足塚嬰児キック

中年男性が気が向いた時に何かを書く用の場所。

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最近の記事

Tom Robinson Band「The Albums 1978-79」

2023年のNo.1リイシュー(俺調べ)だったTom Robinson Band「The Albums 1978-79」、宣伝文句は一応EMIに残したレコーディング音源を全て収録ってことになっているけど、ライナーにも収録物に関して詳しい解説もないようなので、本当なのか調べてみました。 前段 今回のCD、実はTom Robinsonが制作に関わってないのがポイント。非公認ってわけではなく、CD発売を告知するメールでは「僕が選曲したわけじゃないけどよろしく~」(意訳)みたいに

    • Thatness And Thereness

      坂本龍一さんの訃報を知り一週間が過ぎました。 それ以来アルバムを順に聴いたりして、坂本龍一のことを考えることが多かったと一週間だったと思います。YMOの他のお二方に比べるとソロワークも近作まで追いかけてはいました。持ってないというかちゃんと聴いてないアルバムも多いですけど。でも最近作まで「おー、こんな感じか」ってのを把握したうえで聴く聴かないは決めてました。まぁ多作ですし、サントラやピアノのライブアルバムまではちょっと追えないですよね。逆に言うと他のお二方に関しては既にそれす

      • 『ミスタームーンライト~1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢~』

        この感想文の前提 2月1日水曜日、仕事の後に時間を作るちょっとした事情がありどうしようかなぁと考えていた時に、今日は1日で安い日だから映画でも見るかと近所の映画館を検索した中で「まぁ、時間的にもちょうど良いしこれかなー…」くらいの感じで『ミスタームーンライト~1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢~』を見に行きました。そういう決して積極的な理由ではなかったうえでの感想文です。ご了承ください。ちなみに今回もこれから見ようという人の事は考慮しないで内容をがっつり書き

        • Bill Nelson's Red Noise「Art/Empire/Industry」

          Bill Nelsonはダニエル・カールに似ている。ダニエル・カールをテレビで見かけるとBill Nelsonを思い出し、その逆もまた然りなのである。YMOへの客演で知ってる人が多いのかな?そんなBill Nelsonが1979年にバンド(ユニット)Red Noiseとして発表したアルバム「Sound On Sound」がComplete Red Noiseと謳われCD4枚+DVD2枚の拡大版BOXが発売されました。他にも豪華ブックレット、ツアーパンフやアルバムのポスターの復

        Tom Robinson Band「The Albums 1978-79」

          例の前座のやつ

          1966年7月3日 56年前の本日、羽田空港からThe Beatlesご一行は短い日本での滞在を終え、次の公演地であるフィリピンへ旅立ちました。「Anthlogy」での発言を見るに、このフィリピン公演と並んで日本公演もあまり良い思い出ではなさそうに感じたんですが、実際はどうだったんでしょうか。表立って悪く言ってるのも見たことないですが、違和感はとてもあったくらいの感じでしょうか。 そんなBeatles日本公演で 現在の日本では本編以上に有名かもしれないザ・ドリフターズの

          例の前座のやつ

          Screen「Persona」

          おそらくライターとしての活躍で知られることが多い和久井光司氏が80年代に率いていたスクリーン。スクリーンって今の時代で振り返ると立ち位置的に微妙な位置になってしまうのかもしれない。時代的には東京ロッカーズ周辺って訳でもないし、後に東京周辺のポップなバンドの中心格だったと言われても、そのシーン自体が今改めて振り返られる機会があるかと問われると難しいんじゃないかな。このアルバムが「80年代インディーズの名盤」って扱いなわけでもないし。でも僕は名盤だと思ってますよ。 本作の概要本

          Screen「Persona」

          Bolshie/1979 UNRELEASED STUDIO TRACKS

          活動期間は1978年〜1979年の1年足らずでメンバーは当時高校生だったバンドの未発表音源集が出た。これまではオムニバス「東京ニューウェイブ'79」にライブ音源が3曲収録されているのみ。そんなバンドの音源がノーマルの1枚物のCDだけでなく5枚組(しかも中身がほぼ被っていない)のBOXまで発売された。凄いことだと思う。例えば、後に高名なミュージシャンになる人がやっていたバンドであるとか、申し訳ないけど「東京ニューウェイブ'79」に収録された音源がとてつもなく良いというような「伝

