【集客】「仕事をしたい」と「仕事を頼みたい」の分断を考える
昨日は横浜にて業界の会合。
みなとみらいの赤レンガ倉庫から出航する船上パーティーということもあり、多くの参加者が集った。
とはいえ、参加者の平均年齢は60代といったところか、40代半ばのわたしが参加者の中で2番目に若いという高齢化著しい団体であるが、お酒も入ったことからなかなか活気のあるパーティーとなった。
参加者の中でも下っ端のわたしは、皆さんの飲み物や食べ物を用意してまわり、その代わりに近況などの貴重な話を聞かせてもらうことができた。その中で興味深かったのは、70代の方を除き多数の方々は商売に対して前向きで意識も旺盛ということ。
わたしは自分の感覚として、一番のボリュームゾーンである60代はすでに商売にうしろ向きだろうと勝手に考えていたことから少し拍子抜けをしてしまったのである。
「まだまだ仕事をしたい」という気持ちとは裏腹に、現状ではなかなか仕事にありつけないというジレンマがあるというのもわたしの興味をくすぐった。
話をよく聞けば、むかしとは仕事のつながりをもつ方法が変わっており、その時代の流れに乗り遅れたことが原因、というところまでは自己分析できている様子であった。
末端の建設業界は特殊な構造であり、一般職がホームページなどのウェブ集客に舵を切った頃、建設業のヒエラルキー最上位であるゼネコンなどの建設会社から、自社でエンドユーザーなどに対して働きかける集客をしないよう、暗黙の圧力がかかっていた。
町場の業者はゼネコンの影響はなかったものの、その当時は小さな工務店やリフォーム会社からの仕事が忙しく、自社で集客せずともなんとか食っていけたという経緯から、「集客」という言葉すら知らないままオンラインへの切り替えから取り残されてしまったということだ。
オウンドメディアのあるなしは昨今の商売では基本中の基本であるゆえ、ホームページすらない業者は存在していないも同じ。しかしながら「仕事がしたい」という業者のスキルから考えれば顧客と繋がることさえできればまだまだ価値は提供できると思うのだ。
オンライン上では「仕事を頼みたい」という顧客の需要は高まる一方だが、その需要に応えているのはウェブ戦略のうまい会社のみ。その会社が本当にいい会社である可能性は不明だが、ウェブ戦略のみに力を入れている会社のクレームもまた多く耳にするが悲しい現実である。
価値の提供できる業者とそれを求めている顧客とで埋められないギャップが広がっている。それをうまくつなぐパイプが必要なのだろうが、そんな世話焼き仲人のような存在があればもう少し建設業界は明るくなるのだろうと、船上でぼんやり考えていた。
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