見出し画像

けちんぼ

日常的な光景。
 
スーパーの野菜売り場。
 
綺麗きれい陳列ちんんれつされたあざやかな野菜。
ドイツ村のガーデニングのよう…。
 
以前より割高わりだかになった野菜を、
吟味ぎんみしながらカゴに入れる。
 
そしてある場所で立ち止まる。
 
キャベツ
 
ひとり暮らしというのもあるが、
過去にさかのぼっても、
キャベツを丸ごと1個買った記憶がない。
 
そして相変わらず、
私の基準価格よりお高い。
 
キャベツとにらめっこしてると、
スーッと買い物客が横に来て、
キャベツを選び出す。
 
転がしたり…
ひっくり返したり。
 
そしてお気に入りを見つけると、
バリバリと外葉がいようがし始める。
 
丸くなるまで剥ぎ取ると、
カゴに入れて違う野菜へ。
 
横のダンボールには剥ぎ取られた外葉が、
重なり合って山積やまづみに。
 
(これは、この後どうなるんだろ?
 お惣菜そうざいになったりするのかな?
 それともやっぱり捨てられてしまう?
 いやいや動物のエサにもなるよね?)
 
そんなことを妄想する。
 
「すいません。この外葉、
 ひと山おいくらですか?」
 
とは言えない私。
 
どこかの図書館で見た、
しあわせになったけちんぼばあさん
という絵本をキャベツを前にして思い出してる。
 
 

この記事が参加している募集

推薦図書

人生を変えた一冊

SDGsへの向き合い方

お疲れ様でした。