幻ノ月音

主に文章を載せていきます。読書会、掌編、エッセイ、本や映画のレビューなど、つれづれゆく…

幻ノ月音

主に文章を載せていきます。読書会、掌編、エッセイ、本や映画のレビューなど、つれづれゆくままに。 https://amonkoshaku0.booth.pm/

マガジン

  • 読書感想と本について

    小説の感想と本についてのお話。

  • 読書会について

    開催している読書会について、日程、場所、お申し込み情報を載せています。また、活動報告も随時更新していきます。 メールでの参加申し込みは→ gennotsukito@gmail.com

  • 掌編小説と詩

    掌編小説と詩。ビターテイストなものが多いです。日常の中にある小さな光を大切にしたい。 https://amonkoshaku0.booth.pm/

  • 映画感想

    映画の感想。素晴らしかった作品について語ります。映画comレビューサイト『ふたり映画』 https://eiga.com/user/839251/

最近の記事

第15回読書会報告書

 2024年4月29日(月・祝)14:00〜15:00、第15回目の読書会が開催されました。  課題本は 若竹千佐子さんの「おらおらでひとりいぐも」です。 第54回文藝賞、第158回芥川賞受賞作品。本作は2020年に田中裕子さん主演で映画化もされています。  若竹千佐子さん「おらおらでひとりいぐも」 ※ネタバレを含みますので未読の方はお気をつけください。  4月下旬、曇が多く涼しい風がほどよく吹いていて、少し歩くと汗ばむ陽気に初夏を思わせるよう日和でした。今回は、新規の

    • 神保町のPASSAGEへ

       神保町にある共同書店PASSAGEと三階のbis、そして近隣にあるSOLIDAへ行ってきました。  著名人から一般の本好きまで幅広い人たちが各々の売りたい本、推したい本を棚に並べて置いてあるこの本屋さんは、部屋いっぱいに本が陳列されていて、本棚の中身は一貫性がなく分類や大きさもバラバラ、だからこそ新しい出会いを予感させるのかワクワクする気持ちが湧いてきて、それが楽しくて仕方がない。前から気になっていたこの共同書店さんへ行けて嬉しかったです。 【 PASSAGE bis! 

      • ご紹介いただきました!文学イベント東京に委託で参加予定です。よろしくお願いします。 参加サークル:名も無き堂|文学イベント東京(スモール) @agL9HKKaqfnKkV0 #note https://note.com/heywood/n/n76f5fc6bc343

        • 掌編 詩「手は口ほどにものを言う」

          手を繋ぎたいと言ったら、手を振りはらわれた 手を貸そうかと言えば、手出し無用と断られ 手を尽くすように僕は、手短に、手心を加えようとする それでも彼女は手酷く僕を袖にして、手のひらを返すばかり どうやっても僕たちは手違いになる 彼女に、手前味噌ばかりで手の内が見えない 手遅れなのだと言われた 彼女を手放したくなくて、僕が思わず手を掴むと 首をしめないでと言われる 怖いこと言わないでくれよ、手首じゃないか 手前勝手な言い分にも手を引かない僕たちは 顔の前で両手を合わせて どうし

        第15回読書会報告書

        • 神保町のPASSAGEへ

        • ご紹介いただきました!文学イベント東京に委託で参加予定です。よろしくお願いします。 参加サークル:名も無き堂|文学イベント東京(スモール) @agL9HKKaqfnKkV0 #note https://note.com/heywood/n/n76f5fc6bc343

        • 掌編 詩「手は口ほどにものを言う」

        マガジン

        • 読書感想と本について
          14本
        • 読書会について
          6本
        • 掌編小説と詩
          6本
        • 映画感想
          8本

        記事

          +4

          武者小路実篤記念館さんからグッズを通販しました

          武者小路実篤記念館さんからグッズを通販しました

          +3

          「My bookshelf〜時を探して〜」

          「 My bookshelf 〜時を探して〜 」  X(旧twitter)のWeb企画、ペーパーウェル11(2023年9/30開催)の参加作品です。テーマは『 時計・時間 』でした。概要はこちら、  私は作品の配信と読者の両方で楽しませて頂いております。いつもは物語の短編で参加していたのですが、11回では趣きを変えて時計や時間に関する本を紹介しました。読書の薦めのような、書評のような、推し本語りをしたものです。5月下旬には12回目が開催されます。その前に前回の作品を載せた

          「My bookshelf〜時を探して〜」

          「裁判官三淵嘉子の生涯」伊多波碧 感想

           「裁判官三淵嘉子の生涯」 伊多波 碧  朝ドラ『虎に翼』が好きで拝読しました。  女性の自立を阻むのは同じ女性だったりもする、という嘉子の言葉に頷いてしまう。日頃から常々思ってたことだったので嘉子が体験する疑問をリアルに感じました。彼女の生き方と後生への偉業は尊敬するし、少年達との対話は涙を耐えることができなかった。  一冊分の生涯なので、本当はまだまだたくさんの困難があったんだろうなぁと推し量れる。憲法の改正ってすごくすごく大きな変化だったのに、それを理解せずに生き

