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【スモールビジネス】「1人ビジネス」は、「専門性」が期待されている

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
スモールビジネスにおいて「専門性」が最強の武器になることは、起業の経験や知識がある方はご存じの方も多いかもしれません。
 
では、なぜ専門性が武器になるのでしょう?
 
それは、業界大手にはないからです。というか、業界大手には専門性が求められているわけではないと言えるかもしれません。わざわざ大手ではなくスモールビジネス側にお客様が行く理由は、専門性を求めているからです。だから、価格も高めに設定できるし、お客様の満足度も上げられるわけです。
 
「そんなことはわかってるよ」という方、もう少し待ってください。
 
わかっているはずなのに、ついつい大手がやっている同じようなことを取り入れたミックス型で失敗しているスモールビジネスの事例があると、自身で複数のジム経営をしながら、スモールビジネス専門集客コンサルタントとしても人気を博している日野原大輔さんは言います。
 
日野原さんは、新刊『神・リピート集客術』の中で、専門性がスモールビジネスにとって武器になる理由と、その専門性をリピートにつなげる方法について詳しく解説しています。そこで今回は、同書の中から該当箇所を全文公開します。

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専門性がスモールビジネスの最強の武器

 商品、サービスの効果については、お客さまから語っていただくのが大切な一方で、売り手側から伝えないと、商品やサービスの良さが届かず、効果も得られずにラポールが下がってしまう領域があります。
 それが、専門的な知識です。
 特に、スモールビジネスには、専門性が期待されています。
 専門性とは、その人にしかできないこと、その人だからつくれるものと言い換えてもいいでしょう。専門性を追求すれば、価値も上がりますが料金も高くなります。それでもお客さまのニーズがあり、リピートすることでどんどん満足度や達成感が上がっていくものです。
 商品ジャンルはレッドオーシャンでも、その人の手を通すことで既存のイメージを覆し、お客さまにオリジナル感、ワクワク感を抱かせるからこそ心を動かされ、〝何度でも〞足を運びたくなるのです。
 言葉を換えれば、これからの時代は「わざわざ行く価値がある」お店だけが生き残っていくのかもしれません。買い物離れが進む昨今、集客や売上に苦しむお店がある一方で、そうした専門性を武器に成長することができます。
 ちょっとまわりを見渡すだけでも、カレー専門店、餃子専門店、黒毛和牛専門の焼肉店、チーズケーキ専門店、ヘアカラー専門店、ネイル専門店、お直し専門店など、商品点数を絞った分、専門的なこだわりを深め、いいものを知っているお客さまが訪れる小さなお店がたくさんあります。
 逆に、専門性が必要ないのは、大きな施設で受けられるサービスや、安く大量に出回る商品など。トレーニング業界でわかりやすいのは、24時間ジムがそれに当たります。パーソナルトレーニングスタジオとは違って、設備さえあれば無人で運営できますし、使用料も格安です。
 大きなコインランドリーなどもそうかもしれません。クリーニング店に出したときのように気になるシミは取れなくても、〝洗う〞ことに関しては、安価な料金設定で布団の丸洗いも可能です。
 よくありがちなのは、そうした大手がやっていることをミックスしてしまうお店です。
 たとえば、ファミリーレストランなら数十種類のメニューから選べるのがメリットですが、スモールビジネスでそれをやってしまうと、チェーン店では味わえないこだわりやクオリティが見えづらくなり、お客さまは何を選んでいいのかわからなくなります。
 特徴のない小さいお店が選ばれるのは難しいとわかっているので、私自身はカテゴリーを分け、ヨガスタジオ、ピラティスのパーソナルトレーニングスタジオ、パーソナルトレーニングスタジオと、3つのスタジオをつくり、それぞれの専門性をしっかり押し出して集客しています。
 そして、人材にお金と時間をたっぷりかけ、特に1人のお客さまに対して専任のトレーナーをあてがう1対1のトレーニングでは、トレーナーを独占できることを条件に高単価にしています。

