ブロック形成時のサイドにおける効果的な守備③
22/23 プレミアリーグ
第 8 節
トッテナム vs レスター
今回は、先日行われたプレミアリーグ第8節のトッテナムvsレスターより、トッテナムから見られたブロック守備時におけるサイドの効果的な守備の方法について紹介します。
【スターティングメンバー】
トッテナム
レスター
結果:トッテナム 6 - 2 レスター
トッテナムの
自陣でのブロック守備
① 陣形
この試合トッテナムは自陣でのブロック守備時、下図のようにコンパクトな「5-4-1」あるいは「5-4」のブロックを形成していた。
ここで、ブロックの縦幅(DFとMFのライン間)は約5~10mであり、横幅(DFライン)はペナルティエリアの幅ほどでコンパクトに設定されていた。
② 基準点
守備の基準点は、ボールと味方の位置に置き、ラインの位置関係を崩すことのなく一体的に動きゾーンで守備を行っていた。
MFラインを一例とすると、CMFのホイビュアー / ベンタンクール、WGのリシャルリソン / クルゼフスキが下図のように各々のゾーンにおいてボールボルダーへ寄せていることが分かる(ブロック内へのパスコースを消すように)。
③ サイド
ここから本題であるサイドのエリアでの守備に入る。
トッテナムは、サイドのエリアでは必ず1枚がボールホルダーへ寄せ、敵のサイドからの突破を防いでいた。
具体的な方法としては、WBのセセニョン / ペリシッチが、予め大外に位置する敵ウイングをマークしていた。このプレーにより、サイド大外に張る敵にはボールが配給されず(仮に配球されたとしてもすぐに寄せることができる)、ボールが後方に下げられサイドからの前進を防ぐことが可能となっていた。
【左サイド】
【右サイド】
また、大外へボールが出ると、セセニョン / ペリシッチは、DFラインを飛び出してボールホルダーに対して縦方向を消すようにアプローチしていた。このプレーにより、サイド大外において敵の縦方向への突破を防ぐことができていた。
また、サイドのCBであるラングレ / D・サンチェスは、敵にサイド大外から内側へ侵入されたとしても対処できる位置にポジショニングしていた。
【左サイド】
【右サイド】
以上、自陣でのブロック守備時におけるサイドのエリアでの最も重要なプレーの原則は、「ボールホルダーに対して必ず1枚が寄せる」ことです。
トッテナムでは、①WBが予めサイド大外に立つ敵をマークする、②サイドへボールが出た際は、WBが縦方向から寄せる、ことにより、トッテナムはレスターのサイド攻撃を防ぐことができていました。特に、サイドにスピードとドリブルによる縦への推進力のある敵がいる場合には有効な守備と言えるでしょう。
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