説。
その後、原作をもとに、多数の映画、テレビ映画、
ミュージカルなどがつくられています。

パリオペラ座

個人的には、2004年公開の作品を、映画館で観ました。
この作品は、それまでの映像化作品と異なり、
イギリスの名作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバー版の
ミュージカルをベースにした作品。
当時サントラまで購入してしまうほど、音楽が素敵です。

ミュージカルも1976年に初演以来、今も絶大な人気です。
ロンドンのハーマジェスティーズシアターで
1回だけ観たことがあります。
(英語の理解が十分でなく、あまり語れませんが)
劇場こその音響、役者さんの迫真の演技と息遣いが
リアルに伝わってきて、こちらも迫力があります。

2.「映画:オペラ座の怪人」あらすじ<ネタバレ注意>

あらすじを簡単にまとめました。

(ストーリー要約(2004年公開版))
1919年、オペラ座の処分品が公開オークションにかけられ、
猿の振り子がついたオルゴールをラウル・シャニュイ子爵が競り落とす。
それから、舞台は遡ること1870年のオペラ座へ。
その頃、謎の怪人(ファントム)の仕業という奇怪な事件が続いていた。
主演のカルロッタは、何の策もない支配人たちに愛想をつかし舞台を降板。
音楽の天使から稽古を受けているというクリスティーヌ・ダーエが
代役で美声を披露し、喝采を浴びる。
オペラ座の後援者、幼なじみのラウルが楽屋にお祝いに訪れ、二人は再会。
クリスティーヌは、音楽の天使(怪人)を亡父からの贈り物と信じるも、
憧れと同時に恐れを抱いていることをラウルに明かし、二人は婚約する。
「ドンファンの勝利」の舞台当日。
突然、怪人が舞台に登場し、主演のクリスティーヌとともに熱唱する。
仮面を剥されて醜い顔が露わになると、怪人はシャンデリアを落下、
火を放ち、クリスティーヌを連れて地下の隠れ家へ。
そして、奪った婚約指輪で運命をともにしたいと迫る。
追ってきたラウルを人質に、クリスティーヌに運命の選択を迫るも、
最後は、彼女の憐みの心と優しさに触れ、二人を開放。
鏡を壊し、一人、闇へと消えていった。

この映画のストーリーは、ラブロマンスの色彩が濃くても、
それだけではなく、もっと懐深い趣があります。
キャストが魅力的なだけでなく、
年老いたラウルのシーンが、ストーリーの合間合間に
モノクロで挿入されているのが印象的。
そのシーンは5回、ごく短いものですが、
ラストシーンにつながっていて、
人生の長い時間を通してストーリーが語られています。

白黒バラ

3. 映画の3つの魅力とプロポーズのヒント<ネタバレあり>

お待たせしました!

プロポーズのとき、花を渡すとしたら
どんなふうに渡しますか?
 

という質問でしたね。

(それなら、準備はもう万端だよ……。)
(いざ出陣!あとは、天命を待つだけ……。)

あーっ、ちょっと待って!
念のため、確認しておきませんか?
映画の中に、その法則(ヒント)があるのです!

もっと具体的いうと、
ロマンの宝庫のようなこの映画の
「3つの魅力」を押さえれば
未来が、人生が、変わるかもしれないのです!

そして、この映画には花が度々登場します。
その花については、
私、Callaの経験、知識からお伝えしていきます。
筆を進めるうち熱が入りすぎたようで、声が大です。

(そんなのいいから、早く教えてよ……。)

汗。では、映画の魅力を参考に、
プロポーズまでに準備しておくこと、
その法則を確認していきましょう!

オペラ座中

Check1: どのように会話を切り出しますか?
(ムードの演出の仕方)

<映画の魅力1>
~ストーリーを音楽で、セリフを美声で語る~
ストーリーが音楽で語られるだけに、
シーンの演出、描写がとても豊かで引き込まれます。
ロイド=ウェーバーは、せっかく映画化するのだからと、
舞台では制限あるオーケストラ人数をフルオーケストラにして
音の良さを追求したとのこと。
俳優の歌声も(カルロッタを除き)吹き替えなし。
舞台とは異なる映画だからこその細かいこだわりも。

<参考にしたいシーン>
プロポーズをする前のムード演出のための
会話の切り出し方について。 
二人の男性がクリスティーヌに接するときの
2つのシーンを、ぜひご参考に。

✦ラウル(クリスティーヌの幼なじみ)
⇒ナチュラルに登場、親近感から、寄り添うように
クリスティーヌの初主演の後、支配人に紹介を促されるも
「一人だけで会いたい」と言って花束を受け取り、
クリスティーヌの楽屋へ入っていく。
(二人は久しぶりに再会)
幼い頃の呼び名、昔を思い出す会話から自然に歩み寄る。
クリスティーヌは歌う
歌♪「音楽の天使が 頭の中で歌を歌ってくれる時」
意味不明に思えたであろうこの歌にも、
優しく寄り添って歌います。
そして、「今夜の君は天使だった」と、褒めてハグ!

