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言葉はさんかく こころは四角

小さい男の子が絵を描いている。
 
ママがその様子を見に来る。
 
「まーくん。
 何描いてるの?」
「まーくん、
 パパママまーくん、かいてるの」
 
「家族みんな描いてくれてるの?
 パパとママの間にまーくんがいて、
 手をつないでいる絵、上手!
 パパの髪ボサボサなのもいいねぇ。
 あれ?まーくん!
 いつの間に、
 文字書けるようになったの?!」
「んとね、えほん絵本にかいてた」
 
「真似したの?!
 凄い!まーくん!」
「ママ、まーくんすごい?」
 
「凄い凄い!
 まだ習ってないのに、
 書けるなんて凄いよ!
 あれ?この文字は何で、
 三角形かこまれてるの?」
さんかくはね~
 ことば
だから」
 
「言葉?」
「パパのうたであったの。
 ことばは、さんかくだって」
 
「言葉は三角?…
 あ~パパが好きなくるりの歌ね」
「グルグル~くるり~♪」
 
「じゃあ、このまーくんの胸の四角は、
 なのかな?」
「そう。こころだから、
 ハートをしかくで、かこんだの」
 
「素敵な絵だね。
 でもどうして、
 この絵のまーくん泣いてるの?
なみだマルなの。
 なみだはおそらにとんでいって、
 あめになって、
 おはなのえいようになるんだって。
 パパがいってた」
 
「そうなんだあ。
 それを絵に描いたのね。
 でもまーくん最近、泣かないのに、
 絵にするなんて珍しいね」
「ないてないけど、なきそうだったの。
 このあいだ、
 パパとママと、
 いちにちいっしょで、
 たのしかったから

 
「……
 うれし泣き…なのね…
 だから…
 スキって文字が…
 ……
 ステキな絵…」


 このお話はフィクションです。
実在の人物・団体・商品とは一切関係ありません。

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