掌編 詩「手は口ほどにものを言う」
手を繋ぎたいと言ったら、手を振りはらわれた
手を貸そうかと言えば、手出し無用と断られ
手を尽くすように僕は、手短に、手心を加えようとする
それでも彼女は手酷く僕を袖にして、手のひらを返すばかり
どうやっても僕たちは手違いになる
彼女に、手前味噌ばかりで手の内が見えない
手遅れなのだと言われた
彼女を手放したくなくて、僕が思わず手を掴むと
首をしめないでと言われる
怖いこと言わないでくれよ、手首じゃないか
手前勝手な言い分にも手を引かない僕たちは
顔の前で両手を合わせて
どうし