✦ファントム(音楽の天使、クリスティーヌの師)
⇒憧れの存在として、魅惑的に、才能で導くように
初主演が終わってホッとするクリスティーヌを、
天使の声で導くように誘い出します。
そして、彼女の手を引きながら地下の隠れ家へ。
さっそうとマントを脱ぎ捨て、
魅惑的しぐさでロックな歌声を披露し、誘導します。
歌♪「The Music Of The Night」
詩的な言葉を歌にのせて……。
お前は 私のものになる
私を信じるのだ、夜の音楽の偉大なパワーの前に!

(Point1)
プロポーズのときの会話の切り出し方、
ムード演出の仕方を、相手にあわせてイメージしておく。
(でも……テクニックにならないように)

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Check2:プロポーズをどのように伝えますか?
(魅力(個性)の伝え方)

<映画の魅力2>
~ラウルとファントムの魅力、そして三角関係~
二人の男性がクリスティーヌを射止めるために奮闘。
そして「個性(魅力)」⇔「葛藤(嫉妬)」が交差する。
その表現は対照的でも、それぞれ魅力的です。

<参考にしたいシーン>
二人は自分の個性が輝く、絶好の場所で
自分にあった言葉で、その魅力を発揮しています。

ラウル(クリスティーヌの幼なじみ)
⇒誠実さ、勇敢さあるセリフと美声
美しく静寂な場所で

オペラ座の屋上で、夜空から粉雪が降る中、
歌いながら愛を交わします。
歌♪「All I Ask Of You」
⇒そのとき、隠れてそれを見ていたファントムは、
クリスティーヌが落とした1本の赤いバラを拾い、
一人悲しみに暮れながら歌い、嫉妬します。

ファントム(音楽の天使、クリスティーヌの師)
⇒魅惑的な歌声としぐさで圧倒
燃えさかる激情の舞台で

赤く燃えさかるような舞台に、ドンファン役として登場。
クリスティーヌとともに共演し、歌を掛けあいます。
歌♪「The Point Of No Return」
⇒ラウルは、その光景を前に(どうすることもできず)
動揺して動けなくなります。

そして、この2曲には、
同じメロディーラインが挿入されています。
でも、二人の歌は真逆です。

「たった一つの愛 たった一度の人生を~」
(ラウル)君を救い出したい その孤独から~
(ファントム)私の手を取り救い出しておくれ この孤独から~

(Point2)
自分の魅力(強み)だと思うところを
相手が喜ぶ形で表現できるようイメージしておく。
(ライバルに嫉妬されたら、その裏に自分の魅力が隠れてるかもしれない)

モンサンミシェル

Check3:どんな花を贈りますか?
(色選び、ファッションや場所との相性)

<映画の魅力3>
~舞台装飾や小道具の色彩、赤いバラのメッセージ~
オペラを観ているような大きなスケールの舞台、
装飾や衣装(色やデザイン)に圧倒されます。
オペラ座のシャンデリアはスワロフスキー社製の本物だそう。

<参考にしたいところ>
映画のシーンでも、ところどころに花が使われています。
とくに、ファントムがクリスティーヌに贈る
黒いリボンが結ばれた1輪の赤いバラ。
ファントムの心の光(才能)と闇、愛と狂気。
その二面性が、赤と黒で印象的に伝わってきます。

とくに花の色選びは、
イメージ(印象)を左右してしまうものなので、
一番に押さえておきたいです。

大切なポイントは3つあります。

①まずは、演出したいイメージを決める
花の色は、自分が伝えたいメッセージ、
演出したいイメージにあわせて選びます。
または、相手の好みにあわせて、ということもありますね。
もう色が決まっている場合も、具体的にイメージできます。
例えば、赤色なら……。
(船の上で)洒落たイメージに
(オープンテラス、ガーデンで)ナチュラルなイメージに
(行きつけのレストランで)可愛らしいイメージに
花の注文では⇒花束のイメージを伝えて☘

日本では、赤黒のイメージというと、花というよりは、お寺、
漆などの伝統工芸品のイメージがあるかもしれませんが、
ヨーロッパでは、結婚式の花でもよく見かける組み合わせ。
お洒落なイメージにも。

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※イギリスの花の先生より頂いた結婚式(英国)の装飾の写真。

