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【採用活動】いい人財を見抜く基準づくりの重要ポイント

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
「採用の妥協」をする、つまり、「採用の失敗」のデメリットは、上減だけにとどまらないという話は、先日のnoteでご紹介しましたが、

 「採用の失敗」を避けるには、まずは自社の「採用基準」を正しく設定する必要があると、中小企業の採用コンサルのスペシャリスト・酒井利昌さんは言います。
 
そこで今回は、酒井さんの新刊『増補改訂版 いい人財が集まる会社の採用の思考法』の中から、「採用基準」を設定するうえでのポイントについて解説している該当箇所を全文公開します。


いい人財を見抜く基準

採用要件を盛り込みすぎない

 採用基準を下げてはいけませんが、必要な要件を盛り込みすぎるのもいけません。完璧な会社が存在しないのと同じで、完璧な人財は存在しないからです。
 たとえば、求める経験やスキルと年齢層がアンマッチなケースをよく見かけます。
 実際にコンサルティングした会社では、中途採用において転職回数が2回以上ある人は対象外にすることを要件に人材紹介会社に推薦を依頼していました。
 しかし、あるエリアでは一向に採用基準に合致した人財からの応募がない状況が続いていました。社長や採用チームメンバーと協議した結果、条件の緩和を決めました。転職回数をそれまでの1回から2回への緩和です。
 昨今、雇用の流動性が高まってきていること、やむを得ない事由による転職者も存在することを鑑みて、緩和したのです。
 同エリアの他社求人も調査しました。その結果、競合となりうる企業に給与面で劣っていることを把握しました。自社の魅力をどう伝えるか、それを改善させ続けることを前提に、給与待遇面でも見直しを図りました。
 その結果、長期間にわたり、採用ができず苦労していたエリアで、念願の採用が実現しました。「これまでの採用要件に固執していたら、採用できなかった人財ですね!」
 入社決定後に、うれしそうに採用チームメンバーに話す社長の顔を、私は忘れられません。
 その他にも、たとえば、以下の要件がすべて必須となっている場合は、本当に必須なのかを再考することを勧めます。
 
・自社で即戦力になる専門的な資格を所持していること
・同業種での就業経験があること
・プレゼンテーションスキルがあること
・論理的思考力があること
・性格が明るい、謙虚、忍耐強い
 
 など、これらはMUST(必須要件)とWANT(歓迎要件)に分けられないかを再考するといいでしょう。
 あまりにも多くの採用要件を盛り込みすぎると、応募が少なくなります。そうなると、少ない応募者のなかから選考せざるを得なくなります。
 では、「採用基準を下げない」と「採用要件を盛り込みすぎない」という一見矛盾するようなことを、どのように両立させればいいのでしょうか。
 ここでも、『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』が重要な示唆を与えてくれます。

どういう人が「適切な人材」なのかを判断するにあたって、飛躍を遂げた企
業は学歴や技能、専門知識、経験などより、性格を重視している。具体的な知識や技能が重要でないというわけではない。だが、これらは教育できるが(少なくとも学習できるが)、性格や労働観、基礎的な知能、目標達成の熱意、価値観はもっと根深いものだとみているのである。

出典:『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』

人財の素質を見抜く2つのポイント

 ポイントは2つです。
 
 ①先天的・後天的能力
 ②価値観

 
 次の項目から順番に解説していきます。

※続きは『増補改訂版 いい人財が集まる会社の採用の思考法』をご覧ください。

同書の「目次」をご覧になりたい方は、下記の記事をご覧ください。

【著者プロフィール】
酒井利昌(さかい・としまさ)
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ 取締役/採用コンサルタント。
1981年、愛知県みよし市生まれ。南山大学総合政策学部卒業。学習塾の教室長、人材会社の法人営業担当兼キャリアアドバイザーを経て、株式会社アタックス・セールス・アソシエイツに入社。アタックス入社後は、採用コンサルティング事業を立ち上げ、営業コンサルタントとの二刀流で、年間250回以上の現場支援、研修、セミナーに従事。採用コンサルタントとしては、超売り手市場のなか、これまで携わった会社すべてが短期間で採用目標達成を実現。支援してきた職種は、営業、SE、施工管理、警備員、建築・土木関連職、物流管理、製造現場職人、デザイナー、清掃、配送、機械メンテナンス、店舗接客、事務職など多岐に及ぶ。採用できない会社が自力で採用できる会社へと変わっていることから、これからも「強くて愛される会社を一社でも多く世に生み出す」「絶対達成する会社を一社でも増やす」ために、人財の採用から育成、戦力化までを一貫して担うコンサルタントとして、全国の会社に伴走し続けていく。
 
【監修者プロフィール】
坂本光司(さかもと・こうじ)
経営学者・元法政大学大学院教授・人を大切にする経営学会会長。徳島大学客員教授。
1947年静岡県生まれ。静岡文化芸術大学文化政策学部・同大学院教授、法政大学大学院政策創造研究科教授、法政大学大学院静岡サテライトキャンパス長等を歴任。他に、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞実行副委員等、国・県・市町村の公務も多数務める。専門は、中小企業経営論、地域経済論、地域産業論。これまでに8000社以上の企業等を訪問し、調査・アドバイスを行う。著書にベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)』(あさ出版)など多数。アタックスグループ顧問。

いかがでしたか?
 
新刊『増補改訂版 いい人財が集まる会社の採用の思考法』は、元本に比べて図表も倍増、特に第4章、第5章は、ほぼ今回の増補改訂版のための書き下ろし200ページ超の原稿が追加されています。
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