          「裁判官三淵嘉子の生涯」伊多波碧 感想

          +2

          第15回読書会開催のお知らせ

          第15回読書会開催のお知らせ

          チネ·ラヴィータよ、さようなら

           仙台駅東口側から5分もかからないところにある映画館が閉館してしまった。  私はまさかこんなに立地の良い映画館が閉まってしまうなんてつゆ程も思ってはいなかった。チネ・ラヴィータ公式X(旧twitter)での投稿で「閉館します」というお知らせに、スマホを落としそうになりながら「えっ…!?」と声を上げてしまった。ショックだった。  私が通う限り、客入りも少なくなかったと思うのだが、コロナ禍の影響や昨今の大規模な映画館に客脚が流れていったのだろうか、それは分からないし推測したって

          チネ·ラヴィータよ、さようなら

          読書会について

           新生活はなにも春からとは限りません。夏でも秋でも冬でも、やりたいと思ったそのときがタイミングです。その中の一つに、好きなことを追求して趣味を発掘する人も多いかと思います。一人で黙々とやる趣味もあれば、大勢で和気あいあいとやる趣味もありますが、私はその両方を兼ねたものをお薦めいたします。それは、【 読書 】です。家で黙々と、じゃないの?と思われるかもしれませんが、読書は読み手をいろんなところへ連れて行ってくれます。本屋さん、ブックカフェ、聖地巡礼、サイン会etc...、そんな

          読書会について

          映画「コットンテール」感想

           今回はリリーさんの哀愁漂う姿に惹きつけられました。無骨で自分本位で、どうにか妻の願いを叶えようと息子に不器用な態度をとってしまう姿がもどかしくてたまらなかった。「一生のお願い」よりも「最期のお願い」という言葉がなによりも執拗な行動をさせた原因になってしまったのでしょうね。  夫婦や家族がいれば、誰もが経験する大切な人との病気と別離。妻に対する優しい言葉遣いや労る介護が、苦しくて切ない。うまく対応できなかったことで、息子に対する嫉妬めいた思いを抱いてしまう感情もなんとなく察せ

          映画「コットンテール」感想

          「ぼくは青くて透明で」窪美澄 感想

          「ぼくは青くて透明で」 窪美澄  とてもよかったぁ。海くんと忍くんの関係だけでなく、海くんの継母や父親、同級生の視点などを、一話ずつ重ねながら進む物語は、多面的で一方の思い込みを柔らかく解いていく。  文章ってきっと相性があるんだと思う。どんなに読みやすい文体でも読みづらく感じることはあるし、逆に難しそうでもすんなり頭に入っていって、スラスラ読めることもある。窪美澄さんの作品は、とても読みやすくて、情景が頭に浮かび、登場人物たちの気持ちに傾倒して一喜一憂してしまう。頭の中

          「ぼくは青くて透明で」窪美澄 感想

          掌編小説 「若人へ」

           今日は散々な日だった。  電車で高齢者に席を譲ったら、怪訝な顔で断られ、スーパーで店員さんを呼んだら無表情な顔で指示された。独身だというと可哀想な目で見られるし、一人でいると男が猫なでな声で寄ってくる。  荷物が重い、歩き疲れて足が痛い。体が弱い親のために、買い物はずっと私がしている。ヤングケアラーという言葉を知ったのは最近だ。切れやすく、感情のまま暴れ、ひとの話を全くきかない。介護や認知症の身内を持つと苦労する。  待ち時間さえなければ、病院での待機時間は安息の喫茶室にな

          掌編小説 「若人へ」

          +5

          エスカレーター横のアート市 in AERへ行ってきました!

          エスカレーター横のアート市 in AERへ行ってきました!

          +4

          「愛と死」武者小路実篤 感想

             「愛と死」 武者小路実篤 ※ あらすじを含んでいるのでネタバレを気にする方はご注意ください  ただただ想い合っている。こんなに気持ちいいものはない。ラストが悲恋であれ、これが人と人が真っ直ぐに想い合う美しい姿なんだなと思った。愛を形にするならばと問われれば、きっと私はこの小説が頭に思い浮かぶだろう。相思相愛とはこのことだ。  先輩作家であり友人野々村の妹「夏子」との初めての出会いは、何気ない一幕に感じられた。ある日村岡が、野々村の家へ行くと、庭で無邪気に遊んでいる

          「愛と死」武者小路実篤 感想

          第96回アカデミー賞 視覚効果部門受賞!おめでとー!

          第96回アカデミー賞 視覚効果部門受賞!おめでとー!