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まだまだ改善の余地がある『出前館』の顧客対応

(このNOTEは4分で読めます。約4,200文字)
『で、で、出前館~♪ 出前がスイスイスイ~♪』というCMを最近よく見ます。皆さんは『出前館』を利用したことはありますか?

私は、半額WEEKなどのキャンペーンが打ち出されているときによく利用します。ちょうど今日、家の近くの大手ハンバーガーチェーン店が半額セールをやっていたのでお昼ご飯として注文をしました。

しかし、結局店舗側の理由で注文はキャンセルに。。。
対応にも不満が残るものでした。

このNOTEでは、『出前館』を利用した際の出来事から顧客対応について考えます。その大手ハンバーガーチェーン店や『出前館』を非難したいわけではありません。その出来事から勝手に原因を想像し、仕組みとしてどうしたらもっと良くなるかを勝手に想像させていただくNOTEです。

ぜひ最後まで読んでみてください。

✅1、今日の出来事。一連の流れ。

1ー1、正午前にハンバーガーを注文

まずは、今日の出来事についてざっくり記載します。

2021年12月18日11:41にハンバーガーのセットを2つ注文しました。
その時の予想到着時間は45-60分とアプリ上に表示されており、お届け予定時間は12:34となっていました。

1ー2、キャンセルしたいのにできない

しかし、お届け予定時間の12:34になっても商品は届きませんでした。
アプリ上で確認してみると『ドライバーが商品を受け取りに向かっています』のままステイタスはずっと変わりませんでした。

『さすがにキャンセルをしたいな』と思い、FAQを見てみると下記のように記載されていました。

『Q.注文をキャンセルしたい』
『A.受け付け完了後は、お客様都合による注文のキャンセルはできません。』
と記載がありました。どうやらユーザーからキャンセル処理をすることはできないようです。

『Q.商品が届かない』については、カスタマーサポートの電話番号が記載されていたので電話をしてみました。

『ただいま電話が大変つながりにくくなっております。時間がたってからおかけ直しください。』と機械音のオペレーターの声が聞こえました。

店舗にも電話をしてみたのですが、つながりませんでした。
電話も取れないぐらい忙しいからこそ、時間通りに商品が届けられない状況だということが想像できました。

1ー3、ドライバーの方からの電話

とはいえ、こちらもハンバーガーをあきらめて別のお昼ご飯に切り替えたいので早々にキャンセルしたい気持ちでした。『どうしたらよいか』と悩んでいると12:46に配達担当ドライバーの方から電話がありました。

『店舗が相当混雑しているようで、まだ商品が受け取れておりません。別のドライバーも待ちぼうけをくらっており1時間ほど待たされているようです。』とのことでした。

『おそらく、待っていても何時間か待たされる可能性が高いのでこちらから店舗にキャンセルを入れておきましょうか?』と提案いただいたので『お願いします』と答えました。

気を取り直し外食に切り替えてご飯を食べに行きました。
ただ、注文をキャンセルできているか気になり、アプリを見てみるとまだ『配達中』と表示されていました。

心配になり、先ほど電話をくれたドライバーの方に電話をしました。
『店舗でキャンセル処理ができた。』とのことでした。
『アプリ上ではまだ『配達中』なんだけど本当にキャンセルできているのかなぁ』『クレジットカード決済にしていたが、ちゃんとキャンセルされているのか分からないなぁ』と不安な気持ちでいっぱいでした。

1ー4、アプリ上では今も『配達中』のまま

『注文のキャンセルメールなどが来ているのか』と思い、登録メールアドレスを確認したのですが、キャンセル通知メールはありませんでした。

夜になり、さすがにもうカスタマーサポートへ電話がつながるだろうと思い電話をしました。カスタマーサポートへの電話がつながり、決済処理はキャンセルできているか確認したところ、注文のキャンセルされたため、クレジットカードへの請求は発生しないとのことでした。

『アプリ上の配達表示も時間がたてば消える』とのことでした。

これが『出前館』での一連の流れです。

✅2、今後の改善案を勝手に想像

正直、最初は『イラっ』としました。
しかし、『せっかくの土曜日のお昼に1,500円の損失で気分をマイナスにするのはもったいない』という思いもあったので、『必要経費だった』と割り切り、気持ちを切り替えました。

ただ、せっかくの出来事なので勝手に原因分析と対策を考えさせてください。

2-1、オーダーストップの基準

私が注文した1時間後には『ネット受付時間外』とその店舗は表示されていました。どうやら新規注文を取っても対応しきれないという判断からネット注文を停止したようです。

レビューを見てみると、本日書き込まれたレビューには『商品が届かなかった』という書き込みがありました。私以外にも商品を受け取ることができなかったユーザーがいたようです。

