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【マネジメント】「チームの空気」を変える、3つの効能

こんにちは。
フォレスト出版の森上です。
 
チームの「場の空気」が結果やメンバーのモチベーションに大きく左右することは、リーダーの立場にある人はもちろん、所属するメンバーも実感した経験は一度や二度はあるのではないでしょうか。
 
あらためて、チームや組織の「場の空気」を変えると、具体的にどんな効能があるのか?
 
現場に入って、目標を絶対達成させる超人気コンサルタントとして知られる、アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長の横山信弘さんは、著書『「空気」で人を動かす』の中で、大きく3つの効能があると解説しています。今回は、その該当箇所を一部編集して公開します。

悪い空気は必ず浄化される。できなければチームはなくなる

 ここまでは、チームが実力以上の力を発揮するためには「場の空気」の重要性と、空気の中身や種類について解説してきました。
 この章では、いよいよ「良い空気」をチームでどのようにつくっていくかという実践編に入りたいと思います。
 その前に、1つお伝えしておきたいことがあります。
 それは、「悪い空気は必ず浄化される。できなければそのチームはなくなる」ということです。
 もともと「締まった空気」だったのに、いつの間にか「緩んだ空気」や「縛られた空気」に変化していきます。このようにできあがった「空気」をもう一度良くしようと行動することは、勇気もエネルギーもいることです。
 しかしながら、あなたが抱いた危機感に共感し、チームの「空気」を良くしたいと思っている賛同者は必ずいると受け止めてほしいと思います。
 つまり、火をつけられたら燃える「可燃人」です。今は誰かわからなくても、必ず現れると信じてください。
 何よりも、チームの「空気」が良くならなかったら、最悪の場合、「ほどけた空気」となり、モラル・ハザードの状態となってしまいます。できる人ほど、チームから離れ、「空気」の汚染度は深刻な状態を迎えます。いずれチームは消滅してしまいます。
 企業を例に考えるとわかりやすいでしょう。
 全員がバラバラで、誰の言うことも聞かず、後ろ向きで、歯車が噛み合わないチームから、お客様に本当に支持される商品やサービスが生まれるでしょうか。大いに疑問です。このようなことを続けていれば、利益は当然上がらず、会社は消滅してしまいます。
 なかには「うちは伝統のある大きな会社だから、そうやすやすと潰れたりなくなったりしない」と思う方もいるかもしれません。
 しかしながら、現代はネット上の書き込みにより、「表向きはいい顔をしているけれど、裏の顔はこうだ」という情報が瞬く間に広がる時代です。「裏の顔」は、長年かけて築いた伝統も会社規模も、一気に吹き飛ばすほどのインパクトがあるのです。
 ホテルのレストランメニュー偽装表示の問題、コンビニでのアルバイトの悪ふざけの問題、過酷労働で訴えられるブラック企業の問題……、数え上げればきりがありません。
 企業のような営利組織ではなく、趣味の会やスポーツチームなども同じでしょう。
「場の空気」が悪いままでは、やがて消滅してしまうはずです。
 消滅、消滅……と物騒なことを書きましたが、「悪い空気」は必ず浄化されると、この本の読者である皆さんには信じてもらいたいと思います。
 これは、人間の性善説にもつながる考え方です。「空気革命」には、多少の時間と労力が必要ですが、繰り返し繰り返し正しい対策をとれば、必ず浄化され、澄んだ空気へと戻っていくのです。
 科学的な根拠はありませんが、過去の経験則からして、空気の浄化には「8カ月」が必要だと私は考えています。空気革命の対策を行なっても、いつまで経っても期待した効果が上がらないと、途中で気持ちが萎えてしまいます。ですから「8カ月」を目安にしていただければいいでしょう。
 長い時間をかけて変化した空気を、また元に戻すわけですから、1週間や1カ月で変わるものではありません。

空気を変える、3つの効能

 ここで、「場の空気」を変えることの効能について3つ紹介します。

①最も持続性が高い

 チームが一時的に変わったところで、その変化が持続しないとまったく意味がありません。今日変わったからといって明日元通りになるのなら、むしろ時間のムダです。
「過剰承認」「金銭的報酬」はその代表例です。
 たとえ8カ月近くかかったとしても、いったん「場の空気」が引き締まれば、効果は長期間持続します。もしまた緩んできたとしても、簡単に締め直すことができます。

②最も効果が高い

 チームの目標を達成する、結果を出すことが「当たり前」「普通」になっていれば、当然チームのパフォーマンスは高くなります。私はいつもこのことを、講演やセミナーで「損失回避性」という行動経済学の用語を使って解説しています。
「損失回避性」とは、同じ価値があっても、利益よりも損失のほうが、心理的インパクトが強いことを証明した「プロスペクト理論」からきています。
「当たり前のことを当たり前にする」
 そういう空気があるチームは当然、結果を出します。当たり前のことができなくなるというケースを「損失」と受け止め、その損失を回避しようという思考が働くからです。
 この「損失回避性」はとても重要な概念です。本書の「おわりに」に、私の思いを書いていますので、ぜひご確認ください。

③最も再現性が高い

 誰がやっても、同じような効果がある。外部環境に左右されず、結果が安定するメソッドを、「再現性が高い」と言います。
 リーダーのカリスマ性や、昔なら通じたやり方は、再現性はきわめて低いものです。
 前述したとおり、日本人にとって「空気」は絶大な影響力があります。リーダーが誰であれ、その「場の空気」によって多くの人は価値判断します。したがって、最も再現性が高い方法と言えるでしょう。

いかがでしたか?

【NLP理論】【脳科学】【行動経済学】に基づいた、良い「空気」に変えるための究極メソッドをまとめた『「空気」で動かす』(横山信弘・著)は、おかげさまで、長きにわたり多くのビジネスパーソンに支持され続けているロングセラー作品となっています。一人でも部下を持つリーダーにとってマネジメントのヒントが満載の1冊です。興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。

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