受験生に向けた学校見学に親子で参加した。

綺麗な校舎、充実した設備や部活動、優しそうな先生達…

ある教室の存在に気づいた僕は、ここなら絶対楽しい学校生活が送れると確信した。

「お母さん、本当にこの中学を受けてもいいの？」
「もちろんよ。秀しゅうちゃんの成績ならこの中学校に入った方が絶対いいわ。エスカレーター式で高校に上がれて有名大学の合格率も高い。ママはいつだって秀ちゃんのためを思って言ってるのよ」

母のその言葉に父は黙って頷くだけだった。

　この春、入学式を迎えた。式典を終え各々のクラスで担任の挨拶聞いて解散かと思いきや

「今から名前を申し上げる保護者方は理科室までいらして下さい」

と呼び止められた。もちろん僕の両親も

だから言ったのに…

きっと今から「貴方のためを思って～」発言を咎められるに違いない。

室内札には
「理科室 まがった思考を矯正する部屋」
と書かれていたのだから。

残された新たな仲間と、やれやれといった表情で苦笑いした。

　最近、よく取り上げられるようになった「あなたのためを思って～」という言葉。
思いやりのある言葉のようでありながら、実はある種の呪いの言葉でもあるんですよね…
その言葉に対する、叶姉妹さんのファビュラスな名言を参考にしてみました。

みなさんも誰かのためだけじゃなく、自分のために人生をエンジョイしましょう♪

　ちょいズル編もよかったらどうぞ～