見出し画像

お母さんは、時計がよめない ~遠距離介護で介護サービスを利用し始めるまでに取り組んだこと~

時計がよめなくなっていることに気付いた時は「そんなことってあるのか……」と呆然としてしまったけれど。ま、時計よめなくても生きていけるし。

わたしは母の介護を”しなければならなかった”訳ではなく、母が安心して安全に暮らせるように、わたしが気持ちよく納得して暮らしていけるように、行き着いた先が現在の形だっただけ。

許容できる範囲も人それぞれ、関わり方も人それぞれ。
何が良いというわけでもなく、間違ってることもない。そうであれ、たまには自分に甘く生きてけ。

1. 月1回は帰省する(その分、交通費は出してもらう)

わたしは実家から離れた所で住んでいて、母にサポートが必要だと気付いたのは就職してすぐくらいのことだった。

それまでも年に2回程度は帰省していたが、入院中は週に1回、冷蔵庫の中身チェックや郵便物のチェックのため、退院後も大体1ヶ月に1回程度は帰省した。

しかしそんな高頻度で帰れるほど安くない交通費については、本人と相談して母から貰った。

わたしのお母さんは「本当はもっと娘にしてあげたいことがあるのに申し訳ない……」という気持ちが強い人であるため、すんなり話はまとまったが、サポートする側が苦しくなっては元も子もない。

継続的に支援をするため、我が家ではお財布をしっかり分けることにしてる。


2. 定期的に電話する(シニアスマホって耳を当てただけで電話に出られるって知ってた???)

大感謝家族割。
曜日の感覚を保つために、週に1回は必ず電話で連絡をとった。

分からないことがあると「電話の方が早い」とすぐにかかってくるため効果があったかは定かではなく、わたしの気持ちの問題だったかもしれない。

症状が進行すると電話をかけてくることも難しかったが、シニアスマホに変更していたため電話に出るためのスワイプが必要なく、耳を当てるだけで出れていることに気付いた時には本当に驚いた。

文明よ、ありがとう。


3. 見守りカメラを設置する

ペットじゃないんだからと言われたこともあるけど、母はひとり暮らしをしていたため何かあっても気付けない。

本人も嫌がらなかったため最初は簡単にスマカメを利用した。
介護サービス利用開始後も進行に合わせて装置も適宜変更していったため、それば別途まとめます。


4. お薬カレンダーを利用する

めちゃくちゃよくあるやつ。お薬カレンダーってやっぱり便利。

進行とともに文字が認識しづらかったり、空間認識能力が落ちてきたときは、見守りカメラと併用して「もうちょっと右!!上……あ、行きすぎた!!!」と、ちょっとしたゲーム感覚を楽しんだりもした。


5. デジタル時計を設置する(簡単な操作で音声で時間を読み上げてくれるもの)

時計の針をよむこと、そもそも生活する上での作業ってめっちゃ脳使ってる。生きてるだけで偉いってよく言うけど、もうほんとみんなよくやってる。脳ちゃんもすごすぎ。

当時は数字ならまだ読めたため、家にデジタル時計を設置。
数字もうまく認識出来なくなってからは、上部のボタンを押すと音声で時間を教えてくれる、これまで使っていた時計とよく似た形のデジタル時計を設置した。


6. ひとりで抱え込まない

「環境が変わること」がしんどいのは誰しも同じ。
ただ認知症の場合は「環境が変わること」と「なぜ今不快な思いをしているのか」、原因と結果を繋げることがとても難しく不安が大きくなりやすい。

だからこそ、丁寧に対応しなければならないのは分かっていても簡単じゃない。
分かっちゃいても、難しい。

ヤングケアラーでなくても、ひとりで抱え込まないことは絶対に最重要だと信じてる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?