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日記

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気の向くままに。ちょっと暗い時もある。
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見慣れない街

福岡に来た。妹の送り迎えついでに目的もなくただ車に乗っている。今は高速で街の上を走っていて、私はただ揺さぶられている。

私にとっての福岡は都会というイメージが強い。自分の住んでいる地域はド田舎もいいところだから、余計に福岡は都会だと思い込んでいる。実際、地方都市なんて言葉もあるくらいだからあながち間違いでは無いはず。多分。

妹の家の近くにはペイペイドームという大きな建物がある。ついさっきもその

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貢ぎ癖

私には貢ぎ癖がある。「多分」なんて言葉を濁していられないほどには自覚しているくらい。妹、両親、祖父母、友人、TwitterのFFさん。喜んでくれたら嬉しいので、毎回何かしらを送っている。

小さな時からの癖だった。自分が喜ぶものより他人が喜んでくれる方が嬉しいと気付いた辺りから、貢ぎ癖が付いたのだと思う。失敗はしたくないから事前に相手の欲しいものを把握しておいて、サプライズと称してプレゼントを送る

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もしもの話

毎回、ふとした拍子に考えることがある。「もしここで違う選択をしたらどうなるのか」。私がそれを選んだら。もしくは、選ばなかったら。ひとつの行動で全てが変わっていたかもしれないと考えるとちょっと怖くなる時がある。

昨日。いつも通りに迎えた通院日で、いつも通りの時間に家を出て、いつも通りの道順で病院に行った。唯一違ったのは病院が終わったあとのことで、お昼ご飯にどの店に行くかをその場では決めずに車に乗っ

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従兄弟のこと

私は従兄弟が好きだった。私と違って元気がありあまっていて、びっくりするくらい優しくて、お調子者な従兄弟に憧れすら抱いていた。それがどういう訳か、最近の従兄弟はあまり好きではなくなってしまった。

詳しくは知らないし知らされようともしない(その割に従兄弟のことで頼られることは多い)けど、どうやら従兄弟は何かしらの対人トラブルで気を病んでしまったらしい。『らしい』っていうのはあくまで憶測。母親や祖母が

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三時のおやつ

三時のおやつ

三時のおやつ…なんてタイトルには書いたものの。言うなれば朝の三時だし何なら4時半近くだから時間が擦ってもない…けど、三時のおやつを食べることにした。理由は簡単。今はとにかく暇だから。

こんな時間だってこともあって、リビングでは母親が爆睡中。父親も流石に眠っているらしく物音1つ聞こえない。音を出しているのは家族を起こさないようにとこそこそしている私だけで、忍び足すら大きく響くからまあ大変なこと。

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引きこもり

「引きこもりが降りてきたぞ!」

私が1階に行くと、85%くらいの確率で父親に言われる言葉。ついで母親からは「天の岩戸が開いたね!」と70%くらいの確率で。妹からは「久しぶりに顔を見た気がする」との言葉が45%程度。私はあまり部屋から出ない。だから、そう言われるのも仕方がない。

私が自室から出ない(1階に降りない)のには訳がある。私には聴覚過敏の症状があって、雑音が苦手だったりする。父親がよくY

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安上がり

久しぶりに冷凍の鶏つくね串を食べた。あまり食欲のなさそうな私の様子を見かねた母親が、「アンタはこれなら好きだし食べられるでしょ」とレンジで温めてくれた冷凍食品だった。

私は確かにそれが好きだった。高校の時、お弁当に鶏つくね串が入っているだけで勝ち誇ったような気分になっていたのを覚えている。手を汚さず、一口で食べることが出来て、美味しい。ワープロ部に入っていた私は、嫌味な副顧問の同調圧力によって大

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早い者勝ち

早い者勝ち

思いやりのつもりだった。冷蔵庫の扉を開けた時に目に入ってきた、二つの菓子パン。ひとつはまだ未開封で、もうひとつは乱雑に開けてほとんど食べられていた。

ほとんど同じだけど、ちょっとだけ違ったチョコホイップロール。昨日、「妹と二人で話し合って決めなさい」と母親から言われていたものだった。私は律儀に「わかった」と返事をした。でも、そのやり取りを見ていた父親からは「アイツどうせ勝手に食べ始めるから早い者

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