【映画レビュー】今年最大の話題作「ジョーカー」をみてまいりました
(このレビューではネタバレを含んでおります、注意してお読みください)
ついに!!!!あのジョーカーを観てまいりました!!!
結論からいえば・・・・・傑作でございます!
本題に入る前に・・・。
ベネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得した本作、何とアメリカではあまりの危険さのあまり検問までひかれているそうだ。
なんでもダークナイトライジング公開時に劇場でとんでもない阿呆が暴れまくったとか否かとか・・・。
さらには子供にジョーカーをみさせないようにという警告まで出てきてるらしい。
個人的にはこういう行政の動きも実は「キャンペーンなんだろうな」とおもってたりする。
映画の内容について
で、本作「ジョーカー」についてですが・・・・。
まず最初に色んな情報を自分は仕入れていた。
大体こんな感じだ
・原作とは関係ないオリジンになる。
・観ると鬱になる。
・悲しい映画
そんなこんなで最初は「キングオブコメディ」のリメイクが通らなくてジョーカーでしているのかな、と思いきやなんとそんなことはありませんでした!!!
それどころか、かなり面白いキレキレの1流のサイコパスエンターテイメントとして本作は成功しておりました。
原作にある1エピソード「バットマン:キリングジョーク」をベースに70‐80年代にあったタクシードライバーやキングオブコメディのようなインセル映画風な味付けをしたのが本作でした。
最初は「どーせ監督がほかの映画の企画が通らないからジョーカーで通したんだろ?プン!」とおもっていたらまたパンフレットを読む限りでは「キリングジョーク」について言及したり、コミックについて様々な話をしておりましたよ!(パンフおすすめ!)
ここまで研究してるとはあなどれがたし・・・・トッド監督。
ホアキン・フェニックスのジョーカーは実に素晴らしい。
文句なしに彼自身の最高のベストアクトだろう。
あらすじ
あらすじは「チック症」に近い普通の人では笑わない場所で笑ってしまう病気を患った精神障害者の青年(青年といっていいのか?)アーサー。
彼は病気の母親の面倒をみながらコメディアンになる日々を夢想しながら日々を生きていた。
しかし、ある日・・・とうとう仕事まで失ったことを告げられるアーサー。
そんな彼に追い打ちをかけるようにある日行きつけの医者に「もう市政は福祉に予算を出せないの」といわれ気分はダダ下がり・・・。
それと同じころ、アーサーはとうとう母親まで倒れてしまい完全にすべてを失った状態になってしまった。
そんな中ピエロの仕事で立て続けで失敗してしまい、ジョークをいったコメディアンの仕事では大失敗したり、惚れた女を職場まで追いかけてしまったり・・・・ボロボロの日々を過ごしていた。
そんな中、駅中でピエロの仕事の帰りに酔っ払った証券マン3人に喧嘩を売られ銃で3人を皆殺しにしてしまうアーサー。
これがきっかけで金持ちや富裕層を狙ったピエロマスクのテロ行為が頻発して起こってしまう。
アーサーはびびりつつも、自分のやった犯罪を嬉しがる。
彼は犯罪を楽しいものと認識しているのだ!
おまけにコメディアンの現場で大失敗した様子をテレビで流されさらし首のような状態にあう。それをあこがれのスターがバカにする様子をみてかなりストレスがたまっていくアーサー。
そんなある日、母から衝撃の事実を明かされる。
アーサーは実はトーマス・ウェインといわれる街の大金持ちで市長を目指す男の隠し子だったのだ!
アーサーはトーマスに相談しにいくが冷たくあしらわれてしまう。
おまけに母親は虚言壁(つまりウェインとの仲も嘘!)で実は血のつながっていなかったこともわかってしまう。
完全にキレたアーサーの精神は異常をきたし、ついにジョーカーとなり世界中のすべてを焼き尽くそうと立ち上がるのだった。
というのが本作の大体の内容だ。
よかったところ
観て驚いたのは本作最初は「どーせジョーカーとは別物のノワール映画でしょ?」とおもっていたが、そんなことはなく・・・これこそジョーカーだといえるようなものに映画はなっていた。
隣人に無関心な街ゴッサム、誰も自分に興味を抱かない世界、精神障害者に冷たい世間の目、孤立する世界・・・・。
そしてそんな世界を嘲り笑い飛ばし、破壊しようとすることでジョーカーは生きていこうとするのだ。
そんなジョーカーを本作では同情的に描きつつ若干突き放した感じで描く、この冷たさが非常にヤラレてしまった。
一方世間ではこの映画に対して「観ると落ち込む」みたいに言う人がいるかもしれないが、そんなことはない。
むしろ見終わった後「本当の自分」を見つけてしまったジョーカーの姿にホレボレとして彼の凶行を見送ってしまうようになるだろう。
ダメだったところ
全体的にいえばこの映画は傑作である・・・・・。
だが、完璧ではない!
完璧な映画はこの世にはない。これもしかりだ。
今から本作のダメだった部分をあげていきたい。
まずヒロインとして登場するシンママの女性だが、彼女は基本的にアーサーと仲良くしてる女性は妄想ということだが、本当の彼女たちはどうなったのか?ころされているのか?逃げ出したのか?
そこらへんが曖昧なのが少し違和感がある。
また、もう一つ欠点をあげると
この映画は基本70年代末~80年代序盤が舞台だが、別にこの年代にしなくても「拡散される個人情報」や「ポピュリズム」「黄色いベスト運動」「香港デモ」などが覧発する現代であるからこそこの「ジョーカー」という存在はより恐ろしく凶悪で震えあがる存在として君臨できたのではないだろうか。もしもこれの舞台が現代だったら恐ろしく怖い映画ができたはずなのに残念だ。
それからもう一つダメだった部分は「殺し」だ。
本作でジョーカーが殺すのはせいぜい5人程度だ。しかも殺すのはほとんど男ばかりだ。上であげたシンママももしかしたら殺していたかもしれないが、あまり印象に残らない。
残るのはデニーロを暗殺するシーンだけだろう。(あれは素晴らしいシーンだった。)
俺はもっとジョーカーに大量虐殺をしてほしかった。
あくまで革命家としてジョーカーが持ち上げられるのであれば仕方ないが、もっとジョーカーに老若男女問わず殺しまくる残虐性をみたかった。
例えば同年公開された「ハウスジャックビルド」では親子をそろって殺す必見のシーンがあるが、このシーンの秀逸さと比較してもジョーカーは残念ながら負けているとしかいえない。
また、子供を殺すシーンがないのも残念だ。
こういうのがあると、ますますジョーカーという存在がより不気味なものに変わっていく怖さが描けていたのにこれを省くのは残念だ。
女子供に配慮をするようなポリコレ時代にジョーカーという凶悪無比な存在はいてほしくないのかもしれない、悲しい話だ。
まとめ
さあ・・・・長々と書いたが
本作の点数は70/100点だ!!!
(追記:78点は打ち間違いでした。謹んで訂正します。)
いい映画ではあるが、世間で言うほどそこまでキレキレではない。
だが、間違いなく面白いのでみんなにぜひ、みにいってほしい。
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