②イメージにあわせた花の色味、色調にする
赤バラと言っても、色味、濃淡、形状などで、
それぞれ表情も違います。
とくに、トーン(色調)によってイメージが変わります。
青みよりの赤(すっきりとして、クールな印象に)
黄みよりの赤(温かく、朗らかな印象に)
他に、明るめで柔らかい、濃く鮮やかな……といった表現も。
花の注文では⇒①のイメージにあわせて
花の色味、トーン(色調)を具体的に伝えて☘

③色の相性のバランスを考える
小物(ラッピングや花瓶)、場所(インテリアなど)も、
花のイメージ①、色のトーン②、にあわせて選ぶと自然です。
例えば、濃く鮮やかな赤バラなら……。
そのイメージにあった艶っぽい洒落た花瓶を選ぶ。
それによって、相乗効果が高まり、印象的なデザインに。

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※花瓶:WAKO GLASEED(ワコー グラシード)のJewel Colors黒

一方で、赤は強い印象もあるため、バランスによっては、
奇抜で、派手な感じに見えてしまうことも。
そのインパクトを少し和らげるなら、柔らかい色をあわせる、
補色のグリーンをあわせるなど、色加減を整えます。

そして、花を持って、渡すことをイメージ。
ラッピングや場所とあわせて
ファッションとの相性も考えると、より自然な印象に。

例えば、赤バラなら……。
どんな服を着て、渡しますか?
なぜなら、その組み合わせによって、
相手に与える印象がまったく違うからです。

赤バラの鮮やかさにあわせて
光沢ある黒づくめのファッションにしたら?

ファントムのような赤黒ファッションはセクシーな印象。
映画や舞台でドキドキしたいときは素敵ですが、
状況によっては、威圧感も高まります。

もし、信頼感やリラックスした印象を与えたいなら……。
一つの例として
(ラッピング)
柔らかい色(例えばオフホワイト)で。
(場所)
リラックスできる緑に囲まれたガーデンで。
(ファッション)
シックで清潔感のある服装で。
~青みよりの赤バラには~
薄いグレー、ネイビー、チャコールグレー、白など。
~黄みよりの赤バラには~
薄いベージュ、ダーグブラウン、オフホワイトなど。

黒を着たい場合は、顔周りだけでも柔らかな印象を。
例えば、シャツや上着は白やオフホワイトなど
柔らかい色でまとめます。

(Point3)
花を選ぶときは、演出したいイメージや色を具体的に決める。
それにあわせて、当日の服装や渡す場所もイメージ。
それは、プロポーズが(相手にとって)
ステキな記憶として残るかどうかを左右するもの。

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4. もう1つの質問<ネタバレ>

この映画の魅力を、垣間見れたでしょうか。
3つのチェックとポイントを確認し終えたところで、
(プロポーズの)準備のほどは、いかがですか?
良い返事がいただけること、お祈りしています!

(答えは「Yes!」だって、もう決まってるから……。)
(その確率が高いから、プロポーズするんだよ……。)

汗。は、はい! そうですよね。
でも、物語はつづくのです。

相手の心の中には、口にしない秘めたものがある。
それは聞きたいけど、聞けない。
もしかしたら、知らずに素通りしているかもしれない、
そんなもの。
映画は語ります……。

★猫とバラ

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
バラの赤色、それが意味するものは
炎、血、生命力、エネルギー、情熱、愛……

二人の男性が繰り広げる愛のメッセージ
その「情熱」は、同じように赤く燃えていた
でも、その境遇、その運命は大きく異なるものでした

一方は、裕福で恵まれた環境で育ち
向こう見ずな勇敢さと自信をもっている
一方は、愛に飢えながら、闇の中で生きてきて
醜さを仮面で隠し、天賦の才能を皆に知らしめている

クリスティーヌは二人の男性に翻弄されながら
最後は、一人の男性を選ぶ
愛の表現が歪み、極端になってしまうファントムに
「あなたは孤独じゃない」と憐み、優しく慰める
最後は、婚約指輪を外し
それを、ファントムの手に握らせて、無言で去っていく
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

プロポーズは人生の一大イベント。
その結果がどうであろうと
それだけでは、分からないことも。
今だって、そう。

そして、
密かに、心の内側で問いかけられる。

あなたの人生の赤いバラは何ですか? 

それは、時を重ねるごとに、だんだんと、
風船のようにふくらんでいく。

★モノクロ赤バラ

5. まとめ<ネタバレ>

(映画のラストシーン)
年老いたラウルが、クリスティーヌのお墓の前で
落札したオルゴールを供える
すると、そこには、
指輪のついたあの赤バラが……

二人の男性の「愛」は、
年老いても、そこに生き続けていた

そして、優しく教えてくれる

たとえ、プロポーズが、実らなかったとしても
たとえ、運命が二人を遠ざけ、孤独になったとしても

あなたの赤いバラは
誇り高く、そして、美しく咲き続ける
その姿は、愛する人の心にも
一生、刻まれ続けることでしょう。と☘

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