          Bolshie/1979 UNRELEASED STUDIO TRACKS

          「ザ・ビートルズ:Get Back」感想文③

          3回に分けて書きましたが、さすがにこれが最後にしようと思います。 2か月以上前に見たからもう記憶もぼんやりしてきてるし。 でも実は、これ1月にちょこちょこメモしてたものが元になってるのです。 まぁ感想文ですから。値段に関して色々あるみたいなソフト化も早速決まってますが、例の如くネタバレ的な記述を含みます。 所謂「Get Back Session」に対する僕の認識 「Get Back Session」のコンセプトは1960年代後半のロックにおけるトレンドを感じ取った(そこを

          「ザ・ビートルズ:Get Back」感想文③

          「ザ・ビートルズ:Get Back」感想文②

          前回から1か月以上経っての2回目です。今ちょうど映画館で屋上のシーンが上映してるんですかね。なので今回はその辺を絡めて。相変わらずネタバレ的な書き方をしますので、これからまっさらな気持ちで見たい人には不向きの文章です。 所謂「Rooftop Concert」と呼ばれる出来事について 屋上での演奏に関しては、僕はライブだとは思えたことないし、今回見てもそう思う。強いて書くならば、プロジェクト当初の「ライブ特番」に対する辻褄合わせの「ライブ風」の絵面が欲しい為だけに行われたよ

          「ザ・ビートルズ:Get Back」感想文②

          「ザ・ビートルズ:Get Back」感想文①

          正月休みに見ましたよ、「Get Back」。一日一本ずつ見ました。8時間は長いかなと思ってたけど意外とそう思わなかったかな。でも二本目は3時間近くあるからちょっと休みながら見た。見るのどうしようかなと思っていたけど、解禁日以降YouTubeに続々とアップされる美味しい部分だけを切り取った動画(非公式なものである場合が多い)をお薦めされ続けるので、ちゃんと見ておこうと思ったのでDisney+に入会して見たのです。勿論とても面白く感じていたし、映画「Let It Be」を見て持っ

          「ザ・ビートルズ:Get Back」感想文①

          Power To The Pop

          2019年発売のコンピ。最初に帯文を丸写ししようと思う。 「ポップの魔法を信じるかい?誰もが納得のマスターピースから隠れた名曲まで、レーベルを超えて世界中から集めた、究極のポップでパワフルな作品集。すべてのポップ・ファンに贈る日本独自企画のコンピレーションCD!!」 だそうです。でもこれ、所謂ビートルズっぽい曲(僕はBeatlesqueって呼び方が好きなんですが)を集めたコンピ。何故か帯にも裏ジャケにもビートルズのビの字も出さないのは奥ゆかしいのか大人の事情なのか。詳細す

          VOIGT/465「Slights Still Unspoken (1978-1979)」

          オーストラリアのポストパンクバンドの録音集。1979年に発売された唯一のアルバムにシングル曲と未発表音源をプラスしたCD。2017年発売。結成は1976年とのことだけど、本格的な活動は1978~1979年と短期間。 ざっくり書いて済ますなら女性ボーカルのキーボード入りポストパンク。男も結構歌ってるけど。メーカーの宣伝文句によると「ストゥージズ、シド・バレット、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやカンなどの影響を独自に消化した攻撃的かつアーティスティックなサウンドが炸裂」だそ

          VOIGT/465「Slights Still Unspoken (1978-1979)」

          “伝道”URC未発表発掘ライヴ集

          2017年にキャンペーン特典として制作されたCDが2020年に市販されたもの。スリムケースなのが特典盤の名残なのかな?正直まだ出てくるかーとすら思っちゃうURCの発掘音源。 メインは1971年4月14日に大手町サンケイホールで行われた加橋かつみコンサートの音源。とは言えこのCDに加橋かつみの演奏は含まれず。当日出演していたはっぴいえんどのパートは1986年には発掘され「GREATEST LIVE! ON STAGE」に収録されているので、他の出演者の音源があるのは不思議では

          “伝道”URC未発表発掘ライヴ集

          The STALIN「豚に真珠 ~LIVE at 横浜国立大学 1980.11~」

          年末年始の休みの間では一番聴いたCD。 これまで未発表だったThe STALIN結成半年後のライブ。視聴用動画を見て音も良いし即購入を決意した。 CDを再生すると「猟奇ハンター」の途中から始まる。多少のフェードイン処理はされているけど、いきなりフルスロットルで走り出したような感じがしで、欠けているのが気になるよりどちらかと言うと「おぉっ!」となる。サウンドボード録音であることは確実なんで音質自体は良いと思うけど、前半は各楽器のバランスが悪かったりもする…いや、バランスの悪さ

          The STALIN「豚に真珠 ~LIVE at 横浜国立大学 1980.11~」