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小説「真夜中に目が覚めた」

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「真夜中に目が覚めた」で始まる、結婚とは、夫婦とは、家族とは、幸せとはを綴った短編連作。
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#子供

【第一夜】決め手

 真夜中に目が覚めた。

 喉が少し渇いていた。サイドテーブルの上に置いたまま、フタを閉めていなかったペットボトルのお茶を一口、口に含みフタを閉める。

 足元の誘導灯を頼りにトイレに向かった。用を足しまたベッドに戻ると、ふとんを自分の身体にこれでもかと巻き付け、浴衣を腹の上までめくり上げて眠っている洋二がいた。

 ああ、そうだ。私は洋二と寝たんだ。洋二は会社の同期だった。一週間前、

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【第三夜】ごちそうさま

【第三夜】ごちそうさま

 真夜中に目が覚めた。

 枕元の時計を見ると午前2時。ここ数週間、毎日夜泣きが続いている。そして先に目が覚めるのは必ず自分の方だった。隣で寝ている結花理は相変わらず起きる気配がない。

 仕方なくベッドから這い出しベビーベッドに向かう。泣いている娘を抱き上げてあやす。もちろんすぐに泣き止む気配はない。

 ベビーベッドにはもう一人スヤスヤ眠っている娘がいる。2人同時に泣かれたら埒があ

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【第五夜】満ちる

【第五夜】満ちる

 真夜中に目が覚めた。

 忠幸と離婚してから……毎晩のように暗闇で目が覚める。寝つきも悪いし、夢見も悪い。とにかく朝までぐっすり眠れたためしがない。

 もう一年は経つと言うのに、私はまだ、心も体も立ち止まったままだ。

 何か新しいことでも始めて気分転換でもしてみようかと、スクール雑誌に目を通してみても、活字は目の前を素通りしていくばかり。

 結局、雑誌を閉じ、目を閉じて……

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