専門性をリピートにつなげる方法

 ここで大事なのは、この専門性を、お客さまをつなぎとめるためにどう活用するかということです。
 たとえば、パーソナルトレーニングのなかに加圧トレーニングというメニューがありますが、私のスタジオでは、体験で最初に来店されたとき、このトレーニングのメカニズムや効果を必ずお伝えしています。
 お客さまはフィットネスの重要性は知っていますが、なぜ加圧トレーニングで腕にベルトを巻くのか、理由はよくわかっていません。なかには、血圧を計るときのように、血液を止めて行なうトレーニングだという誤った認識を持っている方もいます。正確には、血流を制限していくトレーニングです。
 ところが、このことをちゃんと伝えないスタジオのほうが圧倒的に多いのです。
 専門性と言うと、上から目線のうんちくや解説と思われるかもしれませんが、自分たちにとって当たり前のことを当たり前に伝えることが、効果を実感する上で極めて大事なのです。
 反対に、専門的な知識を伝えていないとしたら、問題はお店側が「当たり前」の重要性を理解していないことです。つまり、お客さまの視点で商品が見えていないのです。よく「自分(専門家)の常識は、他人(一般人)の非常識」と言いますが、お店の「誰でもこの程度のことは認識しているだろう」という考え方は思い込みにすぎません。
 先ほどの加圧トレーニングで言えば、お客さまが「血液を止めて行なうトレーニング」だと思っていたとすれば、「危険なトレーニングかもしれない」と不安を感じているはずです。でも、「血流を適切にコントロールした状態でトレーニングすることで、安全に効率良く筋力アップが図れますので、安心してくださいね」と最初に説明すれば、不安のほとんどは解消できるでしょう。
 また、そんな説明がホームページやお店の前の看板に書かれていれば、たったそれだけで、「どうしようかな……」と迷って二の足を踏んでいたお客さまが、安心して扉を開けるかもしれません。
 このようにお客さま目線で行動し、お店にとっての当たり前を伝えるだけでボンディングしやすくなり、顧客の数が増えることをぜひ覚えていてください。
 専門的な情報を提供するというのは、あたかもマウントをとるようですが、あくまでコミュニケーションの1つとして活用することが大切であると、最後に付け加えたいと思います。

【著者プロフィール】
日野原大輔(ひのはら・だいすけ)
ジム経営者。スモールビジネス専門集客コンサルタント。
1976年、福井県出身。サラリーマンの養父、専業主婦の養母に育てられる。活発な幼少期を過ごし、小学生時代は生徒会役員、サッカー部の副キャプテンを務める。中学、高校時代、野球部の活動に励む。千葉商科大学に進学し、演劇部の活動に励む。卒業後も演劇を続け、映画(藤原竜也の映画)に出演。当時先輩に「役者で大成したかったら肉体を鍛えろ」と言われ、スポーツクラブでアルバイトを始める。すると、売れっ子のパーソナルトレーナーとなり、個人売上は平均月80万円以上、営業成績は120店舗中で全国3位内を8年キープ、店舗売上No.1を8年キープした。26歳のとき、役者よりもトレーナーとして一流になる道を選択する。2009年、独立し「加圧スタジオLib」を開設。「お客さまを喜ばせる日本一のスペシャリストになりたい」という理由で、20種の資格を取得。2019年、東京都台東区にヨガスタジオMAKOTOを開設。2021年、同区に「ピラティススタジオFeel Body」を開設。また、ジム運営をする中で編み出した「ボンディング接客術」を軸に、パーソナルトレーナーやフィトネスインストラクターそしてスモールビジネスオーナーに向けた経営セミナーを実施している。人生のミッション「Life is beautiful 出会った人々の人生を少しでも美しくする」を基に「お客さまと一緒に感動する人材」を一人でも多くすることを目標に活動をしている。

いかがでしたか?

「新規客の獲得」コストは、「リピート客の確保」コストの5倍かかるといわれています。スモールビジネスの経営を安定させるのに必要なのは、100人の新規顧客より1人100回の予約――。
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