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都会の自然を発掘せよ

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記事一覧

都会の自然を発掘せよ〜近所の大冒険 2023〜

都会の自然を発掘せよ〜近所の大冒険 2023〜

日本の首都東京。
世間的?にどれだけ話題になったのか不明だが、釣り人的に2023年で最もド肝を抜かれたニュースがある。
ある若者が、国内生存率0.1%(!)と囁かれる超が100個くらいつく”幻の魚コクレン"を釣ったのだ。Yahooニュースに取り上げられなかったのが不思議なくらいだ。
日本の首都が育むポテンシャルを思い知らされた。

中国四大家魚制覇。
かつて私も齧った冒険。ご無沙汰にしているうちに

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都会の自然を発掘せよ〜壊したら直して守る〜

都会の自然を発掘せよ〜壊したら直して守る〜

私としては珍しく。
11月の事だが、東京私学教育研究所の理科教員研修に参加してきた。

研修テーマは《人間が再生した海浜に棲む生き物と環境》。
要は自然の海浜(干潟)と人工の海浜を比較して、自然再生の可能性を探ろうというものだ。
奇しくも、昨年から担当学年で取り組んだ総合探究のテーマ《都会の自然は豊かといえるか?》に通じるものを感じて即参加を決めた。

研修は干潟や東京湾の保全を専門にされる大学関

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都会の自然を発掘せよ〜カワムツからのドブガイ〜

都会の自然を発掘せよ〜カワムツからのドブガイ〜

私的カワムツ回想

大学時代を過ごした高知県。
国道を挟んだ向かい側には鏡川という川が流れていた。
初めて一人暮らし。初めての街。
ワクワクしながら渓流っぽい支流で釣ったのがカワムツという魚だった。ここら辺の記憶が曖昧なのだが、おそらく、カワムツを釣ったのがこの時が初めてだった。

 カワムツNipponocypris temminckiiは日本の在来種。ただし、西日本地域の自然分布となる。だから

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都会の自然を発掘せよ〜とうとうサメに手を出した #1〜

都会の自然を発掘せよ〜とうとうサメに手を出した #1〜

 ついにサメを釣った!
 いきなり理科を無視した、魚釣りだけの物語を綴ってしまうのは、満を持して2年越しの”ドチザメクエスト”がようやく達成されたからである。
 物語は「釣れるよ」と言われる釣り場で、なぜか釣れずに冷凍アジを投げ続けた記録でもある。しかし、結果として色々なでっかい魚を釣ってしまうという楽しき珍釣行だった…と釣れたらなんとでも言える。

伊豆大島でサメを釣ろうとした サメ釣りのきっか

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都会の自然を発掘せよ〜とうとうサメに手を出した #2〜

都会の自然を発掘せよ〜とうとうサメに手を出した #2〜

 これは、「サメを釣りたいっ」という欲求に耐えきれず、東京湾のベイシャークことドチザメに挑んだ物語の続編です。
 1年目を空振りに終えた私は「今年こそ」とややムキになりつつも、2年目を迎えたのだが…。
#1はこちらからどうぞ

東扇島西公園にやってきた  2022年もサメの季節到来。
 私は今年の釣り場に東扇島西公園を選んだ。
 ここはサメ釣り大会の会場にもなる場所である。しかし、釣行を重ねて

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都会の自然を発掘せよ〜とうとうサメに手を出した #3〜

都会の自然を発掘せよ〜とうとうサメに手を出した #3〜

 伊豆大島でサメを釣りたいと思って空振り。
 東京湾のドチザメが割と簡単に釣れそうなので手を出したら苦戦中。
 ドチザメを探してお台場、ふれーゆ裏、東扇島と渡り歩き、狙い定めたのは東京湾で有名な大きな橋の下。 #3は 「ついに最終決戦だ!」ということになる。

これまでの奮闘記はこちらの記事で。

大きな橋の下で 東扇島からの場所移動の意思を固めはしたものの、次の場所は自分で見つけるしかない。一見、

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都会の自然を発掘せよ〜多摩川に遡上する極太マルタウグイ〜

都会の自然を発掘せよ〜多摩川に遡上する極太マルタウグイ〜

 早春の多摩川にウェーダーを履いて入水。
 もちろん魚釣りが目的である。狙いはマルタウグイ。この魚が春の訪れをこの川に告げる。

 気が早いかもしれないが、今年も春が待ち遠しい。そんな気持ちを堪えきれずに、昨春の釣行を綴ることにした。

マルタとは”デッカい”ウグイ マルタウグイとは普段は河口域に生息するコイ科の魚だ。身体に伸びる一本の朱線が特徴であり、普通のウグイより大型になる。おおよそのアベレ

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都会の自然を発掘せよ〜里川に育まれるナマズ〜

都会の自然を発掘せよ〜里川に育まれるナマズ〜

それは見慣れた光景だったはず 水面をのぞけば黒いコイたちがほっつき泳ぐ。整備された町並みを流れるのは都内の里川だ。我が家の前を流れる川もその例外ではない。
 しかし、その日は何かが違っていた。いつものささ濁りの水は澄んでいた。しかも無風。普段は見えない砂地の川底ではカマツカが餌をついばむ。
 あれ。何となく気分が上がる。
 そうなると、視線は自ずと水中に向いた。ふと視線の先は岸際の石積みに吸い込ま

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都会の自然を発掘せよ〜フィリピンセブシティ編〜

都会の自然を発掘せよ〜フィリピンセブシティ編〜

 生まれて初めてフィリピンに行ってきた。場所はリゾートで有名なセブ島。だが、私の行き先はリゾートとは全く関係ないセブシティ。そこは海辺には砂浜ではなくスラム街が広がる。発展途上国らしい街である。
 さて、今回は生徒の語学研修先の視察が目的である。とはいえ常に「もしかして」を期待する私は、当然のごとく内緒で釣り道具を旅行カバンに忍ばせている。
 国内出張ではおなじみの「ちょっとそこまで」を海外でも敢

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都会の自然を発掘せよ〜スモールマウスバス〜

都会の自然を発掘せよ〜スモールマウスバス〜

 スモールマウスバス。
 日本では今から30年位前から耳にするようになった。裏磐梯や野尻湖で釣れると聞いて、裏磐梯に行き、初めて釣った時は嬉しかった。伝説のルアー&フライ雑誌『Tackle Box』の読者コーナーに投稿したのを覚えている。
 時代は過ぎ、今では国内の様々な場所で釣ることのできる魚になった。都内を流れる一級河川もその例外ではない。AR川やTM川水系などでは四季を通じてアングラーの姿が

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