『もっと早く注文を停止していれば、『商品が届かない』と不満に思う人が少なかっただろう』ということは容易に考えられます。

では、どのような基準で誰だったら注文停止の決断をすることができたのでしょうか。機械的な基準を設けてそれを超えたらネット注文をストップするというルールを作り、個々人への判断依存から脱却しなければ、こういった事象は繰り返されると思います。

大手ハンバーガーチェーン店であるため、おそらく、オペレーションを実行しているのはアルバイトです。アルバイトの人に注文停止の決定を強いるのは少し責任が重いと思います。

飲食店はオーダーを受けて売上を増やしてなんぼであるため、オーダーをストップするという決断には心理的ハードルが高くなります。ともすると上の役職から詰められる可能性があることです。

こういったことは、個々人に基準を委ねるよりも機械的なルールを設けてその基準に従う方が効率的です。

例えば、『店舗の席占有率が80%以上になっており、ネット注文が○○件を上回った場合は、ネット注文の残処理件数が××件以下になるまで新規注文を受け付けない。』など。

このようにすることによって、判断の品質を一定水準に保つことができフィードバックしやすくなります。また、基準を一律に統一することによって、オペレーション実施者の判断ストレスを軽減します。

『自分でどうしたらいいか考えてやってね』と言われるよりも『○○だったら××して』と言われた方が楽ですよね。

2ー2、店舗と『出前館』の責任分界点

注文の際、会員ランクごとに配布される割引クーポンを利用して注文しました。

注文がキャンセルされた場合、そのクーポンは利用されたことになるのか、また、利用されたことになるならその後の返金等の対応はどうなるのかカスタマーサポートに伺いました。

『店舗側の責任となりますので、店舗へご確認ください。』と回答をいただきました。

『出前館』では、店舗側が回っていないことなどが原因で商品が届かない場合は『店舗側の責任になるので、店舗へご確認ください。』とユーザーに説明をしているようです。

『出前館』はプラットフォームなので、店舗側の問題は店舗側の責任範囲、という理屈は理解できます。ただ、ユーザー側の立場でどう見えているかを考えてほしいなと思いました。

ユーザーがフロントで接しているのは『出前館』です。そのフロントが『自分たちの責任ではありません。』と説明されても理解はできますが、納得はし難いものです。

ここはAmazonの対応を見習ってほしいなと思います。
Amazonでは、注文している商品が届かなかった場合は、店舗側の不備であっても同じ商品を無償で再度届けます。

理屈で行くと『出前館』と同様に『店舗側の責任なので店舗側へ連絡をお願いします。』と言ってもいいのですが、それをしても顧客満足度が下がるだけということをAmazonは理解しているのです。再配達の費用の方が安いと判断しています。

『出前館』と店舗の責任分界点は、『出前館』の営業の方と店舗責任者で話す分にはいいと思いますが、ユーザー側へは見せない方がいいと思いました。

2ー3、キャンセル連絡ぐらいすぐに送付した方がいい

カスタマーサポートに連絡したところ、システム上では注文はちゃんとキャンセルされているとのことでした。

システム上キャンセルしていることをデータとして保持しているのであれば、店舗側でのキャンセルをトリガーとして、キャンセル通知を顧客に送信することはできますし、アプリ上のステイタス更新はできるはずです。

2ー4、カスタマーサポートはフリーダイヤル

カスタマーサポートに連絡をしようと考えるときは、基本的にサービスに対して不満を持っている時です。そして、企業側が悪いと考えていることが多いです。

小さなことですが、『お前たちが悪いのに何で高い電話代を支払うがこっちなんだよ』と思う人もいます。

大手保険会社の大半はそれを理解しているため、カスタマーサポートへの電話はフリーダイヤルです。

✅3、報復は怖い

私は、今回のNOTEのように、不満交じりの現状分析を書くのみですが、この出来事から、悪質なレビューを書くなどのある種報復措置を講じる方も一定数いると思います。

そうした方の報復は本当に怖いです。
行動経済学では、こういったサービス不満に関する実験はすでに実施されており、謝罪の力が非常に大きいということも分かっています。

店舗側原因で注文キャンセルが発生した場合は、自動的に後日謝罪メールと数百円のクーポンを付けるだけでも離反率は下げられると思います。

興味がありましたら行動経済学の第一人者ダン・アリエリーの『不合理だからうまくいく』の『第5章 報復が正当化されるとき なぜ私たちは正義を求めるのか』を読んでみてください。

✅4、まとめ

今日の出来事で『出前館』は、店舗側の原因でのトラブルなどのイレギュラー対応が弱いと感じました。
個人的には、外資のUber Eatsよりも日系企業に頑張ってほしいという思いから『出前館』を使うようにしていました。

が、顧客サポートのフローやアプリにはまだまだ改善の余地があると思いました。CMなどの広告宣伝費にコストをかけるのもいいと思いますが、サービス品質向上にもっとコストをかけなければユーザーの離反は避けられないでしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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