Fly Dreamer

90年代、航空留学にて自家用航空機免許(固定翼)を取得。 ハワイ、グアムなどで完熟飛行…

Fly Dreamer

90年代、航空留学にて自家用航空機免許(固定翼)を取得。 ハワイ、グアムなどで完熟飛行を年間1~2回程度行っていた。 諸事情で2000年代以降飛行する機会はほとんどないが、毎日空を見上げるのは変わらない。 時折、羽田空港、周辺で写真撮影も行っている。

最近の記事

羽田空港地上衝突事故 浮かび上がった疑問点からの考察 総まとめ

前3つの記事で事故の疑問点について考察した。 交信記録と海保機の挙動の不一致、管制用語の誇大な曲解、存在を無視されている副操縦士などである。 それらから導かれる考察のまとめを本記事では行う。 最大の疑問点を考察した結論これまでの記事で、直接の原因を究明するために考察をして来た。 細かく探ればまだまだあろうが、最大の焦点はここであると筆者は考える。 「滑走路進入の許可が出ていた」と考えれば、考察した疑問は全て解決する。 この一点が全てであると言っても過言ではない。 この前

    • 羽田空港地上衝突事故 浮かび上がった疑問点からの考察③

      交信記録から視える疑問点として挙げた5項目のうち、今回は、《3》《4》《5》の密接に関係している3項目をまとめて考察する。 《3》90秒の空白 +《4》滑走路上に40秒 =《5》2分30秒の怪 最終的に「2分30秒の怪」と書いたが、管制塔と航空機間にこの程度の交信がない時間があっても不思議ではない。 過密な空港等では航空機が滑走路進入の許可がなかなか下りず、停止したまま10分単位で待たされるのは日常茶飯事である。 これは地上でも、着陸待ちでも同じである。 だが前二つの記事

      • 羽田空港地上衝突事故 浮かび上がった疑問点からの考察②

        交信記録から視える疑問点として挙げた5項目のうち、 今回は、《2》海保機の復唱と副操縦士 について考察する。 《2》海保機の復唱と副操縦士 本当に不思議と言うか不可解な事に、報道は「副操縦士」について皆無というくらいに言及していない。 ひとつ前の記事、「浮かび上がった疑問点からの考察①」で「No.1」と管制塔の指示について詳説した。 報道では「No.1」の取り違えが直接の原因であるとするのがメインである。 だが、これには大いに疑問がある。 これがどのように曲解なのかは筆

        • 羽田空港地上衝突事故 浮かび上がった疑問点からの考察①

          ひとつ前の記事で「交信記録から視える疑問点」整理した。 筆者が考える最大のポイントであり、真相の核心ではないだろうか。 ご興味があれば一読されたい。 交信記録から視える疑問点として、次の5項目を挙げた。 《1》管制塔から海保機への指示と「No.1」 《2》海保機の復唱と副操縦士 《3》90秒の空白 《4》滑走路上に40秒?  《5》2分30秒の怪  今回は《1》管制塔から海保機への指示と「No.1」を考察をしてみる。 《1》管制塔から海保機への指示と「No.1」 そも

        羽田空港地上衝突事故 浮かび上がった疑問点からの考察 総まとめ

          羽田空港地上衝突事故 最大の疑問点

          事故直後の報道から一貫して不可解な事がある。 ここが最大のポイントであり、真相であると筆者は考えている。 それは海保機と管制塔との交信記録のない空白の時間帯である。 だが管制塔との交信が"グランド"、"タワー"など複数ある事も一般には知られておらず、わかりにくい。 そこで前の記事で2024年1月2日のJAL機と海保機の交信記録を視覚化して整理し、疑問点や注釈を加筆した。ご興味があれば一読されたい。 出来るだけわかりやすくしたつもりではあるが、馴染みがない方々にはわかりにくい

          羽田空港地上衝突事故 最大の疑問点

          羽田空港地上衝突事故における交信記録を視覚化してみた②

          ひとつ前の記事で、2024年1月2日のJAL機と海保機の交信記録を視覚化して整理してみた。交信のアウトラインを掴んでいただければ、考察等の一助になると期待する。 さて、交信記録をパイロット視点でみると疑問点等が出て来る。 読者の方々も交信記録の整理は出来ても、補足がないとわかりにくい部分もあると思うので、補足や注釈を加筆し、疑問点なども加えた。 こちらを見ていただき、各々で検証、考察をしていただければ幸いである。 前記事と重複するが重要なポイントなので再掲載しておく。 ◆

