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現八推薦図書/『1/2―デュアル― 死にすら値しない紅』

先日書いたラノベ、森バジル著『1/2―デュアル― 死にすら値しない紅』を読み終わったので何かを書く。
ネタバレ込みなので、未読の方はブラウザバックしてね。

結論から言うと、最後には伏線を回収しスカッと終わって爽やかな読後感のある良作であった。オススメ!
アニメ化希望!

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こっからちょっと思ったことを書こう。

ラノベってのは初めて読んだけど、アニメでラノベ原作のものとかは観たことがあったので、まぁぶっ飛んだ設定はあるだろうとは思っていた。

死んだ人間が生き返る。
まぁ、あるある。そういう作品はラノベでなくても枚挙にいとまがない。

生き返るとき、人間としての一部分を喪失(ミス)する。
あ~、深淵を覗いたために対価を支払う的などっかの兄弟みたいなアレね。

喪失は体の一部だったり、視覚だのの機能だったりするが、観念だったり能力だったりもある。例えば、主人公、須崎伴(すざきばん)。彼女は”死”を喪失しているので、死なない。
いや、死なないどころか老化もしない。もっというと怪我をしても瞬時に治る。腕を切り落としたとしてもすぐ生える。

いや、無敵じゃねぇか!
なんだこのチート能力。喪失なんて言ってるけど、得してるじゃんか。
そう、実はこの作品、ちょっと変わったタイプの能力バトル物だったのだ。
なるほど、面白い設定を考えたものだ。

もちろん、目が見えないとかいうような、ホントに損だけしてる偽生者(ワナビー)もいる。不公平。
途中出てきた”関節”を喪失してるやつ。瞬殺されたもの。そりゃそうだろ。なぜ戦いに参加してきた。

そして喪失が何なのかは体の何処かに文字で刻印される。英語で。
英語で!?
おいおい、ずいぶん親切だな。てか、こうなるとこの偽生者なる者は、なんらかの意志を持った存在…人なのか人ならざる存在なのかは知らんが…によって生み出された可能性があるな。何か目的がありそうだ。

にもかかわらず、この世界の偽生者は存在が認められていない。もし偽生者とバレたら返殺(キルバック)されてしまう。
喪失意外は人間と変わらんのに…何も殺さんでも。

喪失によっては人類に役立ちそうなやつだっている。
代表例は咲間(さくま)だ。”距離”を喪失しているので、瞬間移動ができる。一度行ったところや見えているところなら一瞬で飛べる。そう、月でもね。

そっか、月って見えてるもんな~って、いやいやそれ凄くないか!?
それってさ、夜空に見える星々どこにでも行けるってことじゃないのかい!?何光年離れてると思ってるんだ、とんでもねぇな!
しかし、月に一瞬で行けるなんて超凄いのに、罰にしか使わないってもったいなすぎ。月面基地でも作れそうじゃない。
返殺なんて止めて、有効利用したほうが良いと思うけどなぁ。

なーんて思ったことをつらつらと書いてみたけど、こんな細かいツッコミはどうでも良いこと。
森バジルの宇宙じゃそうなんだよ!で、楽しめば良いのだ。
それがフィクションってもんだろう。面白きゃ良いんだよ!

でもさ、一つだけ許せないポイントがある。
限夏(きりか)、お前…なにセックスしてんだよ!
子供ができたらどうすんだ?お前自身、「俺はこの世に居ちゃいけない存在なんだ」な~んて言ってるくせにさぁ。まさか、出来たら「堕ろせ」なんて言うつもりじゃないだろうな!?
伴はちゃんと、その辺考えて避けてるだろうが!
ひょっとして、書いてないだけで、パイプカットでもしてんの?なら良いけどさぁ。

しかし、物語は終りが来るけど、伴は地球が無くなっても死ねない、って考えると恐ろしいよね…。いつか、「そのうち伴は考えるのをやめた」って日がくるのかと思うと不憫だ。
ちなみに不老不死についてもっと深く考えたい人には手塚治虫先生の「火の鳥」がオススメだよ!

偽生者がなぜ生まれるのかっていう謎にも迫ってほしかったけど、それはきっと続編でやるんだろう。あるよね?続編。
待ってます!

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