          羽田空港地上衝突事故における交信記録を視覚化してみた②

          羽田空港地上衝突事故における交信記録を視覚化してみた

          2024年1月2日に発生したJAL機と海保機の交信記録が国土交通省から公開されている。 公開記録ではJAL機と海保機がメインに切り出されている。 だがこれだけを見れば、大きな誤解が生じると懸念する。 時系列に沿った交信記録の記載だけを見る時、一般の方々はどのようにイメージするだろうか。 推測になるが、一般の方々は「全ての航空機と管制は同じ交信を聴いている」と想像するだろう。 今回の事故では交信のミス・コミュニケーションがクローズアップされている。だが肝心のその点が曖昧なた

          羽田空港地上衝突事故における交信記録を視覚化してみた

          羽田空港地上衝突事故考察のための基礎知識④ Flight Radar 24

          ひとつ前の記事で「Live ATC」について取り上げた。 今回はもうひとつの有名なサービスである「Flight Radar 24」について書いてみる。 Flight Radar 24 https://www.flightradar24.com/ こちらは航空機をリアルタイムで追跡できるサービスである。 PCだけでなく、スマホやタブレットからでも利用出来る。 航空会社や空港のサイトにアクセスしなくても到着時間がわかるのでとても便利である。 筆者も家族や友人の迎えなどに重宝

          羽田空港地上衝突事故考察のための基礎知識④ Flight Radar 24

          羽田空港地上衝突事故考察のための基礎知識③ Live ATC

          航空機事故等が起こると話題に上るサービスがある。 一番有名なのは「Live ATC」と「Flight Radar 24」であろう。 航空ファンにはお馴染みのサービスである。 今回の様な事故が発生した際などは、多数の方々が情報求める。 だがこのようなサービスは多くの協力で成り立っており完璧ではない。 仕組みを良く理解せず、間違った情報が流布されている懸念があるので簡単に書いておく。 今回は「Live ATC」について取り上げる Live ATC https://www.li

          羽田空港地上衝突事故考察のための基礎知識③ Live ATC

          羽田空港地上衝突事故考察のための基礎知識② 管制用語

          管制用語の概要 管制で使用されるのは英語である。 英語ですが会話のような文体ではなく、基本的に単語の羅列だ。 凝縮された単語の並びの中に、きちんと整理された意味がある。 同じ単語でも交信している立場によって意味が変わる場合がある。 国や各空港によって若干の違いはあるが、ほとんどが共通である。 少なくとも管制官やパイロットが理解出来ない用語はない。 ナンバー1(#1)について 今回の事故において、交信に使用された「#1(ナンバー1)」が取り沙汰されている。 この交信記録

          羽田空港地上衝突事故考察のための基礎知識② 管制用語

          羽田空港地上衝突事故考察のための基礎知識① 航空機と管制

          今回の事故では管制官と航空機のミス・コミュニケーションがしきりに言われている。しかし報道等では航空機と管制(管制官)の関係性が曖昧であり、一般の方々にはわかりにくい。 ここが整理出来ていないと、今回の事故原因につながる大きな部分が本当の意味で理解できないであろう。 管制の役割 簡単に言うと、空域、離発着、空港内の航空機の交通整理である。 飛行している航空機はそれぞれの空域を管轄している管制塔にコンタクトして指示を受ける。 これは太平洋上や大西洋上などを飛行していても、管

          羽田空港地上衝突事故考察のための基礎知識① 航空機と管制

          はじめに 飛びたい ~ 航空留学と投稿のキッカケ

          自己紹介・航空留学 投稿をはじめるに当たり、自己紹介を少しだけしようと思います。 筆者は90年代に20代前半で航空留学にて自家用操縦士の免許を取得しました。幼少期から漠然と空を飛びたいと思っていましたが、自衛隊は当時の要件外でNG。 就職後にお金を貯めて日本国内の飛行専門学校に入学を申請し、許可されました。しかし入学金を収めるも、現場の教官から「あなたの年齢では就職させられないから辞退してくれ」と電話が来ました。 今であれば抗議しますが、当時はまだ若くショックで絶望し、言

          はじめに 飛びたい ~ 航空留学と投稿のキッカケ